まず、本作の音楽的な内容については、CD盤の方のレビューをご覧下さい。
収録内容については追加トラックが多数あるCD盤の方が聴き応えがあるのは間違いありません。価格もCDの方が安く済みますからね。
先日Technics SL-1200Gの試聴会で再生されたLP盤の一つがこの作品でした。私が持ち込んだ盤ではないので、コンディションという意味ではさほど良いものでは無かったのですが、それでもCD盤とは明らかに違う生々しさは感じ取れました。
試聴会で再生されたのはタイトル曲「Wallflower」でしたが、そうなってくると当然他の曲もアナログ盤の音で聴いてみたいと思ってしまう訳です。そんな訳で、帰宅後早速通販で手配しました。
輸入盤には意外とあるのですが、パッケージングが雑で盤面の端が少しはみ出した状態でビニールを巻かれてしまっていました。そのため端の部分が若干変形して反ってしまっている部分があり、お世辞にも良いコンディションではありませんでした。最近1万円前後で売られている「とりあえずレコード盤を再生出来ます」という程度のプレイヤーではまともに再生出来ないかも知れません。今回は自分の環境で再生は出来るので、特にクレーム等は入れませんが…。
CDを上回るのは簡単ではない
まずは一応収録内容について確認しておきましょう。LPでは2枚組となります。無理をすれば1枚に収まるのかも知れませんが、音質などを考慮した結果でしょう。
Side A:
01. California Dreamin'
02. Desperado
03. Superstar
Side B:
01. Alone Again (Naturally)
02. Wallflower [feat. Blake Mills]
03. If I Take You Home Tonight
Side C:
01. I Can't Tell You Why
02. Sorry Seems To Be The Hardest Word
03. Operator (That's Not The Way It Feels)
Side D:
01. I'm Not In Love
02. Feels Like Home
03. Don't Dream It's Over
再生環境は録音用PCに繋がっている方の環境で、KENWOOD KP-9010+audio-technica AT33Rを、SANSUI AU-α707DRのPHONO入力で鳴らします。
ところが、この環境で再生する限りではCD盤と大差ない音しか出てこないのです。勿論SL-1200G+Ortofon Cadenza Black+Phasemation EA-300だった試聴環境よりは大幅にグレードは落ちる以上、仕方ない面はあるのですが。
そこで、後ほどレビューを書きますが、HARD OFFで偶然発見したフォノイコライザーを購入してきて、AU-α707DRのPHONOと交代させてみたところ、SL-1200Gとは勿論傾向の違う音ではありますが、同じような生々しさを味わうことが出来るようになりました。さすがに25年前当時の中級プリメインアンプ内蔵のフォノイコライザーでは、この盤を堪能するには力不足があったということです。
AU-α707DR内蔵のフォノイコライザーも、今時の格安な単品製品よりはよほどマシな出来だとは思うのですが、その程度ではこの作品を味わうことは出来ませんでした。
このLP盤は間違いなくCD以上のポテンシャルは秘めています。しかし、それをきちんと引き出せるかどうかは、再生する環境次第ということでしょう。
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購入金額
3,300円
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購入日
2017年01月24日
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購入場所
楽天市場
フェレンギさん
2017/01/27
jive9821さんの仰ることを、LPって音が良いらしい という気軽な考えで安価なプレーヤーに手を出しちゃう全ての方へお伝えしたいですわ。
ハウリング対策・水平対策・ホコリ対策・場合によってはハムノイズ対策
針圧にトラッキングエラー
多くのノウハウを持たないた、良い音は出ませんよね。
harmankardonさん
2017/01/27
しかも,お金がかかります.
だから,私も環境を復活させる気持ちが出てきていません.
沼は深いですよ.
jive9821さん
2017/01/27
私自身、リアルタイム世代よりは少し下になりますので、見よう見まねで何とか使っているという程度で、本質にはまだまだ迫れていないのだろうと思っています。
勿論初心者の方が気軽に手を出すのは大いに結構だと思うのですが、そこから先には果てしなく広く深い世界が広がっているということは理解しておくべきと思いますね。とりあえず音が出ていることと、レコード盤から音楽を引き出すということの間には、次元の違いがある訳で…。
jive9821さん
2017/01/27
私の場合幸いだったのは、レコードに興味を持った時期が用品もレコード盤も、最も価値を失っていた時期と重なったということでしょうか。
単に聴いてみたい曲を探していて、CDよりも安いからという理由で買い集めたLP盤が数百枚となったという感覚ですし、カートリッジ類も数千円程度で買えるものを色々買っておいた結果、そこそこ種類が集まった訳です。
使いこなしという意味ではまだまだ充分とはいえませんが、儀式の一つとして楽しむという感覚で使っています。それだけに時間がゆっくりと取れる時以外にはレコードに触ることが無いのですが…。
まあ、沼の深さは特に激しい世界ですが、自分の懐状況に合わせて深入りしない程度で楽しむようにしています。
やくりさん
2017/01/28
バイトで苦労して手に入れたプレーヤーとカートリッジは既に手放しているのでもう一度集めるのはハードルが高いかなと思いますがこのアルバムは聴いてみたいですね。
jive9821さん
2017/01/28
私の経験上、CDとLPとで同じタイトルを聴いても、さほど変わらないものもあればどちらかが極端に上回るものとがあります。
意外と意識されている方は少ないのかもしれませんが、同じ録音をパッケージ化してもマスタリングが大幅に違うこともあり、両方聴いておかなければ良し悪しは語れないということです。
ちなみにJ-POP系のレコードでCDよりも音が良かったものには、いまだに出会ったことはありません…。