レビューメディア「ジグソー」

【デカップリングを全てMUSE KZへ交換】最初からKZにしておけば良かったね。

LXA-OT1 から早2年。今年もやってきました stereo誌の年に2回のオマケ。

 

あのシリーズの中ではそれなりのクオリティをもつ LXA-OT1の後継ということで、LXA-OT3が登場しました。

 

・信号系 電解コンデンサは ニチコンFWに変更
・電源系 電解コンデンサも ニチコン製のものに変更
・端子が金フラッシュメッキ
・出力が5W+5Wから 12W+12Wに

 

 

エージング中とはいうものの LXA-OT1よりも明らかに情報量が増えていますし、出力に余裕ができたのはメリットでしょう。

信号系の電解コンデンサがFWになってしまったので、改造しなくてもそこそこの性能なのですが、オペアンプはLT1364に交換済み、ボリュームとインダクタまわりは交換予定です。

 

CR-Xさんに指摘いただいたようにFineGoldではなく一つ下のFWでした。スリーブの色は同じですが、FineGoldの文字がありません。

交換する楽しみができました

2013/12/22 追記

回路定数が回路図と実物で異なっている箇所があります。

オペアンプの入力カップリングコンデンサC4,C11が6.8μFのはずが実物では10μFです。

 

量産設計で使用数が多い10μFに変更していると思いますが、回路図は変更しておいてほしいですね。

 

オペアンプ を LME49720 に変えてみる

LXU-OT2では発振してしまいましたが、LXA-OT3では発振しないし問題ないようです。

今の環境だと LT1364 と大して変わらないです。

2014/2/16 改造パターンB オペアンプを LT1364へ、電解コンデンサ交換

信号系

・オペアンプとD級アンプIC入力間のカップリングコンデンサ(C9,C45)は FW 10μから MUSE BP 1μF に変更 (設計定数は1μF)

・C9,C10,C4,C11,C43,C48は FWからFG 10μFへ変更

電源系

・デカップリング C21はFW 470μFからFG 470μFに変更 

・オペアンプの電源デカップリング C14 は FW 47μFからMUSE FG 47μFに変更

・1/2VCC(7.5V)に入っている C32は FW 22μFから MUSE KZ 33μFに変更

 

C32は ELNA SILMIC2 22μの手持ちがあったのですが、ちょっと思い直してMUSE KZに。

 

エージング後10Hぐらいですが、クリア感が違ってますね。

比較のために オペアンプを

オリジナル4558D、LME49720、OPA2604、LT1364と比べましたが、無改造にくらべてどのアンプでもボーカルのくもりがとれてます。

MUSE FGかKZに変えることをお勧めしたいですね。

 

オペアンプを取り越えて評価すると LME49720>LT1364>OPA2604>4558Dの順でした。

OT1の改造時と同じ傾向です。

 

情報量が多いというか、大きな音に隠れてしまってる細かい音がしっかり鳴っていること、

クリアさでいうと、LME49720とLT1364は同じ程度ですが、LT1364はこころもち低音不足傾向で、フルレンジスピーカーのバスレフを使ってる環境では LME49720に軍配をあげる次第です。

 

 

次回の改造はボリュームをLINKMANのものに変えること、インダクタの交換、電源系の強化になる予定です。

2014/2/16 改造パターンB ボリュームをLINKMANの RD925S-QA1-A203に交換

ボリューム交換しました。

LINKMAN RD925S-QA1 は LXA-OT1の改造でも使用したもので、このサイズのボリュームとしてはアルプスのものより音質への影響は少な目で使いやすいボリュームです。

http://www.marutsu.co.jp/shohin_94397/

つまみは、LINKMANの 6.1Φ用 アルミつまみですが、LXA-OT1のときより小さいものにしています。

LINKMAN 15x15RBPS-7

http://www.marutsu.co.jp/shohin_69521/

 

あと オペアンプを 撮影後にわずかに発振していたので LME49720から LT1364に戻しました。LXA-OT2のときにも同じ現象がありましたが、回路定数を補正しない使えないですね。

