自分的には...毎回ご好評? 戴いていると自画自賛している...恒例のSATIN M-117ネタ登場です...(・´з`・) 今回のは嘗て存在していた京都サテン社フォノ・カートリッジ M-117Sで発売は1979年3月です M-117SのSはサテン針のSです(CD-4対応だった
シバタ針系みたいです)
針先とカンチレバーが取れていました 立派に「JUNKのホームラン王です! 」(古いなぁ~)
針の白い部分にはSATINの文字があります 見た目は綺麗です
CD-4対応で(内部インピーダンス、針の動き易さのコンプライアンスはM-117と同一ですが) 出力はM-117に比べて1mV低いです コイルの巻数は同じなのか? この辺り不思議です CD-4レコード再生の為、サテン針採用で結果的に高域まで追従し、再生周波数は40000Hz迄となってます 針圧も1.5g→1.9gと違いますね
■価格 \30,000
■発電方式 MC型
■出力電圧 2.5mV±1dB(5cm/sec)
■針圧 最適1.9g
■再生周波数帯域 10-40,000Hz
■チャンネルセパレーション 35dB/1kHz
■チャンネルバランス
■コンプライアンス 15×10-6cm/dyne
■直流抵抗
■負荷抵抗 30~200Ω
■内部インピーダンス 40Ω
■針先 サテン針
■自重 9g
■交換針 117-NS(\12,000)
■発売 1979年3月
■販売終了 1989年頃
■備考 価格は1979年頃のもの
1984年頃は\34,000 117-NS(\16,000)
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交換針には下記のものがあり、次のような色わけによって判別できます。
針先 交換針ホルダー SATIN文字
117-NGE 楕 円 針 黒 黒
117-NS サテン針 黒 白
●M-117G、M-117Sは、針先が異なるだけでなく、ボディの発電部分などもそ
れぞれ異なり、それぞれの組合わせが最高の結果が得られるような組合わせと
して設計されていますので、針の互換性はないものとお考え下さい。
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なんだこれは!...
本体M-117S + 針117-NE 周波数SWEEP波形 高域が見事に下がっている!
此方はM-117Sと(M-117Eの)交換針117-NE使用で「天使の落書き」曲の再生結果 高音落ち
上と同じ条件でM-117E+117-NE針での同一曲再生 此れが普通
今迄M-117, M-117Eなどを測定しましたが今回のM-117Sは高音が低下しすぎです
理由がわからんとです...(´・ω・`) 出力は3.5mV(M-117)→2.5mV(M-117S)と低くなっているので普通に考えるとコイルの巻き数は少なくなっている筈が内部インピーダンスとコンプライアンスがM-117と同一---と言う事は針だけの違いなのか...
此れほど高域再生レベルが低下するのはシバタ針だけの原因でもないようですがこれ以上は判らないです テープデッキで垂直アジマスがずれているみたいに高音が出ないです コイルの巻き数が少ないなら高域再生も出来ると思うのですが不思議です 今迄5~6個のM-117を触ってきましたが今回の様に高域低下は初めてです。
今となってはサテン針117-NSと言う交換針は手に入らないので手持ちの117用交換針を色々試してみましたがフラットにはなりません もともと低音強調のカートリッジだったのではと思います そんな訳無い!
SPOT周波数録音の測定用レコードを再生し再確認しました 2017-08-12
SWEEP信号と同じく高域が低下してます(下図)
経年劣化でしょうか...全く動作しない訳でもないのですが...ちょっと残念です なにぶん古いものなので完動品は難しいのです...ジャンク品は奥が深く危険です...ジャンクルみたいです(´∀`)
自己責任といわれても....! 仕方なし..
