みなさんこんにちわorこんばんわ! Takahiroです。
今回は東芝デバイスアンドストレージ社製のエンタープライズHDDである「MG07ACA12TE」のレビューとなります。
東芝デバイスアンドストレージの資料(ホワイトペーパー)には「第7世代のニアラインHDD」「東芝初のヘリウム充填HDD」として紹介されています。
そんなMG07系のサンプル出荷が2017年12月、秋葉原の店頭に出回ったのが2019年9月末と(毎度の事ですが)間が空きすぎてる感が否めません。
しかもヘリウム充填HDDはWD(旧HGSTブランドを含む)やSeagateがデスクトップ用・NAS用・監視録画用・業務用サーバー用の各使用用途向けに出していて目新しさはゼロ!
そんな東芝MGシリーズ初のヘリウム充填HDDを『4万円も出して買う価値があるのか?』自腹を切って確かめてみようと思い、購入してみました。
良い具合に東芝製HDDのシェアが下がっている・・・その原因を考えてみた
あくまで参考程度に捉えて欲しいのですが、東芝アンドストレージのシェアは『13.4%』と可哀想なほどになっています。
以前のレビューで『国内発売イベントが無い』『国内発売告知が無い』と言いましたが、相変わらずその姿勢を貫いている模様です
まぁその結果が13.4%というシェアに繋がってるんでしょう。 こういう商品があるんだ!と知ってもらわねば購入フラグは立ちません。経費は掛かりますが、イベントやったりPC専門誌でレビュー書いて貰ったりした方が良いと思いますけど。。。
日本市場向けのやる気が一切無い(もしくは、やる気が感じられない)のもシェア低下の一因だと思います。
『新HDD発表(サンプル出荷します発表)』→(発表から2年後)→『店頭で我々自作erが購入』
毎度毎度こんなペースでは発表時に受けた衝撃・購入意欲はどこかへ消え失せてしまいます。
出来れば3ヶ月以内、どんだけ遅くても半年以内には店頭で購入出来るようにしなければね...
プラッタ当たりの容量は他社に追いつきました。
名称:MG07ACA12TE
Jan:4582353590354
メーカー:東芝デバイスアンドストレージ
I/F:SATA6Gbps(SATA3.3対応)
Rev:A2
製造日:2019年6月7日
容量:12TB
cache:256MB
データブロック:512エミュレーション
回転数:7200rpm
記録方式:CMR(従来型磁気記録≒Conventional Magnetic Recording)
主な用途:Tier2ビジネスサーバー用、NAS用
エラーレート:10 per 10の16乗
MTTF(平均故障時間):250万時間
年間ワークロード:550TB/y
ロードアンロード:600,000回
24時間365日稼働:対応
回転振動センサー:搭載
充填物:ヘリウムガス
価格:39,800円(Amazon トップサービス店)
GB単価:約3.3円
保証期間:3年間(購入店:Amazon、代理店:アーキサイト)
AmazonでHDDを購入するとどんな梱包で来るか、見て貰おうと思います。
言えることは『Amazon』でHDDを購入するのはお勧めしません。
上の画像のようにこんな中身スカスカですし・・・。これなら店頭での購入の方が多少マシかもしれません。
本当か嘘かは分解するまで分かりませんが中国のサイトでは12TBモデルは『ディスク8枚・ヘッド16本』と紹介されています。
それが本当だと仮定するなら、1プラッタ当たりの容量は1.5TBとなります。 SeagateやWDのサーバー向け12TB HDDも1.5TBプラッタみたいですし(プラッタ当たりの容量だけなら)ようやく他社に追いついたようです。
従来型HDDよりネジが少ない
東芝デバイスアンドストレージ社製の従来型HDD(MN04ACA400、MD04ABA400V)と違って『トップカバーにレーザー溶接を採用している』のがデザイン的・機能的部分における特徴となっています。
また、このレーザー溶接に関しては東芝の生産技術センターで開発した技術(=リチウムイオン電池製造で用いる溶接技術)を採用しているとのことでWDやSeagateのヘリウム充填HDDと外見が違っています。
どこら辺が違うのか気になる方はWD(Ultrastar)のヘリウム充填HDD、Seagate(Exos)のヘリウム充填HDDを購入して3社の違いを比較してみるのも面白いかなと思います。
側面のネジ止め部分については従来型HDD(MD04ABA400V・MG03ACA400などなど)と同様となっています。
今は分かりませんが、少し前のSeagate製HDDだと真ん中のネジ止め部分が存在せず、古いPCケースだと取り付けにくいことこの上なかったのでだいぶ改善されたと言えるでしょう。
現在も続く問題点としてはHDDトレイが数センチ奥にズレます。なのでケーブルの取り回しに注意しなければいけません。
左:東芝MD03ACA300V(*生産終了)
右:東芝MG07ACA12TE
ちなみに、ケースに入れる(使用ケース:FractalDesignのDefine R5)とこんな感じになります。
上から4段目がMG07ACA12TEとなっています。
まぁ、見ての通りHDDがネジ止め位置の関係で奥に引っ込んでしまうのでSATAケーブルは下L型SATAケーブルか上L型SATAケーブルの使用を俺は薦めたいと思います。 ストレートタイプだとケースを閉めた際に(最悪の場合)HDDのSATAコネクタを破損させてしまう・・・そんな事も考えられるからです
MG07系とMN04系のCDI(Crystal Disc Info)画像を見ていきましょう。
MG07系ではファームウェアNo.がM/BのUEFIと同じく数字のみで表記されるようになっています。
対応規格としてACS-3、ACS-3 Revision4との記載があります。
俺の持っている東芝デバイスアンドストレージの『MG03系』『MD03ACA-V系』『MN04系』はATA8-ACSだったのでだいぶ変わったように感じます。