2014/2/20 LPFのフィルムコンデンサに並列で メタライズドフィルム 0.1μ追加

このD級アンプは、Full Bridge回路で、LPFのカットオフ周波数は最高入力周波数より高くする必要がありますので、サンプリング周波数48KHzのソースでは、24KHz以上であればOKということになります。

データシートには27KHzとして、負荷インピーダンスごとに定数が示されています。

LCによるLPF回路を書き換えるとこんな感じです。

インダクタL1,L2は
L1=L2=SQRT(2)/2*(RL/(2πfc)

コンデンサC1,C2は
C1=C2=SQRT(2)*(1/2ΠfcRL)

C1とC2の間は信号ループに関係のないグラウンドを除去すれば1個のコンデンサを直列合成したものと見なせ、容量は C=1/2C1とできます。

データシートをみていくと

8Ω負荷では
L1/L2/L3/L4は 33μH, C58/C69 は 0.47μF, C63/C64/C68/C67 は 0.1μF

4Ω負荷では
L1/L2/L3/L4は 15μH, C58/C69 は 1μF, C63/C64/C68/C67 は 0.22μF

となっています。

計算式をつかって、カットオフ周波数 27KHzで計算すると、
8Ω L1=33μH, C=0.52μF
4Ω L1=16μH, C=1.04μF
となりもっとも近い製品の値に寄せればデータシートと一致しますね。

ところが、LXA-OT3のL1/L2/L3/L4の設計値は 22μH, C58/C69の設計値は 0.68μで6Ωの値みたいですが、実際にはさらに違ってて C58/C69 0.47μF

C63/C64の分を合成してカットオフ周波数は おおよそ31KHz… 高すぎない?

手持ちの Linkman メタライズドフィルムコンデンサー 100V 0.1μF を並列接続して 0.57μにしました。

これで カットオフは 26.5KHzとなりました。

もともと誤差が大きいし、発熱で定数が変化してしまう素子ですが、1次フィルタで緩やかに遮断するので、少々下がっても問題ですし、ツイータを駆動するわけでもないんでOK。

 

使用しているScanSpeakの10cmユニットでは煩くはないかなと思います。

 

2014/02/28 LPF部品変更+カップリング変更

D級アンプの矩形波に対してローパスフィルタを入れてEMIを抑えるわけですが、常用域でもインダクタがかなり熱いです。おそらく60度は超えていそうです。

 

音量に応じて温度上昇が見られますので、今後のスピーカー変更に備えてインダクタを交換することにしました。

 

使用するインダクタは空芯にくらべて透磁率が上がるフェライトコアを使用しているのですが、普段は空芯に比べれて磁束密度が高いものの、仕様で定められている直流重畳電流を超えた場合最大磁束密度を超えてしまうと磁気飽和といって、インダクタンス成分が空芯のインダクタと同じになり、インピーダンスは落ちて通過電流が増加、ローパスフィルタとしての役割はほぼ失われます。

 

この最大磁束密度はコア材質によってきまっていますが、ほとんどのコア材質には温度特性で負の相関がありますが、今回使用されているコアでもある程度問題ないとは思いますが、磁気シールドされていないのも気になるので交換します。

 

使用するのは、東光 11RHBP 22μH A7503AY-220M です。

このインダクタは、D級アンプ用インダクタで磁気シールドされてて、低漏れ磁束構造、低歪率が売りです。

 

公開されてたデータシートでは
http://www.toko.co.jp/products/pdf/inductors/11rhbp_amp.pdf

直流抵抗(max) 97mΩ

最大許容電流 2.70A

※直流重畳電流を流すとインダクタンスが低下しますが、10%低下する直流電流値

 

ただし、今回使用する 11RHBPを販売している NFJでは

直流抵抗 45mΩ

最大許容電流 2.21A

としていますので、何か違うのかもしれません。

 

さて、表面実装のインダクタの除去ですが ホーザンのホットピンセットがあればピンポイントで外せますが3万以上するんで、コテライザー1本でハンダをもってから外していきます。

