レビューメディア「ジグソー」

意外なくらいに音が良い

先日音楽配信サイトmoraで年末セールが開催されていました。

 

ここのセールでは、割合頻繁に日本ファルコムのゲーム関連音楽作品が大幅値引きとなるので、久しぶりに何か買ってみようと考えました。

 

つい最近プレイしていた「英雄伝説 閃の軌跡」「閃の軌跡II」のサウンドトラックの、スタジオマスター音源をそのまま配信しているという「『英雄伝説 閃の軌跡』サウンドトラック・オリジナルマスター」「『英雄伝説 閃の軌跡II』サウンドトラック・オリジナルマスター」はまず購入したのですが、他に安くなっているタイトルはと探してみたときに、以前から気になっていたこの作品が含まれていたので、これも購入してみることにしました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

▲moraの商品ページ
▲moraの商品ページ(https://mora.jp/package/43000035/H_NW10103310_F/

 

 

 

ゲーム作品のサウンドトラック等の日本ファルコム制作楽曲は、「ファルコム音楽フリー宣言」により、楽曲利用規約を満たせば申請等無しでレビュー動画等のBGMとして利用可能となっているため、結構重宝するのです。ちなみに日本ファルコムのゲーム楽曲は普段TV番組などでもBGMとして意外と使われているのですが、創業者の加藤氏曰く「うちはJASRACに加盟していないので、TV局から使用料など払って貰ったことが無い」という状態だったそうです…。

 

 

それはさておき、この「軌跡jdkアクースティックス」は、ゲームのBGMとして直接使われたものではなく、ゲームのサウンドトラック内の楽曲をアコースティック編成のバンドによる演奏で収録したものとなっています。以下は収録内容です。

 

 

1. The Fate of The Fairies (英雄伝説 空の軌跡) / Falcom Sound Team jdk
2. Maybe it was fated (英雄伝説 空の軌跡)/ 小寺可南子
3. クロスベルの午後 (英雄伝説 零の軌跡) / Falcom Sound Team jdk
4. パンドラ (イースVI~ザ・ソングス・オブ・ゼメス) / 小寺可南子
5. セルリアンブルーの恋 (英雄伝説 零の軌跡 Evolution) / 小寺可南子
6. 旅愁 (英雄伝説 閃の軌跡) / Falcom Sound Team jdk
7. way of life (英雄伝説 零の軌跡) / 小寺可南子
8. 琥珀の愛 (英雄伝説 空の軌跡) / Falcom Sound Team jdk
9. 星の在り処 (英雄伝説 空の軌跡) / 小寺可南子

 

 

ファイル形式はいずれも24bit/96kHzのFLACとなります。

 

 

 

▲推奨アプリ「Music Center」のライブラリ
▲mora推奨アプリ「Music Center」のライブラリ

 

 

 

 はっきり言ってしまえば、ゲームをプレイしていない人から見れば間違いなく知らない楽曲ばかりですね。前述の通り、実はTV番組のBGM等で耳にしたことがあるという場合もあるかも知れませんが。

 

ゲームを知らない人がこのようなゲーム楽曲を聴く意味があるのかという問いについては、以前Philewebで掲載されたこちらの文章をご覧いただくと良いでしょう。

 

 

ゲーム未プレイのライターがゲームサントラを聴いたらこうなった

 

(Philewebのコンテンツが開きます)

 

 

勿論、私自身は以前から日本ファルコムのゲーム作品に親しんでいますので、楽曲そのものも目的で購入しています。ただ、今回取り上げたのは内容だけが理由というわけでは無く、オーディオ的な水準の高さに驚かされたためなのです。

 

更新: 2018/12/28
総評

J-POP作品にも見習って欲しい音質

元々日本ファルコムはゲーム作品そのものだけではなく、ゲーム音楽に対しても古くから拘りを見せていたことで有名な会社です。

 

古くは「Ys」シリーズの楽曲で一躍有名になり、作曲家として成功した古代祐三氏が楽曲多数制作していたり、比較的最近では初期の新海誠監督作品で多くの曲を手掛けていた天門氏などは、日本ファルコムでサウンドクリエイターとして活躍していた人物です。

 

そのため、元々水準の高い音楽を制作してきたことに加え、創業者の加藤氏がオーディオに拘りを持つ人物であったことから、音質への拘りも以前から見せていました。この辺りの経緯は、やはりPhilewebに掲載されたこちらの記事でご覧いただけます。

 

 

ゲーム音楽”はゲームをプレイしていなくても楽しめるのか? 日本ファルコムにズバリ訊いた

 

(Philewebのコンテンツが開きます)

 

 

この中で本作の制作経緯についても触れられているのですが、「自分のためだけに演奏してくれているような、臨場感をテーマにした」と語っているように、小さなスタジオで小編成のバンドが自分のために演奏してくれているかのような生々しさが感じられます。

 

一般的なライブ盤などでは、ステージ上の演奏を客席から観るという距離感で制作されますが、本作の場合は、例えばアコースティックギターが至近距離で演奏されているという感触なのです。

 

6曲目の「旅愁」などは、ヴァイオリンはまさに自分の目の前でアコースティックギターはその斜め後ろぐらいという、至近距離に音場が構築されています。そこまで間近で聴いているだけに、弦の相当細かい音が入っていることも不自然さを感じさせられません。

 

ヴォーカル曲についても、全曲でヴォーカルを担当している小寺可南子の生歌を何度か聴いたこともありますが、イベントの時よりもさらに近い位置で歌ってもらっているというインパクトがあります。このような水準で録音されている作品もそう多くはないでしょう。ジャズヴォーカル作品の高音質盤は多くありますが、それらとは生々しさのベクトルが違うという印象です。

 

 

 

▲スペアナで見るとリミッターが殆ど使われていないことが判る

 

 

 

楽曲や演奏の質も決して低いものではありませんので、オーディオに拘りを持つ方にこそ聴いていただきたい作品といえるでしょう。

  • 購入金額

    1,200円

  • 購入日

    2018年12月25日

  • 購入場所

    mora

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