現在cybercatが使っているシェーバーは、メインがPhilipsのS5445/03
で、出張や帰省時の持ち出し用がIZUMIのIZF-V86。
なぜ2台あるかというと、基本朝シャワー浴びるときに浴室で泡付けてウエットシェービングするので、メインはずぶ濡れアワアワになり、(とくにPhilipsのは)すぐには乾かないため、その日持ち出せるような状態にはならない。そこで、メインは家固定にして、持ち出し用はバッテリー容量がハンパなく、使わない場合数ヶ月単位で充電が不要で、しかもその残量がデジタル数値表示される機種にしているわけ(もちろんいざというときのバックアップも兼ねている)。
このメインシェーバー選定時には、それまで使ったウェット対応のシェーバー、IZUMIのIZF-V85
と、PanasonicのES-ST2N
の使ってこそわかる欠点・反省点を反映させて、3大メーカー(Panasonic/BRAUN/Philips)の中で、今まで使ったことがなかったこともあって、消去法でPhilipsの中級グレード5000シリーズから選択した。
んでその、IZUMIのIZF-V85の方の長期間使った上でのウイークポイントとは、「刃の保ちが悪い」くせに「替刃の入手性が著しく悪い」と言う点。後者は本体でさえ売っているところが限られているので、そもそもIZUMI取り扱い店を見つけるのにも労力が必要だが、替刃の品ぞろえはさらに悪いため店ですぐには買えない(本体購入店でさえ替刃は常備していなかった)。ただこちらは、通販というテがあるので解決策はある。しかし前者が結構致命的。IZF-V85は防水とはいうものの、元々ドライ優先で設計されたシェーバー(当時IZUMIには別にウェット特化モデルがラインアップされていた)。そのウエット特化型でないシェーバーの外刃、頻回に外すことを考えていないのか、プラスチックの台座を歪ませて変形させて爪をかわして外す機構。ウェットシェービングだと使用後は泡だらけになるので、その外し方の外刃を毎日外して洗浄することになる。おそらくこれによって、外刃と内刃の「合い」が劣化するのが、切れ味が早めに劣化する要因だと思われる(最後は切れないハサミのように、髭がカットされず挟み込まれるような感じになるので)。
そこで、今回は替刃の入手しやすい3大シェーバーメーカーのなかで、生涯で使ったことがなかったPhilipsにした。なぜ、「そこで」なのかだが、Philipsのシェーバーは他の多くのシェーバーと駆動軸と刃の分離部分が違うので、外刃と内刃の「合い」が悪くなることがなさそうに思ったから。
大多数のシェーバーは、本体側にくっ付いている外刃と、駆動軸側に固定されている内刃の間で分離する。ところが、Philipsのシェーバーは分離位置が違って、外刃と内刃の組み合わさったモノが、プラスチックの部品でヘッドに固定されており、内刃の本体側に回転軸の「受け」が付いていて、そこから分離する。
要は、一般のシェーバーは、いわば手回し裏ごし機のように、外刃が固定された容器に、回る内刃が固定されたハンドルをセットするような形で、駆動軸側に内刃が付いていて、それがケース側の外刃とハサミのように噛みあって髭を断ち切る。この場合確実に固定されているのは駆動軸と内刃であって、内刃と外刃はプラスチックなどの噛み合わせ機構で“すき間”が調整されている。この内刃と外刃の噛み合わせ具合が「切れる(剃れる)」ことに直結するわけだが、IZUMIのIZF-V8x系の設計は、それが狂いやすい?IZF-V8xは、大きな箱形の外刃(をセットするプラスチック製のケース)が内刃にかぶさっていて、その「箱」の部分が髭屑溜め。その屑溜めの部分に髭屑と一緒に泡が貯まるので、ウェットシェービングの場合は都度外して洗わないとガビガビになってしまう。「箱」はかなり大きいので、ドライで使っていれば週単位で髭をためても、つまり、掃除=箱を取り外すのが1週間に1度以下でも問題ない。ただウェットシェービングの場合は、洗浄のため毎回外す必要合がある。その外し方が、IZF-V8x系は「箱を歪ませて」引っかかっているストッパーをかわして外すという方法なので、噛み合わせがズレやすいんじゃないかと。
Philipsは、外刃と内刃の間が固定のため噛み合わせの問題が起きづらい
