普段レコードをデジタルで取り込む際に使っているプレイヤー、KENWOOD KP-9010で、ターンテーブルシートとして純マグネシウム製であるSUNSHINE STS-1を導入したところ、KP-9010の弱点だった低音の軽さがある程度改善したという話は、以前掲載したSTS-1のレビューにて書きました。
STS-1の導入は音質面では間違いなく大きな効果はあったのですが、実用性という点では少々問題もありました。
まずは表面が硬いため、レコードの取り外しがいにくいということ。通常のゴム製などのシートであればシートが指をかければ多少は変形するため、レコード盤を持ち上げるときに指がかかりやすいのですが、形状がごく普通の板状でしかなく、素材も硬いSTS-1では、レコードがきっちりと密着しているときなど、結構取り外しに苦労するときがあるのです。
そしてもう一つの問題点が、静電気が結構発生しやすくなったということです。ゴムシートであれば気になるほどの静電気はまず発生しないのですが、STS-1を導入した後は空気が乾燥しているときなどに結構派手に静電気が発生するようになってしまいました。
レコードの取り外しについては慣れてくるにつれてそれほど気にならなくなってきたのですが、静電気は何とかしたいと思っていました。かといって、STS-1の上にゴムシートという使い方では、音質面でのデメリットが気になります。そこで目を付けたのが、薄手の素材で非金属製という、この47Laboratory製のシートでした。
このシリーズは豚革、鹿革の2種類が用意されているのですが、今回は手頃に試せる価格帯の豚革の方を選択しています。
通販で購入したのですが、販売店の梱包の中にはいきなりこの状態で収納されていました。まあ、包装などは本質的な問題ではないので、これで構わない訳ですが…。
音質にも好影響
取り敢えず、今回はSTS-1の上にこの豚革を置いてみました。STS-1とレコードの間に発生する静電気を何とかしたいのですから、STS-1とレコード盤の間に入っていなければ意味がありませんからね。
色がゴムシートに近いので、見た目の違和感は全く生じません。
実際にレコード盤を置いてみました。色がわかりやすいように、「Explosive / David Garrett」の赤い盤を選んでみましたが、うっすらとレコード盤とSTS-1との間に見えていることがおわかりいただけるでしょうか。
さて、効果のほどについてですが、懸案だった静電気は殆ど気にならなくなりました。また、レコード盤とSTS-1との間に少し隙間が出来たためか、レコード盤の取り外しも楽になったように感じられます。
そしてさほど期待していなかった音質面での効果についてですが、意外とありました。低域方向の沈み込みがより深くなり、また響きや倍音の明瞭さが増したように感じられます。他の素材と組み合わせてみたわけではないので、豚革そのものの変化についてはなんともいえないのですが、STS-1とであれば組み合わせて使う意味は十分に見出せるものとなっています。
現状ではターンテーブルシートとして、この4728とSTS-1をセットにして使い、さらにスタビライザーとしてSUNSHINE S4Sを使っていて、これまでのPIONEER JP-501単独使用時の音とは随分印象が異なってきました。
それでも、KP-9010にコストをかけるのはこの辺りまでかという気はしています。これ以上を求めるのであれば、プレイヤーそのものを交換するのが適切という気がしますので…。
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購入金額
2,590円
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購入日
2017年12月05日
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購入場所
ヨドバシ・ドットコム
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