※本レビューは2018年の購入当時の情報を元にしています.
Unigue Melody製のイヤホンMarverickのユニバーサルモデル(通称マベユニ)です.
モデルチェンジして,現行モデルはMarverickⅡになっていますが,これは初代Maverickです.
MaverickⅡを聴いた時,リスニング用イヤホンの決定版はコレだ!と思いましたが,その前にリファレンス用イヤホンを購入することにしていたので,我慢して延期することに.
が,しかし,Beat AudioのSignalと初代Maverickのセットモデルを見つけてしまいました.程度も良好.付属品完備.もちろん,オリジナルケーブルもあり.
Signalは,2.5mmの4極仕様ですが,Beat Audioオリジナルプラグではなく,改造品でした.しかし,ケーブルの価格+αでMaverickが買えてしまう,いや中古MaverickにSignalが付いてくる,いや・・・.
それなりの価格でしたが,色々と考えているうちに,記憶がなくなりました.
スペックです(HPより).
ドライバー:ハイブリッド型
(ダイナックミック型ドライバー + バランスド・アマチュア型ドライバー)
ドライバー構成:5 ドライバー
Low x 2 (Dynamic x 1 + BA x 1), Mid x 1, High x 2
クロスオーバー:4ウェイ・クロスオーバー
周波数特性:10Hz - 19kHz
入力感度:111dB @ 1mW
インピーダンス:51Ω
入力端子:3.5mm ミニ端子
Maverickの特徴は,マルチBAを追求せず,ハイブリッド構成であること.そして,低域をD型だけに任せるのではなく,BAも担当することにあります.このため,ハイブリッド構成であることを全く感じないチューニングです.DN-1000も絶妙なチューニングでハイブリッドらしさを感じませんでしたが,Maverickは更にその上を行きます.
まず,装着感ですが,これが非常に不思議なくらいフィットします.大型のIEMであるため,その見た目からは非常に苦労する印象ですが,3Dプリントによる複雑な造形のためか,大きさが気になりません.また,重さも感じないので,長時間の装着も苦になりません.
次に問題のイヤーチップ選び.コンプライの逆差しが良いという意見がありますが,シリコン系でも大丈夫です.スピンフィットはノズルの奥まで入らないのでダメですが,スパイラルドットでもFinal E-typeでもOKです.
音質は,基本的にモニターライクなナチュラル~ややウォームで,ほぼフラットです.初めて聴いたときに感じたのは,全く気になる点がないことでした.しばらく聴いていると,やや近い位置で鳴っているのがやや気になりますが,高域/中域/低域ともに,明瞭です.モニター用の味付けが一切ないものとは異なり,メリハリがあって,とても元気よく鳴っていますが優しいです.
低域は,量感が多い方ではありませんが,しっかり,くっきりと出ます.AngieⅡとは質感が異なり,沈み込まない代わりに,ストレートに押し寄せてくる迫力があります.
高域は,しっかり伸びますが,刺さる要素は一切なく,優しいです.透明度が高く,金属的な響きはありません.しっかり伸びているのに,心地よい響きが残ります.AngieⅡの高域ほど繊細さはありませんが,空気感は十分に引き出しています.
中域は,低域の影響を受けずに,はっきりと元気よく,ストレートに届きます.芯が太いですが,解像度も高いため,奥行きがしっかりあります.一方で,ボーカルが前面に出すぎて主張しすぎるようなことはなく,非常にバランスがとれています.
音場は,広くもなく,狭くもなくと言った感じで,イヤホンとしては広いですが,AngieⅡまでは広くないです.奥行きはしっかり感じられ,各楽器の位置関係が明瞭にわかります.
音質は,フラットで,帯域が広く,かつ濃いです.開場度も十分高いのですが,非常に迫力があり,グイグイきます.ある程度,音量を要求してきますが,その世界に引き込まれます.
ある程度広い音場の中で,一点に集中するわけでもばらばらになるわけでもなく,包み込まれる感じです.
JH AudioのAngieⅡとは,別世界の音で,ジャンルを問わず,リスニング用には最適です.
ただ,AngieⅡと比べてしまうと,中高域の粗さが気になります.この粗さが,Maverickの味になっている部分があるため,否定するものではありませんが,ボーカルと弦楽器に対し,少し気になります.あくまでもAngieⅡの中高域の繊細な描写力に対してですので,比較しなければ,気にならないレベルだと思います.
AngieⅡは,高精細な水彩画,Maverickは迫力のある油絵のイメージです.
改めて,MaverickとMaverickⅡを聴き比べると,MaverickⅡは,気になった粗さが無くなり,きれいな音になり,より進化している印象です.しかし,その粗さが無くなった分,大人しくなり,色が薄くなった印象があります.Maverickらしさは,初代モデルの方にあると思いました.
AngieⅡを所有している身としては,MaverickⅡは少しAngieⅡらしさが出ていて,初代のMaverickで正解でした.一般的には,進化したMaverickⅡのほうが,正解だと思います.純粋に初代とⅡを聴き比べると,Ⅱのほうがいい印象だと思います.
あえて,初代を選ぶのは,変態思考かもしれませんが,私には正解です.
UMのMaverickは,一番ヘッドホンで聴いているイメージに近いと思います.AngieⅡを聴き続けていると,ヘッドホンの音が恋しくなりますが,Maverickを聴き続けても恋しくなりません.
不思議な魅力のMaverickです.
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購入金額
0円
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購入日
2018年01月頃
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購入場所
eイヤホン
cybercatさん
2022/01/31
サウンドチューニングした宮永さん曰く、ドラマーが聴いて気持ちが良いIEMを目指したみたいです。
harmankardonさん
2022/01/31
ハイブリッドらしくもなく,イヤホンぽくもないんですよね.
解像度の高いヘッドホンで聴いている感じです.
jive9821さん
2022/01/31
のですが、初代と比べると随分普通のHi-Fiサウンドになって
しまったという印象を受けました。
初代は弱点も含めて味になっている部分があるので、ある意味
奇跡的なバランスで成り立っているのかも知れません。この製品の
ように音楽の良いところを上手い具合に聴かせてくれるイヤフォンは、
他にあまり多くはないと思います。
組み合わせるケーブルが高解像度系だと少し粗の部分が強調される
感はありますので、リスニングに振ったケーブルを選ぶと心地よさが
増しますね。
harmankardonさん
2022/02/01
ユーザーの声を聞くとどうしてもHiFi方向に行きますね.
初代は貴重な存在です.