科学が一神教であるキリスト教の下で発展したのは、割と必然かと考えてます。創造主がいるから、世界に絶対的な解釈があって、それは数学的なもので表せるはずだと。カソリック教会の権威が高まり、結果として堕落し、権威を守るために聖書の解釈に異議を唱える科学が邪魔になったり、権威の補完になって科学と一丸となったりしますが、結局目指すところは同じで、世界を表現するのが主観(聖書)か客観(科学)なのかと。
本書は冒頭、なぜか科学に疎い人ほど、科学と宗教や神は相反するものだと思いがち(?)という挿話から始まり、科学史なかでも主に数学、物理学史を順に解説していきます。文章が小気味良く読みやすいです。
タイトルからもっと一人一人の科学者の信仰具合が深掘りされてくのかと思いましたが、信仰や無神論者の考え方はそこまで詳しくは書かれておらず、この人のこの考え方が、この理論の閃きに影響したのではないか、という程度です。ですが、単に物理学史として読んで面白かったです。
一つ私が不勉強だったのは、アインシュタインはゴリゴリの無神論者だったんですね・・・。有名な「神はサイコロを振り賜わず」って名言があるから、てっきり信仰があるのかと思ってました。単に決定論者だったんですね。決定論者っていうところが一神教や神の存在、それが全知全能かは別として、を前提としていると思っているので、少なくともその影響はあるのかなと。
また、量子力学の相補性を提唱したボーアとハイゼンベルグがともに東洋哲学に傾倒しており、相補性と陰陽を結びつけて本書では紹介してました。ちょっとこじつけ感もありますが、その人に流れている哲学が科学に影響を及ぼしたと思うとロマンがあります。
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購入金額
1,080円
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購入日
2018年10月29日
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購入場所
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