そうなると周囲の電解コンデンサ、フィルムコンデンサへの影響は避けられないので同時に交換します。

 

取り除くとすっきりしますね。

このインダクタはラジアルリードなのであらかじめ曲げ、パターンにハンダを盛っておいてコテをあてて取り付けます。

 

 

 

ローパスフィルタ用のC69,C58を Linkman PILKOR 積層メタライズドフィルムコンデンサ 63V 0.47μFに交換

マルツで以前購入していた Pilkor Electronics (旧 PHILIPS Electronics Korea, http://www.pilkor.co.kr/sub_e/main_e.asp ) のものです。

 

C70,C78デカップリングを 日ケミ KZH 1000μFに変更 (仮設)

デジタル回路は電源需要が急激に変化することが多く、よくICのVcc,Vdd/GND間に最短距離にパスコン(バイパスコンデンサ)という高周波帯でもインピーダンスの低い 0.1μF程度の小容量コンデンサを挿入して一時的電力需要に伴う電圧低下を防ぎ、EMIの発生を防ぎ動作の安定化を図ります。

 

パスコンのことをデカップリングと呼ぶのは、回路の前後で悪影響させないために結合を切る目的で挿入する目的からくる名前です。

 

D級アンプの場合は電圧低下が起きた場合出力波形の立ち上がりが遅くなり、歪が生じます。

回路的にはマザーボードのVRMと同じ PWM+MOS FETによるスイッチなので、

使用するコンデンサは動作周波数が数十KHzから数MHz以下なので、その周波数帯で十分低いインピーダンスタイプの大容量アルミ電解コンデンサになります。

 

 

イメージを説明するために使われるものとして、コンデンサを水のダムとみたてる方法です。

ダムがないと、

 下流域で水需要が急増した場合、上流からの流量以上には流せず、水位は下がります。

ダムがあると、

 蓄えていた水を放出することで、下流域の需要に応えながら水位を維持できます。

 

ここでダムからの放水路の太さが小さいと急増したときに間に合わないのですが、これが高インピーダンスのコンデンサを使った場合のイメージで、十分太いのが低インピーダンスのコンデンサを使った場合と思ってください。

 

 

さて消費電流が小さい ロジックICなら 0.1μFぐらいで十分なんですが、今回のD級アンプでは 1000μF以上の低インピーダンスのアルミ電解コンデンサが必要になります。

 

アナログ回路でのデカップリングなら、オーディオ用のニチコン FineGold/MUSEなりを使えばいいと思いますが、変化が激しいデジタル回路にはインピーダンスが高めで不十分な気がしますので、プラグに近い側から C21は FineGold 470μF, C70 ,C78 は電圧降下を防ぐために超低ESR品ということで、日ケミ KZH にしてみました。

 

KZH は超低ESRのパソコン用(特に電源)で本来オーディオ向きではないのですが、思った以上に素直な音がしてます。

 

 

 

LPF・デカップリング交換の結果

ScanSpeak 10cm フルレンジ バスレフユニットで使う分には、鳴っている音が C21のみ交換した標準モデルに比べれば 応答速度、歪が改善しているのか、くもりのない透明感と、同時になっている音が聞き取りやすく、男女ボーカルの艶が増しました。

 

 

ここまでの改良で影響が大きいのは、カップリング・デカップリングの交換とオペアンプ交換でしょう。LPFはそこまで支配的ではないと思いますので、ニアフィールドのフルレンジならLPFはそのままでオペアンプ周りと電源をクリーンする改良が効果ありだと思います。

 

出力を上げるのなら、LPFは交換したほうがよいでしょう。

 

今後2way,3wayのユニットを駆動すると、再生周波数帯域が広がってくるので、今後は違う対策が必要になるかもしれません。

 

次は

・電源改善ということで、Little Susie for LXA の導入

・C21 を MUSE KZ にするか、C21,C70,C78をOSコン系に交換する

・ケーシング

あたりの予定です。

 

ゲイン変更

ちょっと思うところがあって、たかじんさんと同じ オペアンプのゲインを20dBに下げました。

R17とR20の0Ωジャンパを外して、SW1,SW3をショートするだけです。

 

