三島屋という袋物屋に、とある人に言えない事情を抱えて、身を寄せる娘「おちか」。
その事情が手繰り寄せるのか、怪異や、不思議な経緯をもつ人が、それを語りに来る。
というシリーズの2巻目ですね。
このシリーズに限らず、昔語りの怪談や、怪異譚などは、得体の知れない怪異よりも、じつは、人の心の方が恐ろしかったりするのですが。
この本も、おおよそ、そうかもしれません。
本格的な怪異、妖怪のようなものが登場するのは、この巻に収録されているお話では、一つ目と三つ目のお話で、半分だけ。
読み進めると、むしろ、人よりも愛らしいかったり、愛しさを感じますね。
タイトルにもなった「暗獣」(あんじゅう)は、昔飼っていたジャンガリアンハムスターのような、そんな愛嬌というか、可愛らしさを感じます。
怪談、なんですけれども、ね。
「暗獣」の、とあるシーンの健気さには、涙が溢れてきました。
怪談、なんですけれども、ね。
ただただ、身の毛もよだつお話達、という訳では無い所が魅力です。
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購入金額
400円
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購入日
2017年08月18日
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購入場所
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