古い品物やジャンク品は使われてきた環境の影響を受けています 扱い方や汚れ方、部屋などの空気状態?湿度、温度、陽が当たっているとか、埃、錆び、傷、カビ、投棄品など様々です 綺麗なものや酷使されたんだろうなと思えるのもありますね 今回の品物も40年くらい経っていますが外観は綺麗なほうですね 高域が出ない原因は判りませんでしたが 取りあえずアルコールで外部を軽く清掃だけはしました 気休めではありますが私のルーティンみたいなものです。
SATINのカートリッジはアーマチュア部分が針交換しやすくする為、外部に露出しているので埃や外部環境の影響を長い間に受けやすいようです また超精密な工作品だけに人の手に掛かって構造部が変形すると性能が維持できません SATINのジャンク品はこの点非常に魑魅魍魎の世界です つまり手にしてからがギャンブルです。
参考----------------------------------------------------------------------------------------
M-117E+NE-117 117E正規品の組み合わせでも高域は落ちてます
M-117Sと自作針(SONY ND-ST21加工) 高域は持ち直しているがフラットではない
その後再確認
高域低下の理由は不明ですが下画像M型アーマチュア付近の樹脂を見るとオイル状のシミらしきものが
見られます 気のせいかも知れませんがオイルを付けた?(その割りに綺麗過ぎるが)か経年劣化、
本来の交換針117-NS(サテン針というシバタ針?)をつけないと駄目なのか...発電コイル振動が高域まで振動出来ない機械的制約があるのかもしれません 問題点此れ位...
中央の山型部分で針カンチレバーを受けます 構造自体には問題ないですね 綺麗な状態ですからあまり使われていなかったようですから機構部が固着しているのかも。 [1]
ベンジンが手に入らないのでマニュキュア除光液(アセトン)でコイル付着のグリスを溶かしてみました マニュキア除光液でアーマチュアコイルを洗浄後 L、R共 1K~20Kで8dB差になりました[2]
マニュキュア除光液で洗浄後(カートリッジ内部に液を垂らし込んだだけだが)
SPOT信号再生での周波数特性 30~15000Hz 11dB位に収まっているようです
2018-5-30 追記
ダンパーに使っているグリスの成分は不明ですが白くてかなり軟らかいグリスですが手に入らないのでネットの某所で教えていただいた有るもので代用して振動コイルに若干付けてみました
(この有る物の物質名は公開できません 個人履行/守秘義務があります)
LCh : 20KHz迄は持ち直しているのが判ります 反面高域のダンピングが効かないか?
その後....
上の代用グリスを更に充填した結果
10KHz付近が盛り上がるように為ってしまった やり過ぎか 117用加工針使用
2017-8-22 画像[1]追加 追記
2017-8-31 画像[2]追加 追記
2018-5-30 ダンパーオイル更新 & F特測定 追記
2018-6-12 ダンパーオイル追加充填 測定
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購入金額
0円
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購入日
2017年頃
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購入場所
aPieceOfSomethingさん
2017/08/20
ただタコシーさんのレビューがとても詳しいので、気軽にコメントできない感じです。
SATINのカートリッジは名前は知っていましたが、どんなものかは全く知りませんでした。
タコシーさんのレビューを読んで、今までに機会があったかどうかはわかりませんがSATINのカートリッジを聴いてみればよかったなと思いました。
タコシーさん
2017/08/20
ありがとうございます
レビュー内容は私の自己満足の結果ですので気にしないで書き込んでください 書き込み歓迎ですよ(^ω^) サテン・カートリッジは若い時に購入したM-117があったのでそれがレビューの始まりです。
当時はM-18BXが欲しかったのですが3万円位してたので諦めました V-15typeⅢは同じ位かもっと高かったと思います 独身でしたので買う気に為れば買えましたが飲み代がしこたま掛かっている時代でしたのでオーディオは二の次となりました やっとM-18BXは中古で今年入手しました 金額だけは当時と同じくらいでしたがヤフオクでも正常品は年に数個しか出ないので気合を入れて落札した次第です 手に入れましたがあまり聴いていないという結果です。
aPieceOfSomethingさん
2018/06/12
グリス代用品でもかなりの変化があるんですね。
メカ系は難しいなと改めて思いました。
完全復活にはまだかかりそうですが、今後の展開に期待しています。
タコシーさん
2018/06/12
このダンパー代わりのグリスって難しいですよ
今はダンピングが効かない状態で、初期はグリスが硬くなっていた感じですかね
ダンピングが効かないと高域が上がりすぎるようですね
具合の良いグリスを探さないと難しいですね
他のカートリッジでも色々試行錯誤した結果は高域が上がりすぎ...難しい
回路みたいに右から左って訳にもいかず、悪戦苦闘です。