映画前売券はこんな感じでした。
以下ネタバレを含みますので、下記を参照して内容を回避するか
いいよという方だけご覧ください
6000年前の太陽が失われた昔の話
願ったのは、共に生きること――。
それは一切の争いが禁じられ、全てがゲームで決まる《盤上の世界(ディス・ボード)》が創造されるはるか以前の出来事。
世界を統べる唯一神の座をめぐり、終わりの見えない大戦が続いていた時代。天を裂き、地を割り、星さえも破壊し尽くさんとする凄惨な戦争は、戦う力を持たない人間たちに理不尽な死を撒き散らしていた。
強大な力を持つ様々な種族に追いやられ、存亡の危機に瀕する人間を率いる若きリーダーの名はリク。一人でも多くの人間が明日を迎えるために心を砕き、擦り減らす日々が続くある日、リクは打ち捨てられた森霊種(エルフ)の都で機械仕掛けの少女・シュヴィと出会う。
機械には持ち得ぬ心に興味を持ってしまったことでエラーを起こしてしまい、仲間たちから廃棄されてしまったシュヴィは、エラーを修正するため、リクに《人間の心》を教えてほしいと頼むのだが……。
これは六千年以上もの昔に紡がれた《最も新しい神話》へと至る《最も古き神話》。記録にも記憶にも残らない、誰にも語られることのない物語が今、幕を開ける——。
(以上公式から引用)
この話はTVシリーズでも出てきた「 」(空と白の”空白”)ではなく、2人をTVシリーズ1話でディスボードに呼んだ唯一神テトが語り手となって始まる話です。
空によく似た白髪の青年、リクとその仲間が登場して終わりの見えない大戦の中で仲間のイワンをおとりとなることで失い、リクは後悔そして遣る瀬無さ、生きる意味が見いだせず、人類種(イマニティ:この時代では種族格すらない人類)が絶望に陥るところから展開は進みます。
開始から70分くらいは人類の存続すら危うい状況から脱出する方法を見出すかと、いかにリクが機凱種(エクスマキナ)のシュヴィと出会い、そのシュビィがリクの故郷を壊したことの自供(というかリクの気持ちをくみ取ろうとする描写から感づいていたリクに対し答えたにも近いとは思うが)に至るまでの話になります。
リクがシュビィをプロポーズするとシュヴィが人間でないことに気付いているが、黙ってリクのことを信頼している義理姉のコローネ・ドーラをよそ目に「これからゲームをしてくる、子供の遊びだよ」と人類が生き残る作戦へと移行し、リクは各種族を攪乱させるべく、各種族の秘密兵器や術式等隠し持つ力をそのほかの部族が人類のいる大陸から遠ざけ、集中させるようにしむけ、人類であることを見破られないように森霊種(エルフ)のニルヴァレンにごまかすために死の灰を浴びて左腕をも失いながら攪乱は成功。シュビィは通行規制(アイン・ヴィーク:機凱種の機雷のようなもの)を設置、残り6個というところでジブリールに不幸にも出会ってしまって動きの少なかったこの映画にアクションらしい激しい戦闘シーンへとつながる。
ジブリールのデタラメな強さ、絶望さは戦闘でも圧倒していた。シュヴィは一方的な展開で生きてリクに再開するということに気づいて本来概念のない死への恐怖が自覚するとクラスタへの連結体に再接続を願う。心の解析でエラーを吐き出し連結解除されたシュヴィだったが残された思い当たった手段はこれしかなかった。叫びに叫んでここまでの心の大きさに保護されるべき個体として認定され、再接続が許可され、同期必要な時間251秒稼ぐように伝えられる。
稼ぎに稼いでも序列では上の天翼種のジブリール、とどめを刺しシュヴィの消滅、直前に完了する同期、そしてその思いは「遺志体(プライヤー)」となったシュヴィから託された遺志を果たすため、意志者としてアインツィヒが登場し最終局面を迎える。
リクは機凱種とともに人類が生き残る作戦、つまりすべての力を集中させて星の核を貫くことで大戦を終わらせる作戦の再着手をする。
機凱種はオールドデウスのアルトシュと交戦し、アインツィヒが機凱種の歴史上、アルトシュを目視で確認し情報を最初に記録、その「神髄」剥離に成功、リクが全種族力を核にぶち込み余波で消滅しながら残る意識でテトと邂逅し、望みを託してこの昔話は終わります。
エルキアの風景に戻り、いずなが空や白たちと再会、この世界での日常が映し出され、テトがいつの間にかどこかへ消えながらもいずながこの話をしようとしてジブリールがとぼけて終劇となります。
これだけの内容を1時間半でやるにはもったいないけれどもスピード感を持ってみるにはこれでいいのかもしれないというところです。よく仕上げていただけたなぁと。
前売りで見ただけにここ最近では期待感も大きかったのですが見事に答えてくれました、いや、裏切ってそれ以上かもしれません。
以下考察部などがありますが、共通して推理物レベルで若干の説明不足&後手になる感覚はありますが、TVシリーズで見た人は慣れているので”想像にお任せします”方式であえて提言しない良さもあるので場面場面で考えた際にこんな感じの評価にはなります。
考察
TVシリーズより重い話になるので基本的には前半のシュビィとリクの出会いにいろいろと突っ込みどころのある会話(茅野さんの無駄使いパート)以外は飛び込んできたものすべてが情報源です。
それが故に説明不足感のあるところも多々あります。
なのでいくつか自分なりの解釈で不明な点についてどういうことなのかをを考えました
1.リクに指示され、イワンはなぜあっさりとおとりとして自害できるのか?
