Cayenne(カイエン)は、Arduino や RaspberryPi で作った IoTデバイスの動作を可視化するためのインターネットサービスです。この種のサービスは、「IoTクラウドサービス」とカテゴライズされたりします。
今のところ、Beta版なので、coming soon となっていたり、動作のあやしい機能もありますが、メータ(ゲージ)やグラフ(チャート)の表示、スイッチ、スライダー操作などは使用可能です。
- 今のところ無料です。有料化されるとの記述が見当たらないので、当分は無料で使用できるでしょう。
- もっぱら学習・実験、個人研究用です。商業サービスなど大規模IoTシステムの場合は、サーバなどそれなりの枠組みを準備する必要がありますが、cayenneは、その前段階としてたいへん役立ちます。
- 英語がわかれば中学生くらいから使用できるよう想定しているようですが、Beta版のせいか つまずきそうなポイントも残っています。
- 用途、コスト(0円)からして、通信レスポンスや機能・データ保持に関して文句は言えないわけで、グラフ描画などは時折タイムアウトしますが、メータの表示(デバイス→cayenne)やスイッチ、スライダー操作(cayenne → デバイス)などは、即応性が良く快適に使用できます。
- 閲覧・設定にはブラウザが使用できる他、iOSとAndroidアプリがリリースされています。
- Cayenne上のデバイスへのアクセスできる権限は所有権者の分しかなく、閲覧のみの共有はできないようです。(APIが公開されているので、独自でwebページを作ればできるのかも)
- IoTデバイスとCayenneとの通信はMQTTで行われていますが、プロトコルや電文の編集(JSON)について何も意識しなくて使用できます。
- 類似のサービスは探してみると、いくつかあります。たとえば・・・
https://io.adafruit.com
http://www.blynk.cc
https://ambidata.io/ - 画面構成を細かく変更したいとか、デザインを変更して独自ページのように使用することはできません。(公開されているAPIで可能?)
https://cayenne.mydevices.com/cayenne/signup
#パワーウォール #powerwall
使用方法の概略
- サインイン(サインアップ)します
- Cayenne でデバイスを登録します(デバイスID、トークンなどが与えられます)
- Arduinoなどのデバイス側のプログラムで、ライブラリを導入し、デバイスID、トークンなどを記述し、インターネットに接続する記述もします
- デバイス側で送受信データのチャンネル番号を決めて、Cayenne で対応するチャンネルの機能を設定します。
- デバイス側のプログラムをスタートしてインターネットに接続してデータを送信するコードを実行すれば、Cayenne の画面に反映されます。また、Cayenneの画面のボタンからデバイス側のLEDなとの制御ができるようになります。
電圧電流のモニタ
マイ・パワーウォールプロジェクトで、電圧電流のモニタと記録に使用しています。
バッテリーの電流電圧がリアルタイムにメータ表示でわかります。
Li-ion バッテリーアレイ 7S12P(84セル)の総電圧と総電流です。
任意の期間のグラフを事後に描画できます。リアルタイムの描画はできません。
【パワーウォール 2017/07 サマリー】
上:気象庁の日照グラフ(http://www.data.jma.go.jp/obd/stats/etrn/index.php から検索できる)
下:Cayenne のグラフ
日照との相関はどんなものかと、横軸(日付)のスケールを合わせてみました。
緑色で縦軸目盛を追加しました。バッテリー残量%でいうと、28.0Vは95%くらい、25.0Vは50%弱くらいの感覚です(残量%は元々正確な表現ではありません)。
千葉市にある気象台と おなじ千葉市でも拙宅のベランダ(東向きなので午後からの直射は期待できません)とで全日照時間で較べるのは正確ではありませんが、日の射している時間の多い日にたくさん発電しているということは言えそうです。ただし、午前中曇りか雨で午後から晴れとなってもパネルは東を向いたままなのでそう多くは発電できていません。
充電してその晩に放電消費しているので、わかりにくいですが、電圧が上昇している部分はすべて充電を示しています。
