レビューメディア「ジグソー」

雑誌はおまけ。Bonnes Notes DRESSING目的で

昔からよくある、オーディオのオカルトなのか、はたまたトヨタ自動車が理由はわからないが効果があると言って導入を始めたアルミテープチューニングのように、一定の意味を持つ物なのかは不明ですが、最近USBコネクターに装着することで音質改善効果があるというアダプターが各所から発売されています。

 

私が知る限りでは、この類のアダプターとして最初に話題になったのは、Panasonic製のもので、元々はBlu-rayレコーダーDIGAの購入者向けに特典としてプレゼントされた(後に部品販売扱いで市販もされた)品だったと思います。これはBlu-rayレコーダー向けだけに画質改善効果を謳っていたものだったと記憶しています。これがオーディオの音質改善にも効果があるという話が出始めると、一部オーディオショップなどがこれを単品販売したりして話題を集め始め、やがて他社も少しずつ参入し始めたということだったと思います。AudioQuest JITTERBUGなどは今でもごく普通にオーディオ販売店で入手できるものですね。

 

この理論的なのかそうでないのか、よくわからない分野に新たに参入してきたのが、ハイレゾDAPなどでお馴染みのオンキヨーパイオニアイノベーションズです。国内の有名ブランドが参入したということで良くも悪くも話題となり、本格的なオーディオメーカーがトンデモ科学に手を出したなどという批判も見かけます。まして、Impress AV Watchの記事でプロのライターが「試聴してみたが違いが全く判らなかった」などと書いたため、ますます信憑性が疑わしいもの扱いされてしまっています。

 

元々この類の製品はどこに金がかかっているか判らない程度のものでありながら、5~6千円かそれ以上という価格帯で売られていて、何となく試してみるという程度の動機では買いづらい価格設定でした。しかし、Bonnes Notes DRESSINGブランドで製品を投入するに当たってお試しの意味を込めて、ムック本に同梱する形で比較的安価に提供されるという話を聞いて、早速買ってみることにしました。

 

 

 

 

 

 

 

音楽之友社の老舗オーディオ雑誌「Stereo」の別冊という扱いのようです。Stereoでは、かつて「CDの外周を緑色のペンで塗ると音質向上」などという珍説を唱えたこともありますし、この類のお試しに意外と適した媒体かも知れません。

 

 

 

 

 

一見厚みのある雑誌なのですが、その殆どはBonnes Notes DRESSINGを収納した箱のものであり、記事部分はごく僅かしかありません。

 

 

 

 

 

 

 

今回の付録品は、市販のAPS-DR001をベースとした廉価版とのことです。コネクターの金メッキが省略されている辺りなどがコストダウンの跡ということでしょうか。型番はAPS-DR000となるそうです。

更新: 2017/01/27
音質

「良くなる」というよりは「変わる」

一応メーカー側の説明によると、付録品のAPS-DR000は、敢えて効果をわかりやすくするチューニングをしているとのことです。「わかりやすく」というからには、少なくとも何らかの変化が当然見込まれる訳です。某試聴記事の「全く判らない」とどちらが正解なのか、早速試してみましょう。

 

今回はPCに接続されているFOSTEX HP-A8のUSB DAC機能を利用し、ヘッドフォン出力にSENNHEISER HD650を接続して、効果の有無を聴き取ってみました。

 

 

 

 

 

 

 

なお、APS-DR000はPCに空きポートが無かった関係上、PCに接続されているUSBハブの空きポートに挿してみました。HP-A8はマザーボードからヘッダーピン経由でPCのフロントパネルにあるUSB端子に接続されています。

 

 

試聴ソースは、丁度LPから起こしていた「Wallflower / Diana Krall」と「Explosive / David Garrett」の24bit/88.2kHz WAVで、foobar2000+ASIOプラグインを使って再生します。

 

 

はっきり言ってしまえば、効果の有無はUSBのコンディションによっても左右されるはずです。元のジッター量がPCによって当然異なるでしょうから。従って、以下は私の環境における私の感想であるに過ぎないとご理解下さい。

 

 

まず、変化の有無という話ですが、これははっきりとあります。前述の2種類のソースにおいて共通していたのは、「Wallflower」ならDiana Krallのヴォーカルが、「Explosive」ならDavid Garrettとヴァイオリンが、バックの演奏よりも少し前に出てくる印象を受けるということです。バックの演奏とメインとの間のコントラストが明瞭になると言えば良いでしょうか。

 

また、Diana Krallのヴォーカルは少し声が太くなり、より声量を感じられる方向になります。ただ、David Garrettのヴァイオリンは少し音が安っぽくなったような印象を受けてしまい、必ずしも好ましい方向の変化とはいえないものでした。

 

また、バックの演奏でも普通に聴いていると埋もれてしまいがちな細かい音が、把握しやすくなるようです。音が鋭くなる訳では無いのですが、解像感は向上しているようです。

 

 

という訳で、プロのライターが「違いがわからない」と書いたことから疑ってみる人が増えてしまった製品ではありますが、私としては効果は確かにあったと結論づけておきます。但し、それが好ましい方向の効果であるかはわかりません。

 

私自身、今のところはとりあえず挿しておいていますが、色々な楽曲を聴いてしっくりとこなければ外してしまうと思います。

  • 購入金額

    2,700円

  • 購入日

    2017年01月25日

  • 購入場所

    すばる書店

23人がこのレビューをCOOLしました!

コメント (2)

  • harmankardonさん

    2017/01/26

    買いましたか.
    ちょっと悩んでいたら,在庫なしでした.
    話題になったので,実店舗も在庫なしの状態でした.

    あの方は,データ命で,データに現れないものは信用しない気がしています.
  • jive9821さん

    2017/01/26

    >harmankardon さん

    使う前からダメ出ししていても始まらないので、とりあえず一度は使ってみようと思い買ってみました。さすがに田舎町だけあり、私が買った時点でまだ2冊残っていましたので…。

    実はその前にダメ元でローソンHMVのオンラインショップで予約はかけてあったのですが、これが実際に入荷するかはわかりません。探せば他の店にもあるかも知れませんので、一応本屋の近くを通りかかったら調べておきます。

    あのライターの方は、何というか以前のレコードの件でも感じたのですが、耳が決して良くないのでデータを見るしか出来ないのではないかと…。

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