リクがこの集落での長であるほかに、後半には作戦の集会でみんながついてきたほどのカリスマ性はあります、それだけの信頼性ということです。また、盟約がある世界でさしずめ特攻隊じゃないですが、このまま生きていても大戦であっけなく殺されるという背景があるからこそこの行動に対してはある程度道理は通るなと思います。
2.幼いころのリクがチェスの相手にしていた神はだれ?
諸説こそあれどここはまだ不明点が多いです、後々出てくるのではないだろうかと
3.なぜ、リクは姿をバラさないためにわざと浴びたあの灰、体を蝕むのに「せめてもの慈悲」と言ったか?
一.作戦に利用できるからこそと思った
二.祖国の情景に似たものがあった
三.痛みを感じることが生きていると感じられるという生の感覚を持たせるから
ですかね、読みが浅いですが。
4.空と白に対してのリクとシュビィはどういう解釈か
まずシュビィは正式な型番(名)をÜc(ユーバクラスタ)207番機Pr(プリューファ)型4f57t9機
といい、呼称には向かないことから名を改めることをリクが提言し、彼女自身が提案した『シュヴァルツァー(独:Schwarzer)』を長いと阻却されて今の呼び方に落ち着いています。
つまり 空と陸(リク)、白と黒(シュヴァルツァー)で対比させています。
空とリクを例に取っても
空:ゲーム世界で天才的な能力があるが、リアルな世界を放任している、相方は妹
ドーラ家のステフはいじられキャラ
のに対し
リク:チェスでとうとう神には勝てなかったが、現状に立ち向かった、相方は祖国殺しの機械
義理姉のコローネ・ドーラにはいじられる
という相反があります。同じところも書かれており、
民のことを想って指揮する(空のエルキア、リクのギルド)、策士(ただしアプローチは異なる)、童貞
といった感じで描かれ、ベクトルは違うけれどスカラーが同じというニュアンスにとらえることは容易であると思います。(シュビィと白の対比はまた違う見方がありますが、あえて書きません。)
ある種、空と白がいかに今後ディスボードでリクたちが望んだ世界を実現させていくかと、一度は(現実)世界をあきらめた二人がこの世界で立ち向かっていけるかの成長を書いているじゃないかと。
衛宮切嗣や英霊エミヤがなせなかったことをやろうとするFate的衛宮士郎状態 そういうことだと思います、ええ。
文句ないです
監督、脚本がその他のアニメでいろいろ疑惑があるので心配にはなるのですが、ホントにばっちり作られていたなぁと。
映画なので絵作り上に音が重要になる中で今回音響さんがすごい仕事していたと考えていて、
前半パートの何もない風がふぶく世界の音と森精種の拠点に乗り込んだ時の静寂さ、後半のアクションでの羽音、機械音、爆風の音、そしてEDで流れるTHERE IS A REASON
すべてに緩急、息吹、迫力がついて最後にはこれ涙がとまんないって。
これだけでももう細かいマイナスは目を瞑れるし、そもそもほとんどないはず。
BDで見ても遜色ないのか期待はしてしまうが、自宅37インチ液晶TVに2.1chな環境しかねーぞ...
観賞前後も含めて
夏コミやAnimeJapanでのPV上映や関連グッズの促販などからもかなり力入っていたと思います。
上映箇所が多くないですが、今回TOHOシネマズ上野がやってくれるということでいいタイミングでもう一度見直せたなと考えています。
そもそも、なんで「君の名は。」(WOWOWでもやりますし、国立美術館で新海誠展やりますね)はともかく、1,2日のリバイバル上映にこの作品なんだろうかという点はあるのですが、角川が絶賛上映しているFate/HFの次に出せるコンテンツということを考えるとこの作品は配給元にとっても評価の高い作品なんだなと痛感しました。それだけ見て損はないということだと。
山形県鶴岡市で11月24日までは見れるみたいですので、お近くの方は是非。
そうじゃない方は冬コミあたりで関連情報待ちましょうか。BDも二期も。
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購入金額
1,750円
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購入日
2017年07月頃
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購入場所
ゲーマーズかアニメイト
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