レビューメディア「ジグソー」

NFCの存在意義は薄い

今年もカメラ関連の展示会である、CP+に足を運びました。もっとも、昨年は同時開催のアクセサリー・用品アウトレット市の特売品狙いで開場前から並んで入ったのですが、今年はカメラ数機種やレンズ数本を見るために行っただけでしたので、戦利品は殆どありません。ただ、通りかかったときに少しだけ在庫が残っていた東芝メモリのアウトレットメモリーカードの中でも、容量単価が極めて安いこの製品に目がとまったため、何となく1枚買ってきてしまったのです。

 

 

 

 

 

 

 

 

「57」と書かれたシールが貼付されていますが、これは会場内での商品番号です。この製品は速度性能が期待できないためかまだ在庫がある程度残っていましたが、カメラのヘビーユーザーが使うような高速型のSDXCやCompactFlashなどは軒並み売り切れでした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この製品の最大の特徴はNFC(Near Field Communication)機能を搭載しているということです。これについては後述しますが、先にSDXCメモリーカードとしての傾向を確認しておくことにしましょう。

 

 

 

 

 

 

パッケージ記載の型番は単に「SD-NFC64GB」となっているのですが、メモリーカードとしての型番はこちらに記載されている「THNNF064GDA-D」となっているようです。

 

更新: 2019/03/07
性能

書き込みは現代的水準ではないが、読み出しは意外と快適

いつも通り、ASUS P6X58D-EのUSB3.0端子に接続したメモリーカードリーダ・ライター、iBUFFALO BSCR20TU3で速度性能を確認してみましょう。

 

なお、公称スペックでは最大読み出し速度50MB/s、Class10、UHS Speed Class 1に対応しています。

 

 

 

 

 

 

 

 

▲Crystal Disk Mark 5.1.0
▲Crystal Disk Mark 5.1.0

 

 

 

 

▲Crystal Disk Mark 6.0.1
▲Crystal Disk Mark 6.0.1

 

 

 

 

まず、読み出しについてはシーケンシャルでほぼ公称値通りという結果となりました。ただ、シーケンシャル性能に対してランダムの結果が思いのほか良く、ランダム4Kの値は高速型の製品と比較しても見劣りしない高水準なものとなりました。

 

しかし書き込みの方は悲惨の一言です。先日Class4にしては速いというSONY製のSDHCメモリーカードを紹介しましたが、この製品はClass10ながらその結果よりも明らかに劣っています。

 

 

 

 

 

シーケンシャルで12~3MB/s程度であり、Class10を名乗るのもギリギリという結果となりました。ここまで書き込みが遅いSDXCメモリーカードは今まで使ったことがないというほどです。強いていえばSDHC 32GBの旧世代製品でこれに近い値を見たことがある程度です。ランダムも読み出しと比べれば特段に優れたものではなく、書き込みに関してははっきりと低性能と断言して差し支えないでしょう。

 

速度性能だけ見れば安いこと以外メリットを感じないこの製品ですが、搭載されているNFCにどのような意味があるのか確認してみたいと思います。

更新: 2019/03/07
使い勝手

確認できる情報に意義があまりない

この製品に搭載されているNFCは、極めて限定的な活用法のみが用意されています。

 

まず、組み合わせる対象となるのはNFCリーダーを搭載したAndroidスマートフォンと限定されます。iOSは対応アプリケーションが用意されておらず、サポートされていません。PC等も同様です。

 

Android端末では「Memory Card Preview」というアプリと組み合わせることで、

 

 

・カード内のJPEG画像のサムネイル(最大16枚)表示

・カードの使用状況(残容量等)の確認

 

 

が可能というのです。一応Xperia XZ Premium (Android 9)で確認してみました。

 

 

 

 

 

 

 

「Memory Card Preview」を起動すると、対応メモリーカードをNFCセンサーに近づけるよう表示されます。ただ、私のXperia XZ Premiumはソフトタイプの樹脂ジャケットを装着しているのですが、センサーに精一杯近づけても高確率で読み込みに失敗します。何度もエラー表示でやり直してどうにか認識に成功しましたが、そこで表示されるのが以下の内容です。

 

 

 

 

 

 

表示されるのは撮影可能枚数と使用量/残容量です。実はこのメモリーカードのルートフォルダー上にJPEG画像を何枚か用意しておいたのですが、サムネイルの取得には成功しませんでした。デジタルカメラで撮影したものに合わせて「DCIM」フォルダーの下に何か新規フォルダーを掘ってファイルを置いておけば違ったのかも知れませんが。

 

もっとも、サムネイルを表示できたとしても最大16枚で、これは表示対象をユーザーが指定できるものではなく、システム側に表示内容を任せる以外にないため、あまり役に立たない気もします。空き容量表示は多少意味はあると思うのですが、撮影可能枚数は撮影機材によって大きく変動する値でこれも意味に乏しい数字です。

 

 

折角NFCが搭載されていても使える機能がこれだけというのでは、率直に言って意味は殆ど感じられません。さすがにNFCの規格上撮影画像をそのままスマートフォン側にコピーなどというのは難しいのかも知れませんが、これだけの情報を得るためだけにわざわざNFC搭載カードを買う理由があるのかは疑問です。少なくとも私なら価格面でのアドバンテージがない限り選択することはないでしょう。

 

今回は64GBで1,000円という価格ですのでNFCを無視して格安メモリーカードとして使うつもりでいますが、どうにも企画意図が見えてこない製品といえます。

  • 購入金額

    1,000円

  • 購入日

    2019年02月28日

  • 購入場所

    東芝メモリ

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