所持する音楽データに対する私利私欲...イヤ私情私見あふれるコメント、音楽の杜。こういった分野のものは「好み」ですし、優劣を付けるのもそぐわない気がしますので、満足度の☆はあくまで私的な思い入れです。大ヒットしたアルバムからのシングルカットが多くなってくると、表題曲はともかく、カップリング曲に困る状態になります。そんな時、表題曲のカラオケやリミックスに逃げることなく?、レアトラックが収められることがあります。そんな貴重なライヴ音源が収められたMAXIシングルをご紹介します。
最近、ずいぶん活動のペースが落ちているが、昨年久しぶりにオリジナルアルバムをリリースし、健在ぶりをアピールしたJamiroquai。一応バンドの形をとっているが、実質ヴォーカリストJay Kayのソロプロジェクトに近い。初期三部作と呼ばれるほぼ毎年リリースされた作品群でも毎作メンバーが異なるし。
ただ、そのころ曲の共作者としてクレジットされた故Toby Smith(昨年-2017年-惜しくも死去)やうねるグルーヴが心地よいベーシストStuart Zenderなど継続的に参加したメンバーも多く、リリース間隔も狭かったせいもあり、グループのような様相を呈していた。
このころのJamiroquaiはツアーも多く、かなりまとまりもあって、そしてよく売れた。
本作は2ndアルバム“The Return of the Space Cowboy”からのシングルカット。このアルバムからは先行販売の“The Kids”を合わせて、4枚のシングルがシングルカットされたと思うが、一番最後のカットだったと記憶する。つまり「ひねりだした」タイプのシングルだが、売れ筋本道と言う感じでないのがむしろ味がある造りとなっている。
「Light Years」は字余り調のリフのつくりと、メロディというより「言葉はめ」に近いAメロが、(いい意味で)あか抜けないオールドファンクのノリ。ベースの音造りがモコっしていて、その点もトラディショナルスタイル、という感じ。これは特にライヴでの評価が高い曲。これは4つ目のシングルだからこそ出た、という感じの曲だが、聴けば聴くほど味わい深いスルメ曲。
表題曲のほかには3曲のライヴ音源が入っているが、ライナーによると「世界未発表のライブ曲」ということらしい。
まず「Scam」は、ファンキィで少しジャジィなブラスがながーいイントロを奏で、ひょっとしてこのままインスト曲かな...と思っていたら中間部はエレピとJay Kayのスキャットの掛け合いという様相に。最後にブラスなどが戻ってきて、盛り上がって終わるパターン。
「Journey To Arnhemland」は、ターンテーブルのスクラッチを多用した曲。ほんの数フレーズ、ラップが入っているだけでほとんどインスト曲。最近ではあまり演奏しないディジリドゥがガッツリ絡んだ曲でもあり、そこが珍しい。
「We Gettin' Down」は、どことなく「Room335」のようなケハイさえあるオサレな展開にJayのラップ気味のヴォーカルが絡む。でも音作りはあんなクリーンなものではなく、もっとシャカポコとファンキィ。ラツパもバリバリ。途中パーカッションとドラムスの対決のソロ合戦があり、そのあとワウかかりまくりのベースがグルーヴを刻み、またブラス隊が戻って大団円...という9分超の大作!
中期からはライブDVDなども残っているが、初期はほとんどライヴ記録がないJamiroquaiの音源を収めた作品として価値が高い。特にWeldon Irvineのカバー曲「We Gettin' Down」はライヴ専用曲で、アルバムに収められたことがない(7インチアナログ盤として限定リリースはある)。
こういう外タレ系はなかなかライヴを観るチャンスがないので、この企画は興味深かった。
初期のjamiroらしくBuffalo Mantが描かれたシンプルなジャケット
初期のJamiroquaiとしては比較的マイナー曲のライヴパフォーマンスが味わえる良企画の作品です。
【収録曲】
1. Light Years (Edit)
2. Scam (Live)
3. Journey To Arnhemland (Live)
4. We Gettin' Down (Live)
「Light Years」
ライヴでのカバー曲演奏など、日本ではなかなか巡り会わない曲がある
外タレの彼等が来日公演するという事自体まれだが、その中でカバー曲を歌うというシチュエーションがあるだろうか。
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購入金額
1,500円
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購入日
1995年頃
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購入場所
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