所持する音楽データに対する私利私欲...イヤ私情私見あふれるコメント、音楽の杜。こういった分野のものは「好み」ですし、優劣を付けるのもそぐわない気がしますので、満足度の☆はあくまで私的な思い入れです。イベントにしろアーティスト活動にしろ継続することは難しいものです。そこには観客・リスナーが期待するものを、良い意味で少し裏切って新しさを出していくのが、ひとつのボイントです。ただその「新味」があまりに突飛だと、いままでの延長+αを期待する多くの層にはウケません。そのアタリのさじ加減の難しさを感じたイベント記録をご紹介します。
「芋づる式洲崎綾 Part5」。Webラジオのキャラクターの面白さと天使の歌声のギャップ萌えですっかりファンになった洲崎綾(あやちゃん/ぺっちゃん/あやっぺ)関連。12月といえば恒例のイベント月ということで、それに向けてこの1年で増えてきた彼女の直接参加した作品や楽曲、ラジオCDなどから、参加作品の主題歌や演じたキャラクターのグッズ、イベントグッズなどの関連商品まで芋づる式にご紹介するシリーズレビューの5回目。
その「恒例イベント」、SEASIDE LIVE FES。シーサイド・コミュニケーションズの製作・提供する複数の声優ラジオ番組が集まりオリジナル曲を歌うライヴイベント。年に数回行われる合同トークイベントとは異なり、生バンド入れたりして規模が大きいためか年一度年末に行われている。
cybercatは2015年から参加しているが、それ以前の初回の2013年から一つのパターンがあった。
それは「洲崎西」の登場順。
基本このライヴイベントは各番組が4曲ずつのオリジナル楽曲を歌い、続いて全番組が集まってトークをし、最後に全員曲(初年度の2013年はオリジナル曲ではなく、一般的なクリスマスソングだったが)で〆、という構成。
...ということは最後の組(トリ)は、トークパートへは(着替えなどがあるため)遅れて参加と言うことになり、真ん中あたりに出演した番組がトークパートの司会、ということになる。
2013年は当時人気急上昇中ではあったものの、「新人枠」扱いの洲崎西が、ラストの休憩なしで着替えが忙しくて大変な順番という意味あいもあったかもしれないが、2014年と2015年はラジオの人気が爆発しておりエースの風格で「トリ」扱い。これは彼女たちが二人で話してしまって司会向きでない(というかやらせられない?←危なくてw)という事もあったかも知れないけれど、「最後は洲崎西」というのが3年続くともうそれが「型」になってしまっていた。またスターターは弾け方が重要なので、舞台度胸があって若いへごちん(大橋彩香)がいる「あどりぶ」が彼女たち初参加の年から2回連続で務めていた。
この年、2016年は前年初参加だった「(ありがた系迷惑プレゼンショー)はるか・ちなみの『りめいく!』」がその秋に番組終了したため、変わって約1年前に始まった「春佳・彩花のSSちゃんねる」が参加することになった。順当に行けば前年の「りめいく!」の位置に新規参加組を入れるのが普通。
....ただこの時はそれを大きく裏切ってきた。
そもそもスターターが違った。
この時も順序はあらかじめ明かされず、登場直前にキャッチジングルで判明する形だったのだが...最初に「AYA SUZAKI」の名が刻まれたときに会場からはどよめきというより悲鳴が!まさかの最初からエースカード切り!ただこの年の曲の割り当ては、番組のカラー/パーソナリティーのキャラクターよりも、各番組に制作側から設定された役割の比重の方が大きかった。楽曲集のレビュー
でも書いたが、彼女たちは「弾け系アイドル」?というような位置づけで、せっかく歌上手い二人なのにガチ系の曲が1曲しかなく、後3曲は全てコミカルテイストのキャラ声ソング。ちょっと最後に持ってくるには辛い曲構成と言うこともあって?そうなったのかな、と。でもそれは「洲崎西」、さらに言えばあやちゃんの歌を聴きに行った自分としては不完全燃焼感↑↑(逆に最初の1組で燃え尽きてしまったとも言える)ただ会場となった舞浜アンフィシアターは、元サーカス小屋だけあって円形の舞台を囲むように席があり、ステージと席の距離感が近いのが救いだった。そのため、ほぼ真ん中近くの3列目の好位置から、間近で彼女たちの熱唱を観ることができたのは嬉しかったけれど。逆に正面過ぎて映像には後ろ姿しか映ってはいないのだが、「甘くて苦いチョコレート」のツースリーを絡めた変拍子風キメフレーズでは、やっぱり他の人と振り方が違うので映ってるのがバレw
