ここ最近、ある程度以上のグレードのイヤフォンを数個買い、その殆どがCIEM 2Pinケーブルに対応する製品でしたので、ケーブルの方も手持ちのものだけでは少々不足を感じるようになってきました。本数はともかく、イヤフォンの格に見合う実力を持ったケーブルが不足気味ということです。
そこで、現在ケーブルとイヤフォンの組み合わせも再検討しているところなのですが、丁度eイヤホンの中古セールが開催されていましたので、そこで見つけたケーブルを買い足してみることにしました。
今回購入したのは、ORB製Clear force Custom IEM 2pin Balancedという製品です。実はこのシリーズのMMCX版は新品処分品を購入して使っていまして、ある程度ケーブルの特徴は理解できていましたので、ある意味安心感を持って購入しています。
付属品欠品のケーブル本体のみの状態で届きました。イヤフォン用のケーブルに付属品なんてあるの?という疑問を持たれるかも知れませんが、実はClear forceシリーズのケーブルには耳掛け用のイヤーハンガーが添付されていますので、付属品の有無は実用性に僅かながら影響を及ぼしてしまうのです。
折角ですので、MMCX版の箱の上に置いて箱から出してきたという体で写真を用意しておきました。
中高域寄りだが刺激は少なく爽やかさを感じる
それでは試聴してみましょう。
ORB製のケーブルは、実は導体などの細かい情報が開示されていません。Clear forceシリーズでは「純国産高純度銅」を使っているとだけ公表されていて、OFCであるかどうかすらはっきりしないのです。国産である程度以上のグレードの導体であれば、ほぼ間違いなく4N(純度99.99%以上)は確保されていますが…。少なくともPC-Triple CやPCUHD、Hi-FC等の特殊導体ではなく、ごく普通の4N OFCではないかと思います。
特殊導体や高純度導体を使ったからといって、それだけで音が良くなるわけではありませんので、導体が一定水準以上であれば、あとはケーブルとしての設計が出来を左右しますので、この部分はこれ以上掘り下げないでおきます。
音質の評価は、先日掲載したEMPIRE EARS CERBERUS-III /w ADEL(B1)との組み合わせで行います。
ORB製のイヤフォンケーブルは、製品グレードの関わらず総じて中高域付近にエネルギーバランスが寄っている感があるのですが、このClear force無印でも本質的には同様です。
高域方向が強めという点では、Luminox Audio 85-Filterも同様なのですが、Clear forceはより透明度が高く、耳障りな刺激分もありません。量は多くても質が良いので、解像度が高く高域が多めであっても、そのことに不快感は感じずに済むでしょう。
音場は広さも十分に出ていて、見通しの良さが特徴的です。今回組み合わせているCERBERUS-III /w ADEL(B1)がやや見通しの悪い音場を構築してしまうタイプなのですが、Clear forceとの組み合わせではその弱点が随分改善されます。
強いていえば、例えばNoble Audio製のイヤフォンのように低域~中低域の音の濃さを特徴とするイヤフォンと組み合わせてしまうと、その特徴がやや削がれてしまう感があります。使っているイヤフォンが何かスッキリしない音だなと感じた時に、このClear forceなどのORB製ケーブルと組み合わせてみると、意外と良い方向に改善してくれるかも知れません。
今回は一般的な中古相場と比べても大幅に安く入手できていますので、このクオリティが得られれば全く文句はありません。新品当時の価格では、私が愛用している製品の一つであるWAGNUS. Ginger Lilyと近い価格帯になるのですが、持ち味が面白いほどに違いますので、両方持っていればその違いを楽しむのも良いでしょう。
無印Clear forceは既に生産を完了していますが、現行のClear force Nova 2nd generationやGlorious force系も根本的な傾向はClear forceとさほど変わっていませんので、同じように使うことができるでしょう。
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購入金額
3,000円
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購入日
2020年12月18日
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購入場所
eイヤホン
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