Panasonicのは、分離する位置は同じ外刃⇔内刃間だったが、外刃部分をプッシュ式のロックで固定していたので、取り外す際にケース側を変形させる必要はなく、挟まるような噛み合わせの悪化はなかった。またそもそも使用後水流を通せば、外刃部分を外さなくても内部に入った泡はほぼ完全に洗い流せると言う、ウェットシェービング最適化がされた設計。ただ、このES-ST2N、不調の原因が、今まで永い間各社のシェーバーを使ってきて初めて「内部配線の接触不良で電源が入らないことがある(多い)」という朝の忙しい時間に使うものとしては致命的な問題により、スタメン落ちした。いくら振動部を持つ器具とはいえ、たかだか4年足らずの使用期間で内部配線の接触不良はいただけない。
そこで
・(構造が複雑で乾きが悪そうなのは承知で)ワンタッチで髭屑溜め部分にアクセスできる
・(正規品替刃は頭一つ抜けて高価だが)外刃と内刃の組み合わせを外さなくても清掃できる
Philipsにしたわけ。
で、深剃り性能はやや弱いものの、肌へのあたりがよいこと、外刃面の大きなフレームのわりには、3つの小型ヘッドの肌の凹凸への追随性がよく、耳の顎骨と首の間や顎下の顎の骨を超えたあたりの凹面部の剃り残しのなさが抜群なこと、そしてもちろん泡をつけてのウェットシェービングに何の問題もないことで、気に入って使っていたのだが....
....2年経たずに剃り味が悪くなった。
具体的な症状は、元々当初から深剃り性能は他社の製品に及ばなかったが、さらに深剃りができなくなって、特に鼻の下の柔らかめの髭は「剃り残し」ともとれるほど残るようになってしまったのだ。顎のあたりの硬い毛は大丈夫なのだが、鼻下のあたりだけ「一分刈り」のように残るようになってしまった(もちろん1分刈りは3mm長なのでそこまで長くは残ってはいないのだが、髭剃り後鼻の下を触ると「ジョリジョリ」ではなく、「サワサワ」という感じで、ある程度の長さを感じるような手触り)。
その症状が出始めた頃は、コロナ禍明けてなかったので、マスクをすれば多少髭が残っていようが実用上問題なかったとは言うものの、取引先訪問などで茶など出されたような時に、マスクを取るのが憚られるほどの長さ。
一応メーカー推奨替刃交換サイクルは2年なのだが、推奨交換サイクル以内で交換を強いられたIZUMIのIZF-V85の例もあるので、刃を交換してみることにした。
そしてここで一計。
Philipsは替刃互換性が高く、上位の機種の替刃が使える場合があるのだ。
自分の持つPhilips S5445/03は5000シリーズに属しているが、替刃はSH30が指定。SH30というと別名「コンフォートカット刃」と言い、実はこれは下位のシェーバー 3000&1000 シリーズ用の替刃。5000シリーズはSH50「マルチプレシジョン刃」というのが、本来このグレード用の刃。S5445/03はAmazon専売品で一般市販はされておらず、この下級グレードの刃でコストを抑えているのかと思ったが、一般市販されているカラー違いのS5444/03もSH30を採用しているので、車が同じボディでエンジン変えて差別化するごとく、5000シリーズの上級ラインはSH50、廉価クラスはSH30というクラス分けなのだろう。
【交換前】「コンフォートカット刃」=SH30が標準として採用されているS5445/03
この二つは互換性があるので、替刃購入時にSH50に置き換えてみようと。
ヘッド部がおにぎり型の旧5000/6000シリーズ用。5角形が組み合わさった新シリーズには非対応。
商品到着してみると、同じ27枚刃ながらビミョーに違う。SH30は「外刃」の部分がすべて均等で、中心部のパッドの周囲に、髭を捉えるために放射状にひねりが入った「スリット」がある状態だった。一方SH50の方は、パッドの外周の「半周」ほどはSH30と同様「スリット」なのだが残る半周の2か所に「スリット」ではなく「ホール」状の造作がある。HPの替刃の商品紹介には、SH50に「長いヒゲも短いヒゲも根元から引き上げてすばやく深剃り」という部分が追加されているので、この「穴」が(おそらく)短い髭が逃げずにカットできる、ということなのだろう。
替刃の交換は、3つのヘッドの裏から外刃と内刃を一括で押さえているプラ部品を、反時計回りに回して外し、刃を内外セットで新しいものと入れ替えて、押さえの部品を戻してロックすれば終わり...
