以前、同じDiana Krallのアルバム「Wallflower」をCDで聴いた後、物足りなさを感じてLP盤で買い直したということがありました。
今回はハイレゾのDL版を買うかLP盤を買うかと悩んでいたのですが、丁度某オーディオ店に顔を出したときにLP盤が置かれているのを見つけて、そのまま話の流れでLP盤を買ってしまいました。
このLPは収録時間は充分LP1枚で収まる程度なのですが、溝の幅を確保するためか敢えて2枚組となっています。もっとも、2枚目は溝が片面にしか無いという珍しいものとなっていますが…。
下の方の写真の右側の盤面に溝が全くないということがおわかりいただけるでしょうか。
収録曲は以下の通りとなっています。CDとは曲順及び収録曲が異なっているようです。特に5曲目以降は全く並びが異なっていて、少々驚きました。
Side A
01 Like Someone In Love
02 Isn't It Romantic
03 L-O-V-E
04 Night And Day
Side B
05 Sway
06 No Moon At All
07 Dream
08 I'll See You In My Dreams
Side C
09 I'm Confessin' (That I Love You)
10 Moonglow
11 Blue Skies
(LPから起こしたWAVを置いたフォルダでDIRコマンドを実行した結果をテキストに起こして整形したため、通し番号表示となっています)
サウンドも音質も、より自然に
「Wallflower」ではポピュラー音楽界の巨匠であるDavid Fosterと組み、70~80年代のヒット曲を中心に取り上げていたのですが、本作では本来の専門分野であるジャズ系のスタンダード曲を歌っています。
本作のプロデュースは、Diana Krallを育て上げたと評しても差し支えない名プロデューサー、Tommy LiPumaが担当しています。彼は残念ながら今年の3月にこの世を去っており、本作が彼の最後のプロデュース作品となったといわれています。
元々はジャズ分野のミュージシャンを特に多くプロデュースした人物だけあり、本作も音作りは典型的なジャズ・ヴォーカル作品という趣です。「Wallflower」と比べると、かなりジャズ寄りの音となっていることがわかりますので。
本作の収録曲の中に「Night And Day」という曲がありますが、この曲は以前Chicagoのスタンダード・カバー集「Night And Day :The Big Band」という作品でも取り上げられているのです。
この2つの「Night And Day」を聴き比べると、軽く流して聞いただけでは違う曲に聞こえるのではないかと思うほどに解釈が異なっています。ジャズにルーツを持ちつつもロックバンドとしてのアプローチを見せるChicago版と、いかにもジャズ・ヴォーカル的なDiana Krall版という具合です。
「Wallflower」ほどではありませんが、本作もいわゆるスタンダード曲であるためか、そこそこ聴き覚えがある曲も多く、あまりこの方面を聴かない私にも取っつきやすい内容です。
音質については、Wallflowerよりもより楽器の質感を重視しているように感じられ、高水準といえます。ウッドベースの質感と重量感が出るような環境で聴かないと、味気なく感じられそうな音にも思えますが…。
前作に引き続き、内容に惹かれて聴くのも良いですし、音質チェック用として聴くのも良いという作品に仕上がっていることは間違いありません。
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購入金額
3,380円
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購入日
2017年05月21日
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購入場所
ノジマ オーディオスクエア
harmankardonさん
2017/06/10
彼女には,夫のコステロの影響も大きいと思いますが,彼らの影響も大きいですね.
ライブ盤もオススメです.
jive9821さん
2017/06/10
何となくですが、Wallflowerよりはこちらの方がリラックスして歌っているような印象を受けました。楽曲の馴染みはWallflowerの方があるのですが、サウンドとしてはこちらの方が好みかも知れません。