“DREAD”は、「黒いレッド・ツェッペリン」とも呼ばれた黒人ヘヴィメタル~ハードロックバンドLiving Colourの来日公演に向けた日本独自の企画盤。構成としては1993年に行われた2つのライヴからのセレクトにアンプラグドスタジオライヴ、アルバムレコーディング時に録られた未発表アウトトラックという構成。
Living Colourは(一度中断期間があるけれど)HPではいまでも活動が確認できる長い歴史を持つバンドだが、メンバーチェンジの少ないバンドでもある。ハイパーテクニックギタリストVernon Reidを中心に、ヴォーカルCorey Glover、ドラムスWilliam E. Calhounの3人が結成の1986年以来の不動のメンツ。唯一ベーシストがデビュー時のMuzz Skillingsから1992年にDoug Wimbishに変わった。
自分は音楽性そのものはMuzz在籍時の方が好きなのだけれど、プレイ自体は現メンバーのDougの方が好み、という感じ。
で、このライヴアルバム1993年収録=ベーシスト交代直後。
つまり、ほとんどがMuzz在籍時代のものである曲をDougがプレイするというなんてオレ得な盤。Jeff Beckのライヴでソロパートもらうくらいのテクニシャン=Dougが、初期の最もLiving Colourらしいゴリゴリした曲をプレイするという、願ってもいない状態。
どの曲も初期の彼らの代表的な曲たちで、さらにメンバーチェンジ後のフレッシュなプレイが素晴らしい。
クッソ速い「Time's Up」!超ハイパースピードスラッシュメタル!!もうすでに音楽というよりスポーツ!?間奏のVernonのソロもクッソ速いし、ドラムもベースも超連打!オリジナルよりライヴの方が速く、聴いている方もヘトヘト??ww
印象的なギターのリフがベースに引き継がれ、音源の少なさ(バックはスリーピース)を補う「Middle Man」。みんなオーバーダビングのないライヴならではの饒舌なプレイで、Vernonが弾き倒すのは当然?として、叩きまくり踏みまくるWilliamのドラムスも聴きモノ。あとオリジナルよりながめにされたラスサビ前の高速ユニゾンで見せるDougの安定感が素晴らしい。
「Love Rears Its Ugly Head」はアンプラグド。元曲もハードロックと言うにはかなりファンキィで、「間」があるソリッドなリズムの曲だが、ギターは結構歪んだヘヴィなアレンジ。あれはあれで粘りがあって良いのだが、隙間に所々挟まれるオーケストラルブラスのサンプリング音が激浮きしていてそこだけイマイチだったのだけれど、このアンプラングドは良かったなぁ..ブラシのドラムスと生ギターのカッティングがグルーヴ出していて、Vernonのブチ切れたアコギソロもイイカンジ!
このアルバム、日本限定発売なのがもったいないほどの良盤で、海外からの引きも多いというレア盤。最も彼ららしい曲を最高のメンツで演奏したライヴ盤。選曲的にもプレイ的にもベスト、と言っても過言でない作品です。
【収録曲】
1. Leave It Alone *
2. Time's Up *
3. Go Away *
4. Funny Vibe **
5. Ausländer *
6. Middle Man **
7. Cult of Personality *
8. Nothingness **
9. Postman **
10. This Little Pig **
11. Never Satisfied ***
12. Love Rears Its Ugly Head ***
13. Open Letter (To a Landlord) ***
14. Nothingness ***
15. 17 Days +
16. TV News +
*:Live in Paris June 1993
**:Live in Chicago April 1993
***:Dutch Radio Broadcast February 1993
+:Session in “Stain” recording
「Love Rears Its Ugly Head」
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購入金額
2,300円
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購入日
1993年頃
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購入場所
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