しかし、対応規格が変わったと言っても我々一般自作erには影響しないとは思いますが・・・。
2014年2月にHGSTから初のヘリウム充填HDDであるUltrastar He6が国内解禁された(店頭価格が約6万円)時は
『いつかはヘリウム』
などと夢を見ていましたが、時間が経つのは早いもんです。
なんかいつの間にか当時より安くて手に届く価格帯に倍量の12TBが下りてきてました。
そんな独り言を言ってても始まらないので、
「MG07系とMN04系のベンチマーク比較」
をして見ようと思います。 買う・買わないを決めるには性能も重要な要素ですからね。
東芝MG07系とMN04系を比較してみたら・・・
とりあえず、ベンチマークでどの程度の差が出るのか見ていきます。
比較するのはMG07ACA12TEとMN04ACA400の2機種とします。
比較環境
【CPU】AMD Ryzen7 3700X
【Cooler】Scythe 無限5 Rev.B+山洋電気F12-PWM
【Memory】センチュリーマイクロ CK8GX2-D4U3200H(DDR4-2400_8GBx2)x2セット
【M/B】ASRock X570 STEEL LEGEND
【NIC】OnBoard(Intel I211-AT)
【VGA】MSI Radeon RX580 ARMOR MK2 8G OC
【SSD(OS用)】SanDisk ExtremePRO(NVMe・500GB)
【SSD①】SanDisk ExtremePRO(480GB)
【Optical Drive】パイオニア BDR-S11J-BK
【Case】FractalDesign Define R5(TITANIUM)
【CaseFAN】
Noctua NF-A14PWM x2、NF-P14s redux-1500PWM、
【PowerSupply】Seasonic SSR-650TR(80+TITANIUM)
【OS】Windows10 PRO_64bit
1、CDM(Crystal Disk Mark)での比較
先ずはCDMによる比較をしていきます。
シーケンシャルRead・Write共に2割ずつ数値が上がっています。
また4K Q32T1のReadで約6割も上がっていて(大人向けの)DVDデータを探す際に若干早く探せるようになるかもしれません。WriteはMN04系と殆ど変わらないので・・・
全体的な数値的を見るとMN04系を下回る物は無く、プラッタ容量やキャッシュメモリの増加・従来以上にファームウェアの作り込みがなされているなと感じさせます。
2、HD tuneでの比較
次にHD tuneを使用しての比較となります。
Minimum(最小値)
MG07ACA12TE・・・225.9MB/s
MN04ACA400・・・157.8MB/s
Maximum(最大値)
MG07ACA12TE・・・264.7MB/s
MN04ACA400・・・205.0MB/s
Average(平均値)
MG07ACA12TE・・・239.2MB/s
MN04ACA400・・・183.2MB/s
AccessTime
MG07ACA12TE・・・7.2ms
MN04ACA400・・・8.5ms
先ほどのCDMで見た時以上にMG07系の優秀さが目立つ結果となっています。
最小値で4割以上、平均値で3割もの差を付けています。
AccessTimeも約2割ほど早くなっていてプラッタ容量の増加・キャッシュメモリの増加・コントローラ及びFWの作り込みがMN04系の時よりも進んでいるという証でしょう。
3、ATTO Disk Benchmarkでの比較
ではATTO Disk Benchmarkを使用した比較をしていきます。
細かく見ていくとMG07は小さいデータ(「512B」「1KB」「2KB」「4KB」)を扱う際はRead。Write共にMN04よりも結果が劣っています。
他のソフトでは優秀な結果を残しているのにATTOベンチは結果が奮わないのは何か理由があると思いますので今後探っていきたいと思います。
他社の同等製品とようやく戦えるようになりました
MG07系と同等製品と言えばWD(元HGST)の「HUH721212ALE600」あたりが上がってくるかなと思いましたので軽くですが比較してみます。
するとこのような感じとなりました。
保証期間が劣っていますがそれ以外は「多くの方がギリギリ許容出来る範囲」になっています。
ただし、24時間動かすのであれば「消費電力」をもう少し改善した方が維持コスト削減に繋がるので頑張って欲しいかなとおもいます。
あと、頑張って改善して欲しいのは「販売に掛かる時間」です!!
最低でも1年、出来れば1年半短縮しなければ国内市場で存在感を示すことが出来ません。手に取りやすい価格だけに流通に掛かる時間をどうにかして欲しい・・・
今のままだとせっかく大容量HDDを開発しても先行開発したのは「WD」「Seagate」だと思われてしまいますよ・・・
性能面が先行組のHGST(現:WD)のUltrastar Heに殆ど追いついてるんですから残りの「販売開始までの時間」を短縮するように頑張って欲しいです。
余談:AmazonのHDD梱包は非常に悪いので気をつけましょう
こんな感じです。
箱に固定するとか緩衝材を大量に入れるとかそういうのは一切ありません。
よっぽどのことがない限りAmazonでHDDを購入するのに使わない方が良いでしょう。
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購入金額
39,800円
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購入日
2019年10月頃
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購入場所
Amazon
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