先日FOSTEX HP-A8のUSBケーブルを、PC向け汎用のUSBケーブルから、audioquest製のオーディオグレードとしてはローエンド製品となるFORESTに交換したところ、劇的な音質の向上があったことは以下のレビューで書きました。
FORESTは通常のPC向けUSBケーブルと比較しても、メジャーメーカー製のパッケージ品と比較すればプラスアルファ程度の金額でありながら、明確に音質上のメリットを感じ取れるという辺りは素晴らしいと思います。まずオーディオ用に何か1本USBケーブルを用意しようと考えるのであれば、最初の1本としては最良の選択肢の一つでしょう。
とはいえ、オーディオ用としてはローエンド品であることも事実。中には同じUSBケーブルでありながら、FORESTの数十倍という価格のものも存在する訳です。
そこでそのうちもう少し上のグレードのケーブルを買うつもりではいたのですが、自分でも予想しないタイミングでの買い換えとなりました。
先日都内の仕事の前に少し時間の余裕があったので、eイヤホン秋葉原店に寄ったのですが、そこでケーブル類の中古品を見ていたところ、このCINNAMONが妙に安い価格で並んでいたのです。外装等のコンディションがやや良くないのですが、それにしてもFORESTの新品と比べても半額程度なのです。条件反射で購入していました。
実はこちらのコネクターカバーが少々緩く、ケーブルに極端に力がかかったりするとカバーが外れてしまいます…。まあ、余計な負荷さえかけなければ問題はありませんので、気にしないことにしましょう。
価格差分の違いは感じられる
新品同士で比較すれば、FORESTの2倍以上の価格設定となる製品です。それなりの実力差はあるのか確認してみましょう。試聴環境はPC(ASUS P6X58D-E)からFOSTEX HP-A8に出力し、HP-A8のヘッドフォンアンプにSENNHEISER HD650を接続して聴く形です。PCとHP-A8の間に、同じaudioquest JITTERBUG併用でCINNAMONを使います。
今回も交換するメリットがはっきりと感じられる結果となりました。FORESTと全体的なバランス自体は大きくは変わらないのですが、ヴォーカルの生々しさや弦楽器の質感に大きな差が付きます。アコースティックギターやベースを手で弾いているという感触がはっきりと伝わるようになりますし、楽器の胴鳴りの成分が明瞭に聞こえるようになります。
数人が同時に歌っているような楽曲では、それぞれの声がきちんと分離しきらなかったFORESTに対して、それぞれの声がきちんと分離して誰の声なのかが把握できるようになります。
今再生しているのはLPから起こした24bit/88.2KHz WAVの「Hotel California / Eagles」なのですが、ベースラインが漠然と出ていたという印象から、きちんと手で弾いているという印象に変わりますし、少々古くさいながらドラムの音も歯切れ良くなります。
最近ハイレゾ音源(FLAC 192K等)で配信されている同曲は「当時の録音でこんなに重いベースの音は入っていないだろう」と思ってしまうわざとらしさがあるのですが、今聴いているこの曲は「いかにも40年前の録音だよな」という自然さがあります。それでいて本当に低いところの音は結構きちんと入っているということに気付かされるのです。
私のようにさほど高額な機器を使っていないユーザーからすれば、数万円のケーブルに入れ替えるというのは少々バランスを欠いたグレードアップとなってしまうのですが、このCINNAMONぐらいの価格であれば何とか許容範囲内でしょう。FORESTでも間違いなく大きな変化は見られるのですが、あと一歩踏み込んだグレードアップをしたいというときに、このCINNAMONが魅力的な存在と言えそうです。
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購入金額
1,690円
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購入日
2017年10月12日
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購入場所
eイヤホン
harmankardonさん
2017/10/13
jive9821さん
2017/10/13
どのみち懐事情がこれ以上のグレードを許してくれませんので、歯止めはかかると思います…。
と言いつつ、実はACケーブルはすっかり気に入ったACROTEC 6N-P4010をもう1本買ってきていたりしますが。
Takahiroさん
2017/10/15
jive9821さん
2017/10/15
今回の購入金額であれば、たぶん自作するより安いと思います。
ヘッドフォンケーブルなどは、自分が欲しい仕様のものが無ければ作るのですが、これまでに自分が作ったケーブルの仕上がりを考えてしまうと、極端に価格差が無ければ完成品を買ってしまうでしょうね…。