先日購入したAcoustic Research AR-E100ですが、レビュー内で記載した通り標準添付のケーブルのクオリティーだけはとにかく残念なものでした。
そこでAR-E100の端子形状となるCIEM 2pin対応で、手頃な価格帯かつ品質もそこそこのケーブルは何か無いかと探していて、セール特価品として見つかったのがこのケーブルでした。
estron Linumシリーズのケーブルとしては標準モデルとなる、Linum Musicで、ラベルの型番には「No.8000055 Special」と記載されているパッケージのものです。どこがSpecialなのかと思っていたのですが、イヤフォンケースが添付されていて、価格も少々低めに設定されているというお買い得パッケージの意味ではないかと予想されます。
estron Linumシリーズのラインナップについては、販売サイトから引用すると特徴がおわかりいただけると思います。
タイプは5つ。2ピン・コネクタが3種類に MMCX コネクタが2種類。
2ピン・コネクタのものは music、vocal、そして bacs (bass)。
music はオールラウンド、vocal はもちろんヴォーカルにフォーカスし、bacs は低域を押し出します。
MMCX コネクタはオールラウンドの music と低音重視の bacs です。
(以上、Jaben Japanオンラインショップより引用)
今回入手したMusicはオールラウンダーということで、イヤフォンの性格をそのまま出してくれるという点を期待しての購入です。
この結構しっかりしたケースが添付されているというのが、「special」な点ということのようです。Webで写真を探してみても、estronのケーブルは標準グレードのものは簡素なパッケージで売られているようですので…。
細いとは聞いていましたが、実物を見てみると想像以上に細いですね。ただ、しなやかな素材であり、あまり切れそうなイメージはありません。ただ、しなやかすぎて直ぐに絡まるという弱点はありますね…。
確かにオールラウンダー
早速AR-E100に使おうと思ったのですが…。
何と、AR-E100には物理的に接続できないことが判りました。端子形状はどちらも確かにCIEM 2Pinなのですが、AR-E100はコネクター部分が奥まっていて、2Pinコネクターの根元部分がやや厚いestronのケーブルはそこに入らないのです。
仕方ないので、AR-E100には暫定的に付けていたBispa <咲>をそのまま使い、元々<咲>を使っていたNoble Audio Savantに、こちらのLinum Musicを組み合わせることにしました。
試聴は、いつも通りAstell&Kern AK100IIを中心としますが、デスクトップ環境であるFOSTEX HP-A8も使います。
Bispa<咲>と比べると、音場がやや明るめになり、少し中低域の密度が薄いという印象を受けます。ただ、<咲>はSavantと組み合わせる限りでは中低域がたっぷりとしていて少しだけハイ落ちという傾向のケーブルですので、それがフラット方向に戻ったと考えるのが正解なのかも知れません。
Savantはイヤフォンというよりは、SENNHEISER HD650にも通じるようなリスニングヘッドフォン的な音色傾向を持つ製品ですが、このケーブルと組み合わせているとよりその印象を強く受けます。装着感も意外と軽い上に、Linum Musicによりケーブルの煩わしさも殆ど感じませんので、イヤフォンで聴いていることを忘れてしまいそうな感覚です。
低域方向に厚みや力が無いAK100IIとの組み合わせでは、Savantが持つ濃厚さがある程度スポイルされて、結果的には意外とまとまったバランスの音になるのですが、やはり音楽を聴いていて魅力を感じるのはHP-A8との組み合わせで味わえる2BAとは思えない濃厚な音の方です。
Linum Musicの優れている点は、イヤフォン本来の性格がきちんと出てきて、余計なキャラクターを加えないということに尽きます。試聴していてもイヤフォンやDAP等の性格の方だけが気になり、このケーブルの癖のようなものが殆ど気にならないのです。これは簡単なようで意外と難しいことであり、estronの実力を感じさせられます。
今回は処分セールということで、通常パッケージのLinum Musicの価格から見れば半額以下でしたので、この価格であれば何の不満も感じないというケーブルです。
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購入金額
4,000円
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購入日
2018年02月26日
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購入場所
eイヤホン
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