以前購入したフォノイコライザー、Phasemation EA-200は、最近のオーディオ機器らしく3P型のACインレットを採用していて、ACケーブルの交換に対応しています。
標準添付のACケーブルは特筆するクオリティーのものとは思えず、そのうち交換しようと考えています。
ただ、元々このシステムで使っている機器は、オーディオテクニカ製の電源タップ、AT-PT602から全て取っているのですが、口数に余裕がないことに加え3P型の電源プラグに対応しません。プラグが通常の2Pで、インレット側のみ3Pというケーブルは案外選択肢が狭いのです。
AT-PT602はかなり以前に買ったものですが、ケーブル部はPCOCCを採用するなど、当時奮発しただけのことはある内容で満足感も高いのですが、3Pプラグに対応しないことは弱点となります。
そこで3Pケーブルに対応したオーディオグレードの電源タップとしては比較的安価に売られていた、このAIRBOW ABPT/EVO/4.27Vを増設することにしたのです。
AIRBOWとは、大阪のオーディオ店「逸品館」のオリジナルブランドで、marantz等の機器のオリジナルカスタマイズモデルを主に販売しているのですが、電源タップのようなアクセサリーはオリジナル設計の品も存在するようです。
ちなみに、このタップは基本的に汎用パーツで構成されていて、外装を見てもAIRBOWのロゴなども特にありません。率直に言って、いくら彼らにとっては廉価品であるとはいえ、この佇まいで1.8万円は無いだろうといいたくなります。
間違いなく音は変化するが…
我が家は古い設計の家ですので、壁電源の数がさほどありませんので、AT-PT602とこのタップを同時に壁から取ることは出来ません。そこでどの程度の意味があるのか疑問には思ったのですが、AT-PT602に、この ABPT/EVO/4.27Vを接続して、そこに本来の目的となるPhasemation EA-200と、変化がわかりやすいようプリメインアンプのSANSUI AU-α707DRを接続し、他の機器はそのままAT-PT602に繋いだ状態で試聴してみることにしました。
※以前不調と書いたAU-α707DRですが、隙間から接点復活材(当然精密電子機器用)を突っ込んだところ何とか使える程度にまで回復しているため、修理に出すのは取り敢えず中止しています。
何故このようにしたのかといえば、 ABPT/EVO/4.27Vの商品説明に次のような記述があったためです。
AV機器の電源を壁のコンセントから直接取らずに、この電源タップを経由して繋ぐと、音が生き生きとして音楽が躍動します。音の広がりが増し、部屋中に音が広がり体が音に包みこまれるようなイメージが出てきます。映像機器に使った場合には、色彩の鮮やかさがハッキリと向上し、奥行き感が増します。
(以上、ABPT/EVO/4.27V 販売ページより引用)
壁のコンセントから直接取るよりも、このタップを挟んだ方が音が良くなると言い切っているのです。しかし、経路を増やすことで元以上に質が良くなるということがあり得るのでしょうか。早速聴いてみましょう。
すると、明らかに低域方向の力感や躍動感が元よりも出ていることがわかりますし、楽器やヴォーカルそれぞれの存在感も増します。良くなっているといえば良くなっているのかも知れません。
しかし、これは「良くなった」と評するのはどうしても抵抗があります。「特定のキャラクターを付加した」と言われる方がしっくりとくるのです。あくまでも私の感情的な問題ではあるのですが…。何というか、表現の一つ一つがやや大げさに感じられるようになると書けば納得できるでしょうか。いくら高品位なタップであろうと、何らかの処理を加えない限り「元よりも良くなる」というのはどうしても乱暴な表現に見えてしまうのです。
そういった疑問点が気にならない方であれば、間違いなくわかりやすいレベルで音は変わりますので、導入する価値はあるでしょう。
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購入金額
5,980円
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購入日
2017年08月26日