もちろん6dB落ちますから、ボリュームは大きくしなければいけませんし、最大ボリュームでの音量は落ちますが、そもそも最大ボリュームで使うことなんてないので平気です。

 

http://nw-electric.way-nifty.com/blog/2013/12/stereo-20141-lx.html

にあるように最初は暗めに感じますが、慣れますし、小音量で聴くときはこっちのほうが聴き易いかもしれないです。

 

ちょっと考える

7.5V=1/2 V+ のバイアス電圧を抵抗分圧 (10kΩ+10kΩ)で生成している以上、チャンネルセパレーションが悪くなるのはわかります。

このバイアス電圧を掛けるゆえVRに直流を流さないように C4,C11が必須。

同じく入力からVRに直流を流さないように C9,C10 が入っているわけですが、

カップリングが多すぎてコンデンサの音を聴いている感じがするのは同意です。

 

これを改善するのには、

・たかじんさんの解決策:前段がDC出力していないことを想定してC9,C10を外し、その後オペアンプをスルーする

・LXA-OT3 2個でバイアンプにする

という選択肢があります。

改造しないなら、バイアンプでいいかも。

 

あと、私の場合はギャングエラーが出ていないVRに変えていますが、多少でも音質に影響するVRを取り除くのもありです。

入力からVRの3ピンへショートカットすれば カップリングは減ります。

 

まだまだ遊ぶ余地はありそうです。

 

2014/3/9 デカップリングを MUSE KZ 50V/1000μ, 50V/470μに交換

C21,C70,C78をすべて MUSE KZに変更しました。

低ESRにするために 50V耐圧品を使用しましたが、

径18mm x 高さ 40mm と KZの中でも最大サイズのため、リードフォーミングしてずらしました。

径も高さも想定されているケースに収まりませんね。

25Vなら 16x35.5mmなので何とかなるかな…

 

サイズのことを考えれば、SANYO OSコン系をお勧め

 

C21も16x25mmのためC14とぶつかるので位置を変えています。

C14 47μも交換したいのですが、もう表側ではKZは無理です。

 

横から撮ったところですが、もうインダクタとスキマが1枚の紙の厚さほどしかありません。

効果ですが… エージング中とはいえ、KZらしいボーカルの艶がでてきました。

 

本当はカップリングもKZにしたいのですが、10μは100V品で8x11.5mmで、

今のFGやESは 5x11mmですから、こんな狭い基板にはこれ以上無理です。

やるならボリュームをスキップしてカップリングを減らしてからです。

 

せっかくなら、チェンジニアリングのために、

・D級アンプのデカップリングに余裕をもたせるため基板の短辺を広くとる

・インダクタを交換できるように設計しておいてほしいですね。

そびえたつ KZツインタワー…

いちおうつまみを1サイズあげて、シルバーからシャンパンゴールド風のものに変えました。径はこれぐらいが使いやすいです。

これ以降の改造は、基板についてはセパレーション改善のために、ボリュームとオペアンプのスキップ、カップリングの交換ぐらいでいいかと思ってます。

あとは、電源の改善、端子交換、ケーシングぐらいです。

こっちの基盤は終わりが見えた感じです。

 

 

  • 購入金額

    3,700円

  • 購入日

    2013年12月19日

  • 購入場所

コメント (6)

  • CR-Xさん

    2013/12/21

    金色コンデンサは、オーディオ高級グレードのFineGoldじゃなく
    残念ながらその下位のFWですぅ。>FGは価格的に無理だと思う。
    同色でよく見ないと区別できないですよねw

    うちのもすでに挙がってるレポ通り、コンデンサ盛大に傾いてましたwww
  • はにゃさん

    2013/12/21

    CR-Xさん
    FGじゃなくFWですね!
    修正しておきます
  • CR-Xさん

    2014/01/23

    2chでは高域歪み感がある>FWが悪いとか言われてますね。
    はにゃさんはFGにして凄く良くなったんじゃないですか?
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