22日頃まではよく充電していて、28.5V前後のBMSのコントロールがかかる限度まで充電できています。しかし23日以降は日照が少なく充電できていません。
しかも、この時点では気付いていなかったのですが、別に接続していた市販の電圧モニタが意外と少なくない電力を消費していたらしく、実際にLED照明などで使用していないのに電圧降下が少しずつ起こっていました。
さらに、バランサーを接続する前だったので、BMSが充電を終了する電圧が日ごとに下がり、かつ放電を終了する電圧が日ごとに上がり気味になっていました。
【パワーウォール 2017/08 サマリー】
前月同様、気象庁のグラフとCayenneのグラフを並べています。
横軸の日付と縦軸の電圧のスケールは前月と合わせるよう、Cayenneのグラフの方を縦横伸縮しています。
21日頃まで日照が少なかったです。気象庁のグラフで7,8月分を比べたとき オレンジ色の棒の面積が明らかに8月の方が少ないのがわかります。
この頃、バッテリーアレイにバランサーがないことと、市販モニタによる電圧降下の影響が、日々の充電が日照不足により満足にできないことと相乗し、とうとう21日にアレイ全体がダウンしました。
市販モニタは、BMSの制御が効かない位置に接続していたので、放電終止電圧を過ぎてもモニタ自身が電力を消費し続けました。その結果、並列バンクは軒並み3.0Vを下回り、セルを個別にチェックしたところ、中には充電不能となったセルもありました。
放電終止電圧を過ぎてさらに放電することはLi-ionセルにとって致命的なことだと改めて認識しました。
また、BMSは、アレイのうちどれかの並列バンクの電圧が極端に低い(何Vか未調査)場合は充電を開始しないこともわかりました。
アレイのダウン後、セルを一部アレイからいったん外し、基準電圧(3.6V)~最大電圧(4.2V)に外部で再度充電し、使用不能となったセル選別しては代替品と交換し、稼働を再開しました。
それ以降、市販モニタは必要なときだけ接続することにしました。
また、並列バンクのうち電圧の高いバンクに優先してバランサーを接続して実験を始めることにしました。
他用のためバッテリーの状態に目が届かなかった点も反省点ですが、パワーウォールは放置しても自律的に動作すべきシステムであり、いったん組んだバッテリーアレイは組み直したくありません。このトラブルにより、課題が明確になりました。
【パワーウォール 2017/09 サマリー】
バランサーの効果を見たかったので、満充電近辺で充放電を行う日が多かったです。
バランス動作後に安定する電圧が、月初に28V前半であったのが日ごとに高まり、後半では29Vを超えるようになりました。バランサーのおかげで1V程度多く充電できるようになりました。
今のバッテリーアレイの規模で1.0Vを容量で考えると、300mA(9W)のLEDライトが10時間程度連続点灯できるくらいです。
26日からは、放電抵抗を強化したバランサーに切り替えています。
効果を述べるにはまだデータが乏しいですが、当初のバランサーより放電が急速にできていることが、グラフから微妙ながら読み取ることができます。
この時期、快晴の日、バッテリーアレイと太陽光パネルの能力では最大2.1Vくらい上昇します。
グラフではきれいなカーブで電圧が上昇していくのが見て取れます(10日、29日など)。
温湿度・光量モニタ
パワーウォール用の電圧電流のモニタに先立って、習作として過去に制作した実験デバイスを ESP8266 NodeMcu Lua(ESP-12E/CP2102/ArduinoIDE)化してシンプルに作り変えた上でCayenne に接続してみました。
過去作:
今年製:
Cayenneの画面:
(ブラウザ)
(Android)
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購入金額
0円
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購入日
2017年06月頃
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購入場所
aPieceOfSomethingさん
2017/09/27
Cayenneって面白そうなサービスですね。
自宅の室温モニターとか、簡単なものから試してみたいと思います。
ちばとどさん
2017/09/28
ラズパイをお持ちなんですね。
ハンズオンとかハッカソンに参加してみるのもオススメですよ。