文庫版「三鬼 三島屋変調百物語四之続」です。
怪異そのものの恐ろしさや、人の心の恐ろしさ、あやかしの純粋さなど、様々なものを描いて来たシリーズも四巻目。
とある事情により、若くして人との交流を諦めて暮らしていた主人公「おちか」も、少しずつ、他者との関わる事に馴染んできました。
聞き手としての水の向け方も上手くなって、纏まらないお話を纏める力が付いて来たという事で、語り手も、幼い子供だったりとバリエーションが出てきました。
表題作の「三鬼」の怖さは、人の心の怖さでもあり、そこから呼び寄せられた闇の怖さでもあり、そして、それを受け入れざるを得ない悲しみもあります。
実は、L2さんはもう少し恐ろしいお話を想像してしまったので、ちょっと拍子抜けしたのは、内緒ですw(これは、折しも夏の風物詩的な怖い話を他で聴きすぎて、怪談スイッチが入ってしまったからかもしれません)
十分、恐ろしく、悲しいお話なのですが。
収録されているお話の内、一番恐ろしさを感じたのは、最後に載っている「おくらさま」。
お店を護る存在の為のしきたりが、実は……。
「三鬼」で身構えていて、ちょっと拍子抜けした分、背筋が寒くなりました。
怪異そのものだけのお話も含まれているのですが、実は、それが一番、ほっこりするというのが不可思議なものですねぇ。
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購入金額
800円
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購入日
2019年09月16日
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購入場所
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