以前4ch SQレコードの本作についてはレビューを掲載しました。内容についてはそちらをご参照下さい。
ただ、本作についてはCDでは以前から持っているものの、普通のLP盤は持っていませんでした。
そこでたまたま見つけた「キズ有り盤」と書かれた中古LPを買ったのですが、これもなにやら通常盤のLPではないようなのです。
ジャケットに「HALF SPEED MASTERED」の文字がありますし、「MASTER SOUND」というロゴもプリントされています。
日本のCBS/SONY、EPIC SONYからも一時期「Master Sound」と称する高音質レコードが発売されていたことがあります(但し本作のMaster Sound盤はリリースされていなかったと思います)が、それとは異なるアプローチの高音質盤のようです。
CBS/SONYのMaster Soundはデジタルマスター音源と、少し重量が増した盤を使うという辺りが特徴だったのですが。こちらのColumbia MASTER SOUNDはハーフスピードカッティングで製作されたマスターを使っているだけで、盤質そのものは通常盤と変わらないように見えます。どのみち、レコーディング時点でそこそこテープノイズやワウ・フラッターが入ってしまっていますので、ハーフスピードカッティングにどれほどの効果があるのかは何ともいえないところです。
ラベルにも「HALF SPEED MASTERED」の文字が入っていますが、手で持った限りでは重量感は通常のレコードと全く同じですので、特殊なものでは無いでしょう。
少なくとも4ch盤よりは整っている
早速試聴してみましたが、中古盤ならではの問題が。どうやら前所有者はタイトル曲「Bridge Over Troubled Water」ばかりを、調整が行き届いていないプレイヤーで聴いていたようで、この曲に関しては溝が傷んでいるのかかなり歪みが出てしまっていて、音質評価が出来る状態ではありませんでした。試聴環境は、KENWOOD KP-9010+ZYX R50 Bloom+Phasemation EA-200です。
2曲目の「El Condor Pasa」以降の音質は正常ですし、表記があったキズについても再生に影響が出るほどではありませんでした。
そこでB面の最初となる「The Boxer」などを中心に聴いてみたのですが、やはり音質では4ch盤は明らかに劣っていたことがわかります。低域も高域も随分明瞭に出て来ますし、4ch盤で明らかに定位がおかしかった部分などもごく自然なものになります。
とはいえ、前述の通りレコーディング時点での音質がそれほど優れたものではありませんので、この(一応)高音質盤と通常盤との間にどれほどの音質差が付くのかは判りません。
通常盤を既に所有している方が敢えて音質を求めて買うほどとも思えませんが、4ch盤しか持っていなかった私のようなリスナーには、それなりに音質的なメリットが感じられるものとなっています。
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購入金額
540円
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購入日
2017年07月05日
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購入場所
HARD OFF
フェレンギさん
2017/07/11
ベイビードライバーなどなら それも楽しめるサウンドに感じてます。
ニューヨークの少年やフランク・ロイド・ライトなどなら、時代の音として楽しめると思います。
私もCDを含めて数枚所持しておりますが、とにかくSQ盤はオススメ出来ないと思ってます。
jive9821さん
2017/07/11
確かにどれで聴いても高音質ではないのですが、その中でもSQ盤は群を抜いてクオリティーが下がるという印象ですね。
勿論、この音質だからこその味という部分もありますので、必ずしも高音質である必要はないのでしょうけど、SQ盤をごり押ししたSONYの姿勢はやはり褒められたものではありませんでしたね。