先日あっさりとリードチップが破断してしまった、Ortofon LW-7Nの代わりに急遽調達したシェルリード線です。
当初は他メーカーの近い価格帯から何か代わりを探そうと思っていたのですが、そこでふと思い出したのが以前から度々名前を目にしていたKS-Remastaさんの製品でした。
KS-Remastaブランドで自社直販も行っていますし、他のブランドとの協業による製品も多数展開されているのですが、それ以外にも比較的安価な製品をヤフオクを通じて販売されていることを知っていましたので、早速探してみました。
しかし、タイミングが悪かったのか、私が探した時点で見つかったKS-Remastaさんの出品は、こちらのKS-LW-2000MSと、DENON DL-103向け推奨の純銀リードの2種類のみでした。普段はもう少し色々あったはずなのですが…。
純銀はどうしても銅とは傾向そのものが異なってしまいますので、まずは製品の水準を知るのに都合が良いだろうということで、最廉価品であるKS-LW-2000MS(出品名は「輝かしく力強いスーパーアニールOFC/MSシェルリード線です。」)の方を購入してみることにしました。
基本的には定形の封書便で送られてきます。ただ、その中にビニールパックを二重にしてリード線が収納されていて、丁寧な仕事であると感じさせてくれます。
出品時の説明によると、KS-LW-2000MSはSAEC製スピーカーケーブル、SPC-700の素線を取り出して制作されているようです。スーパーアニールOFCというのは、このSPC-700の導体がこの処理を施しているという意味です。
ちなみにスーパーアニール処理というのは、簡単に説明すると、導体の素材となる銅に「焼きなまし」を加える事で、不純物を除去すると共に分子を均一かつ高密度に保つという技法だそうです。SAEC製のオーディオケーブルではよく見られる処理です。
価格を大きく超える音
それでは早速LW-7Nの代わりに使って見ることにしましょう。
カートリッジはaudio-technica AT-OC9/III、ヘッドシェルはaudio-technica AT-LH15/OCCという組み合わせで利用します。
利用するターンテーブルは、当然Technics SL-1200Gです。
商品説明では取り付け時にケーブルを曲げることによりストレスがかかるため、丸1日程度経過してからの方が音が落ち着くとありますが、ファーストインプレッションということで装着後1時間もおかずに使っている事は予めご了承ください。
また、所謂エージングもレコード5枚程度再生が必要とのことですが、1枚の片面を聴き終えた辺りで試聴を開始しています。
第一印象としては「正攻法の音」ということです。同ブランドの最廉価モデルということもあるのかもしれませんが、あまりはっきりとしたキャラクターは感じさせず、平均的に整った音という印象を受けました。
もっとも、それだけであれば普段使っているaudio-technica AT6101と変わらないように思えてしまうのですが、KS-LW-2000MSの方はベースの音ならピッキングが明瞭であったり、ヴォーカルのホールエコーがしっかりと表現されることで、AT6101のような淡泊さは感じさせず、きちんと音楽そのものの魅力を伝えられる実力は持っているようです。
圧倒的な濃厚さや緻密さのような特徴はありませんので、そのような要素が欲しいのであればまた他のモデルを検討するべきということでしょう。ただ、カートリッジやターンテーブルの素の音を聴きたいのであれば、下手に高価な製品を買うよりもこのモデルの方が適しているのかも知れません。
これまで使っていたLW-7Nと比べると、意外なことにアタックの明瞭度はこちらの方が上ですし、情報量も特に劣っている感じはしません。想像以上にお買い得な逸品といえます。
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購入金額
1,980円
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購入日
2019年06月12日
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購入場所
ヤフオク!
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