ハイエンド向けの小型PCケース”Evolv ITX”で一時期話題となった、新興メーカーPhanteksのフラッグシップとなるATXケースです。
厚さ3ミリに及ぶアルミ外装と、スチールフレームを上手く組み合わせた軽量かつ高い剛性のケースで、最近流行りの5インチベイ全廃型。
かなり密閉性の高いデザインですが、12センチファンだけなら7基、14センチファンでも5基を吸排気用として装着出来るという、かなりの高エアフロー設計となっています。
配置としては、背面に14または12センチファン1基、上面と前面に12センチファン3基か、14センチファンが2基ですが、一応下面にも12センチファンが設置可能です。
全てのファンマウントがスライド穴となっているので、設置位置の自由度も高め。
ただし、前面のファンマウントをスライドで使う場合、ネジ止めが内側からとなるので、最下部のネジ止めは3.5インチベイを外して行う必要があるなど、少々面倒な構造になっています。
固定位置なら、フロント側から専用ネジで固定出来るので、組み易さを優先する場合はこちらのほうがラクです。
左側は窓付きです。
材質は恐らくプラスチックですが、透明度はかなり高め。
ドライブマウントは2.5x2、3.5x2のみですが、この複数並んだ部分に3.5x2のボード式マウンタか、オプションの3.5HDDマウンタを装着できます。
・・・・まあ、そのオプションマウンタ売ってるの見たこと無いですが。
左右サイドパネルは、ジュラコン・キャッチによるワンタッチのヒンジ開閉式で、開け閉めが非常にラクです。
ジュラコンキャッチの数をケチっていない上、接触部全体に硬質スポンジがぴっちりと張り付けてあるお陰で、閉じたときの密閉性が非常に高くなっています。
ジュラコンキャッチ式最大の問題点は「凸側がヘタって折れる」ことと、「ズレた状態で突っ込むと正しく嵌らない」ですが、本製品の場合はその心配がありません。
凸部分は金属製で、先端はボール型なので「ちょっとナナメでもスムーズ」に嵌ります。
また、この構造はフロントパネルの付け外しにも使われており、こちらもワンタッチで外せます。
無論、こちらも金属製の凸が採用されています。
フロントにあるのは、USB3.0ポートx2とオーディオジャック、リセットポタンです。
ここのカバー開閉も、かなり頑丈な構造となっており、持ち上げるときに手をかけても壊れません。
フロントは全体がフィルタとなっており、ホコリの侵入を防ぐようになっています。
こちらも、ちょいと固めですが引っ張るだけで外れる構造です。
右下にある黒いボタンみたいなものはフロントの電源LEDで、フロントパネル側にLED光を誘導する部品がついており、長細く光ります。
付属品類。左がHDD用のボード式マウンタとネジ、右が14㎝ファンです。
本来の付属品は、これに足して水冷用ポンプマウンタと14㎝ファンがもう一個付属するのですが、今回はほぼ未使用・付属品欠品の品をオークション入手したので、付属品が一部足りていません。
電源スイッチは上面部にポツンと付いてますが、ボタンは金属製で高級感があります。
ただ、位置が割と中に入っているので、足元置き利用の場合は押しづらいかもしれません。
かなり組み易い。
まあ、構造的には「マザボードの1.5倍くらいの設置面積がある箱」でしかないので、邪魔するものが何もないだけに、非常に組みやすいです。
また、背面側のスペースがかなり広く取られている上、背面側にケーブルを通すホールの数が多いので、殆どのケーブルは前に回す必要がありません。
特に、ケース右の2.5ドライブマウンタの下にある、マザーボードの直下にあたる位置の三つの切り欠き部分は、フロント・オーディオやファン、スイッチ配線などを通すのに非常に便利で、他メーカーでもぜひ真似してほしいところ。
今回、メインPCの移行ということで、Riing-12-RGB 3Packを追加発注し、上面部分に三基ファンが並ぶ構成を採用してみました。
この上面ファンマウンタは、右サイド側のネジ三つと、左サイド側のネジ二つを外すことでマウンタがスライドしてごっそり抜けるようになっており、ファン固定にケース内へ手を突っ込んでの格闘が不要です。
この構造のお陰で、マザーボード固定→CPUクーラー固定→ファン装着済の上面マウンタを挿入という流れで、「手が入りにくい」が故のイライラを一切感じることなく作業出来ました。
この「組み立てるときにイライラしない」ってのは、非常にポイント高いです。
また、このように「閉じた状態」でも今回ははっきりと中身が見えるので、RGBの色の変化やファンの回転状況もきちんと解ります。
窓の透明度も高いので、非常に中の様子が鮮明に見えていい感じです。
なお、本来は本格水冷での運用を想定されたケースなので、前面・上面の双方に大型ラジエターの装着が可能なほか、水冷用ポンプマウント、リザーブタンクマウント用のスリット穴が各所に設けられており、かなり強烈な構成も制作可能となっています。
こちらの背面にも、リザーブタンク用の固定スリットがあります。
水冷でも空冷でも、映える。
昨今流行りの「みせる」系のケースではないものの、空冷・水冷の双方で「組みやすく、見せやすい」構造となっているほか、各所の開閉がワンタッチかつスムーズなので、メンテナンス性も良好。
お手軽にホイホイ開けて、サクサク閉じられるこのジュラコンキャッチ採用パネルは、一度使うと癖になる良さがあります。
また、高エアフロー構造を作成可能にも関わらず、サイドパネルの密閉性が極めて高い上、上面が広くエア・バッファーとなっている構造から、非常に静音性能が高いです。
同じファンを使っているとは思えないくらい、ファンの音が完全に消えたのには驚きました。
正直、本来の値段は26000前後とかなり高い訳ですが、この出来なら高いのも納得。
ついでに、私は半値以下で入手したので、正直言って「部品足りなくても、十分いい買い物だった」と思ってます。
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購入金額
11,000円
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購入日
2016年11月11日
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購入場所
ヤフオク
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