相変わらずリズムはつい「裏(バックビート)」をとってしまうワタクシ
次のチームは初登場の「春佳・彩花のSSちゃんねる」。初参加のチームが2つ目、というのは安心して観られる。二人とも最初の曲は客席から見ても硬さが解る状態だったけれど、アップテンポな3曲目の「Go and Go!」ですわすわ(諏訪彩花)のエンジンがかかった!w。もともと最初からぱるにゃすこと照井春佳よりも振りが大きくて、見た感じのリラックス度は高かったが、ここから会場走る走るwぱるにゃすの手を引っぱってくるくる回ったりしたので、ぱるにゃすもようやく硬さが取れた感じ。
その後は正統派エースとも言える「内田さんと浅倉さん」。もともと一番「カッコ良い担当」だが、男性チームが入ったことで、むしろさらに凛々しいスタイルに振った感じ。うっちー(内田彩)のキレのあるダンスと、あずみん(浅倉杏美)のカメラを意識した派手な振りで盛り上がる「Never ever」は、彼女ら曰く「世界を救う三部作」の三作目とか(世界を救いたいと言う気持ちを持つ「TSUBASA」⇒世界を救いかける「Silver Ring」⇒世界を救う「Never ever」)。こういうCOOLな曲では、やっぱうっちーの歌い方とダンスはカッコいいなー。
次はなんと!同年10月にアーティストデビューしたあっちゃん(西明日香)のソロ!歌うは当然デビュー曲「Honey Face」!!サプライズで登場したあっちゃんに会場大盛り上がり。サービス精神旺盛なあっちゃんは、円形のステージギリギリまで前進してぐるっと回りながら手を振り、掛け合いコーラスの部分ではマイクを客席に向け、盛り上げる。一人っきりのステージだったけれど、バックも生なので、曲中に挟んだMCの間も演奏つづけてラストのコール&レスポンスにつなげるなど構成も凝っていて、見劣り(聴き劣り?)なし。
次が...へごちんこと大橋彩香とゆっこさんこと巽悠衣子の姉妹感あふれる組み合わせ「あどりぶ」。このコンビ、初年度はへごちんの上手さが際立っていたが、ゆっこさんが引っぱられて確実に上手くなっている。このFESで一番成長したコンビかも知れない。ゆっこさんの歌う時のキリっとした感じがこの年のこのコンビのテーマ「ロック」に合ってたし(しゃべるとポンコツなんだけどな..)。へごちんは、歌っているときの堂々とした「アーティスト大橋彩香」の姿と、歌い終わった直後のくしゃっと笑う幼さの落差が相変わらずカワイイ。この年はかなりアーティスティックでフォーキィな曲なども演ったが、やっぱりアップテンポで弾ける「シグナル」が彼女たちラシイ。
へごちんは歌い終わったときに、ニカッ(^o^)と笑うのがカワイイ
「洲崎西」のライバル番組という位置づけで、歌上手いへごちんがいる「あどりぶ」すらも使ってしまったので、残るカードは「BELOVED MEMORIES」のみ。ここに至ってもなお会場では「まさかビーラブがトリ??」と戸惑う声も聴かれたが、やはり最後は彼等、たまるしこと田丸篤志とゆうまたそこと内田雄馬。前年たまるしが、パーソナルカラーの黒い衣装を着て出てきた時に、「見えづらい」という声がラジオに寄せられたためか?今年はギンギラギン!まるで人間ミラーボール。1曲⇒MC⇒2曲⇒MC⇒1曲という他のチームと異なり、1曲歌ってそのままリズムが刻まれる中、バンドメンバー紹介。つづく自分たちの自己紹介のところで、DJ風にキーボードでスクラッチのSE入れたりして遊んだたあとなだれ込んだ「4eyes×For愛s」では、ゆうまがはしゃぐはしゃぐ。円形のアンフィのステージを駆け回り、跳ねまくる。たまるしは動きはそこまでではないが、なんにせよ物理的に眩しい。曲も激しいのが多かったので、会場も熱狂し、無事トリを勤めてトークパートに。
前回同様やはり3番組目が司会的立ち位置ということで、内田さんと浅倉さんがその任だが、今回はちょっと統制取れていなかったかな(洲崎西がしゃべりすぎ?←今までトリで遅れてやってきてたので、そのくらいでちょうど良い?)。あとトークパートになるとどうしても女性陣対ビーラブの構図になりがちなので、ビーラブが司会じゃないとバランス悪いというか。