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購入場所
BOOK OFF
フェレンギさん
2017/08/28
この電源タップの元になった「パナソニック製品」は手元にありますが、壁コンセント直とタップ経由との間に音質差は感じておりません。
その後、プロケーブル社のトランスを入手した時の驚きはレビューに詳しく書いたつもりですが
プロケーブル社も、逸品館のタップと同じように「非メッキブレード」を強く推しています。
少なくともダウントランスを経由すると、音の暴れのようなモノが激減するので、知らず知らずのうちに音量をあげてしまいます。 その結果低音の量と質が劇的に改善するのですが、ロジウムメッキプラグが介在すると、「高域方向がキツく感じます」「耳が痛くなる」ような感じでした。
そこでプロケーブル社の、ワットゲート社製非メッキブレードとシールドケーブルから成る電源ケーブルに変更することで 非常に良い結果を得ました。
自分の経験では、RCAプラグケーブルの違いがイチバン判りません。
電源ケーブルとSPケーブルの違いの方が大きいと感じてます。
タップによる音の違いって自分は感じたことが無いのですが、友人にプロケーブル製の重鉄タップは良いよという者がおります。
自分だけでなく、オーディオに興味を持たないお客様が、営業中の音量でも その違いを感じられたのは ダウントランス だけです。
かなり多くの方が それを感じられました。
コンポを買い替えたり、ケーブルに大枚を叩くなら、まずはダウントランスが 良い解決法だと思うのですが、「プロケーブル社のHPを見ると その気が失せる」
その気持も解ります。
jive9821さん
2017/08/29
逸品館の代表の方はテストレポートなどを読むと、それなりの信念を持ってオーディオに取り組んでいることは解りますね。考え方としては必ずしも同意できるものばかりではないのですが、売りたいがために信念もなく八方美人な評価をされるよりは説得力は感じます。もっとも、30万程度の機器を「比較的安価な」などと平然と書かれてしまう辺りにはどうしても抵抗を感じますが…。
今回のこのタップは、音を出してみれば明らかに元とは変化しているし、その変化の方向も悪いものではないという辺りが何とも難しいのです。まあ、部品の組み合わせを吟味することで、抵抗の入り方や静電容量に僅かな変化を生じて、それがオーディオ機器に適したものになることで音が整うという理屈なのかも知れませんが…。
理屈は抜きできこえる音が良ければいいという発想であればアリ、理屈が気になるとすんなりとは納得しにくい、そんな製品といえそうです。
ちなみに、
>「プロケーブル社のHPを見ると その気が失せる」
私はまさにこれでした。あの記述ではわざわざオカルト感を増しているとしか…。
フェレンギさん
2017/08/29
実際にダウントランスの効果を知ると、あのHPの記述が勿体なくて、勿体なくて、、。
きっと同業者から人格が変容してしまうほどの嫌がらせを受けられたたのだろうと解釈してます。
それでも、エンジンオイルの推奨文に関しては、全く納得出来ませんが、、、。
逸品館店舗は万人を納得させる高音質だったので、機会を見てプロケーブルの店舗も覗いてみたいのですが、未だでございます。
もし行くことがあれば こちらでご報告いたします。
jive9821さん
2017/08/29
あのサイトでは他社を攻撃するために色々と理屈を書いているのですが、中には誰が見ても露骨な間違いというレベルのものも結構あるんですよね。
私もケーブル1本に10万などという世界は、機器1台に数百万かけているのでなければ異常としか思いませんし、オカルトとしか思えない理論でぼったくっていると思う業者も結構見かけます。今回のタップでもそうですが、自分の耳で聴いた違いだけは信用せざるを得ませんが…。
ちなみにプロケーブルでは完全に悪者扱いされているPCOCCですが、ヘッドフォンケーブルとして使ってみると、少なくとも代替品として使われている102SSCよりは良かったということは再認識できました。PCOCCのケーブルには独特の癖があるのは事実ですが、手ごろな価格で売られていたものまでを否定する必要まではないと思うのですが、何故あそこまで攻撃的なのか…。