レビューメディア「ジグソー」

少し気難しいが音質については実力派

先日audio-technica AT6V47/3.0のレビューで書いた通り、今までLUXMAN DA-100との組み合わせで便利に使っていたemagic a6|2mのデジタル入出力が、FOSTEX HP-A8との組み合わせで不都合を生じるようになってしまいました。

 

 

 

 

 

 

使い勝手の低下だけであればまだ何とかなったのですが、ノイズまみれで使い物にならない状態というのはさすがに困ります。関係している同軸デジタルケーブル全てを交換してみるということも考えたのですが、丁度眺めていた通販で面白そうなものを売っていたので、とりあえず代わりにこれを使ってみようと思い購入してみました。それがTC Electronic製のFireWireオーディオインターフェース、Konnekt 8です。

 

 

 

 

 

付属品はACアダプター(ケーブル付き)のみでした。まあ、TC Electronicはドライバーサポート等のダウンロードサービスは充実しているようですし、FireWireケーブルは汎用品で構いませんので付属品無しでも特に問題はないでしょう。

 

 

 

 

 

 

 

今回はa6|2mの代わりとして使いますので、オーディオ入出力は同軸のS/P DIFのみ接続します。MIDIインターフェース機能もありますが、これも今回は全く用事はありません。

 

FireWireのバスパワーでも動作するということですが、動作でも音質面でも、電源は安定していた方が有利でしょうから、ACアダプターも利用します。

更新: 2016/12/01
音質

いわゆるサウンドカードとは別物

Konnekt 8自体は結構古いモデルで、発表からは約10年経過していますし、当時でも実売価格4万円台と、オーディオインターフェースとしては比較的安価な部類の製品でした。

 

しかし上位モデルKonnekt 24DとはDSP搭載の有無など主に機能面の違いであり、音質に関してはほぼ同等といわれていました。

 

搭載パーツの詳細はあまり明らかにはなっていないのですが、D/Aコンバーター、A/DコンバーターはAKM製のTC Electronicカスタマイズ品らしいとのことです。

 

 

元々使っていたa6|2mとは接続方式こそFireWireとUSBという違いはあり、発売時期にも多少差はあるものの、価格帯は比較的近いものです。そこでa6|2mと音質を比較してみると、リスニング志向のa6|2mに対してモニター志向のKonnekt 8という傾向の違いが見えてきます。a6|2mの独特な空間表現は今なお魅力的ではあるのですが、低域から高域まできちんと解像感高く描写してくれるのはKonnekt 8の方でしょう。

 

録音に使うと私が普段使っているCardDeluxeやLayla 24/96よりは若干解像度は甘くなりますが、新品当時5万円以下という製品で出せる音としては充分素晴らしいものです。

 

 

 

 

 

 

ちなみに、今でもLPの音源をデジタル化するときにはこの両者のいずれかを必ず使っています。どちらも24bit/96KHz止まりの製品ではありますが、並のPC用サウンドカードとは別次元と思える程度の音質は保っていますので…。

更新: 2016/12/01
総評

ソフトウェアの使いこなしには慣れが必要

音質で判断すれば素晴らしいお買い得度を誇るKonnekt 8ですが、弱点となるのはPC向けのソフトウェアの完成度でしょう。

 

個人的に特に難があると思うのはクロックの検出で、S/P DIFでどのようなソースを入れようと、クロックをInternal / Externalのどちらに設定していても、コントロールツールである「TC NEAR」の設定値が優先されてしまうようなのです。

 

実は最初ハイレゾソースを聴いていて、妙にピアノの音が濁るなと感じていたのですが、強制的に44.1KHzにダウンサンプリングされていたようなのです。仕方なく手動で96KHzを設定値としておいたところ、きちんとした音が出てくるようになりました。

 

また入出力端子の使い方などについても、基本的には全て「TC NEAR」で設定しておく必要があるのですが、このソフトの動作が案外不安定なのです。突然Konnekt 8を見失って「No device found」となってしまい、一度Konnekt 8本体の電源を切って再起動しないとそれ以降認識しないなどという、意味不明な症状も何回か出ています。特に私の場合音声信号の入出力はS/P DIF以外使わない形なのですが、そのようにセッティングするためには必ず「TC NEAR」による手動設定が要求されますので、この不安定なソフトを避けて通れないのです。

 

 

もっとも、そのような難関さえ乗り越えてしまえば、価格を超えた音質と、優れたオーディオインターフェースとしての機能が手に入りますので、間違いなくお買い得ではあるでしょう。使い手を選ぶ製品ではありますが、安くて高音質という製品が欲しければ候補として良い製品といえます。

  • 購入金額

    3,066円

  • 購入日

    2016年12月01日

  • 購入場所

    ソフマップ

22人がこのレビューをCOOLしました!

コメント (2)

  • kensanさん

    2016/12/01

    音質までこだわりを持たれるというのは、凄いですね。
    PCはONボードばかりで、特にSpeaker等にもこだわっていないです。

    まあ余裕がないのでしょうね。
  • jive9821さん

    2016/12/01

    >kensan さん

    本格的にオーディオにはまれるほどの財力がありませんので、比較的安価に入手出来てしかも意外と音質的に掘り出し物も見つかるという、オーディオインターフェースにこだわるようになりました。

    ここ数年はレコード音源のデジタル化などで、結構オーディオインターフェースが活躍する機会も多いですし、ヘッドフォンを中心としているオーディオシステムはPCが中核となりますから、私のオーディオ環境ではむしろ主役となるのがオーディオインターフェースという感覚です。

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