これが新たに交換するSH50。中央のパッドの周囲の「穴」が一部スリット⇒ホールに変更。
...なのだが、古いSH30を外してみてあることに気が付いた。
3つの刃いずれも、外刃の内側と内刃の外周部に長い毛を巻き込んでいる。
取り外したSH30のセット(洗浄後)。赤い丸印のあたりに毛が数本巻き付いていた。
これは多分、毎日使ううちに、もみあげ部などの長い毛が誤って巻き込まれた結果だと思われるが、試しに外した外刃と内刃を超音波洗浄
し、絡まった長い毛を爪楊枝で取り除いて再セットして髭を剃ってみた結果、剃り味が復活してしまったw
要は、毛が絡まって外刃と内刃の間に隙間ができ、それによっていわばバリカンにアタッチケントを装着して坊主刈りが一分刈りになっていたような感じ?
剃り味が復活したため、まだ使える刃を交換するのはムダと判断、当面SH30に戻すことにはしたが、これではSH50の評価にならないので、切れ味が復活したSH30と新品のSH50と比較してみた。すると...
・SH50の方が、明らかに肌に優しい
・SH50は円形の「剃れる部分」のどこを使うかで剃り味が違うので、本体を捻る必要がある
・SH30の方が、「とりあえずのゴール」には早く達する
・SH30は本体の向きを変えても剃り味の変化はない
...という感じ。
替刃比較。SH50はホール状の部分かある(スリットの数は少ない)
内刃はともに9枚刃(Philipsが謳う「27枚刃」は9枚刃×3つのヘッド合計ということ)
駆動部への接合部は、若干形状が違うように見えるが問題なく回転は伝わる
要は、SH50はホール状エリアの部分がパッドのような働きもあるのか、肌に優しい。またスリットとホールでは適した長さの毛が違うのか、鼻の下のように全体的に動かして「面」で剃れない部分は、本体を捻るようにしてヘッドが当たる部分を変えて剃った方が上手く剃れる。SH30レベルのゴールであれば、スリットの多いSH30の方が早く達する。一方時間をより長くかければSH50の方が「つるつる」に仕上がる、と言う感じ?
SH50は、SH30のスリット状外刃の他に、短い毛に特化したであろうホール状外刃のエリアも用意したが、スペース的にスリット状外刃に「加えて」ホール状外刃を用意できず、スリット状外刃の一部を「置き換えて」ホール状外刃エリアを作ったため、様々な長さの髭には対応できたが、SH30レベルの「とりあえずのゴール」に達するのは遅くなってしまった...という感じか。
ただ上記の差は、「二つの刃を付け替えて比較すれば違いが感じられる」という程度で、劇的なものではなかった。
同じ購入店で比較するとSH30の方が一割強くらい値付けが安いので(SH50の方が1割強ほど値付けが高いので)、上記の特徴にどれほどの価値を置くかという感じ。
【交換後】上級ラインS6000シリーズも採用するSH50に換装した状態。
ただ異なる購入店で底値同士で比較すると大差ないので、好みかもしれんw(だいなし
あと、サードパーティ製の他に、本家のパッケージながら偽造品も結構出回っているようなので注意。ま、わかって買う分にはよいかもしれないけどね。
【仕様】
パッケージに含まれるシェービングヘッド数:3
対応製品:
シェーバー 5000 シリーズ(S5xxx)
AquaTouchシリーズ(AT8xx,7xx)
PowerTouch(PT8xx、PT7xx)
AquaTouch(AT8xx、AT7xx)
シェーバー 6000 シリーズ(S6xxx)
肌への「あたり」はSH30より良い
「ホール」状の部分が、「面」の面積も大きいので、パッド様の働きをするのか、剃り味は優しく、肌あたりもよい。
SH30よりむしろ??
パッドの周囲全部がスリットで髭を取り込みやすい?SH30と比べて、穴に髭が入らないと剃れないホール状エリアがあるSH50は深剃りに適さない??
一度穴に入れば髭を逃がさないので、きちんと剃れるのだろうが、穴に入れるまでが時間がかかる?
ということは、最終的により深剃りができるのはSH50だが、時間がかかるということ??
-
購入金額
3,050円
-
購入日
2024年03月30日
-
購入場所
Amazon
ZIGSOWにログインするとコメントやこのアイテムを持っているユーザー全員に質問できます。