ラストは「Smile☆Revolution」と制作が同じコンビ(作詞漆野淳哉、作曲が須田悦弘)による全員曲「Blessing the Sky」。これはみんなのパフォーマンス、曲も含めて良かったな。アンフィのせり上がり舞台を上手く使った退場の演出含めて、前年より「こなれて」たかも知れない。
自分は間近で見られたし、前年よりはどの番組も地力が上がっている感じで、そういう意味ではライヴ自体はとても良かったんだけれど、やっぱり「あどりぶ」と「洲崎西」の使い方がもったいないなー..と。特に自分もヒートアップしていた現場ではさほどに思わなかったけれど、円盤になって冷静に観るとトリのビーラブは強引に力で押し切っている感じ(ま、押し切れるだけの力はあるんだけれど)。
大方の予想は「あどりぶ」スタートで「洲崎西」トリ、2番手初参戦のSSで、迷うのは内浅とビーラブの順序くらいだったんだけれど、それを根本から覆してきたこの年のライヴ。たしかに曲の割り当て含めて意外性はふんだんにあったんだけれど、ちょっと企画先行という感じがしてしまったのも事実。
観客の「予想」の範囲を少しだけ超えて新鮮さを出しつつも、みんなの「期待」を外さないというのは...、難しいね~。
【収録曲】
1. OPENING
2. 壮絶☆ハイテンション(洲崎西)
3. MC01(洲崎西)
4. Pan Paca Pan(洲崎西)
5. 甘くて苦いチョコレート(洲崎西)
6. MC02(洲崎西)
7. Hare↑Bare↓=グッドチョイス(洲崎西)
8. 片想いプロローグ(春佳・彩花のSSちゃんねる)
9. MC03(春佳・彩花のSSちゃんねる)
10. よ〜いドン!!!(春佳・彩花のSSちゃんねる)
11. Go and Go!(春佳・彩花のSSちゃんねる)
12. MC04(春佳・彩花のSSちゃんねる)
13. Real Dream(春佳・彩花のSSちゃんねる)
14. Never ever(内田さんと浅倉さん)
15. MC05(内田さんと浅倉さん)
16. Take Me Again(内田さんと浅倉さん)
17. Party Night☆Dynamite!(内田さんと浅倉さん)
18. MC06(内田さんと浅倉さん)
19. Love in’(内田さんと浅倉さん)
20. Honey Face(西明日香!:サプライズ)
21. MC07(西明日香)
22. シグナル(あどりぶ)
23. MC08(あどりぶ)
24. 会いにいくよ(あどりぶ)
25. 光をかざして(あどりぶ)
26. MC09(あどりぶ)
27. 共にこの空を(あどりぶ)
28. Heavenly Tears(BELOVED MEMORIES)
29. 4eyes×For愛s(BELOVED MEMORIES)
30. MC10(BELOVED MEMORIES)
31. SNOW☆KISS(BELOVED MEMORIES)
32. MC11(BELOVED MEMORIES)
33. 夢はいつでも(BELOVED MEMORIES)
34. MC12(ALL CAST)
35. Blessing the Sky(ALL CAST)
・ Back Stage Talk (BONUS TRACK)
前年が良かっただけに...ツライ。
せっかくあやちゃんが「キャラ声」で歌わなくてもよい数少ないイベントなのに、4曲中3曲がキャラ声のコミカルソング。相方のあっちゃんがこの年アーティストデビューして、その曲は正統派楽曲だったので、そっちのワリを喰ったのかもしれないけれど、「洲崎綾推し」としては辛い点数をつけざるを得ない。あやちゃんのキャラに縛られない美声を聴きたいんだよ、このイベントでは。
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購入金額
7,500円
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購入日
2017年08月18日
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購入場所
シーサイドSHOP
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