RPGマガジンだったと記憶しておりますが、リプレイを読んで欲しくなった作品。
それが、ルーンクエストです。
当時の財布事情では、ボックスセットやサプリメントの数から言って、とても追いかける事が出来ない。
と、思っていた時に発売されたのが、このルーンクエスト90’sです。
ルーンクエスト本編については、リプレイでのみの知識となりますので、比較出来はしないのですけれども。
90’sは、ドラゴン・パスという土地を舞台にしておりまして、本編の舞台であるグローランサ世界の一地域をクローズアップした形となっています。
ワクワクしながら購入したのですが、残念ながら、私の期待値とは離れている感じでした。
情報やルールの推敲は十分、しかし、初心者には不十分
舞台となる土地、様々な勢力の説明。
ステータス、呪文などの提示。
サンプルキャラクター。
モンスター、NPCにもなる種族の解説。
行為判定の手順、装備などのリスト。
と、並べていくと、過不足ないような印象を覚えます。
しかし、世界の設定や歴史についての解説はかなり省略されています。
おおよそ百文字くらいで、神話の時代、神々が持つ力ルーン、混沌と呼ばれるものたちとの戦い。
と三つ要素があらすじのように並べられています。
また、冒頭にもイラストとショートストーリーがありますが、一ページで4行程の文字が入った巻頭挿絵レベルのものが一つ、二ページ分の見開きであらすじレベルのもの、が二つ。
サンプルキャラクターの所で、唐突に出てくる信仰のお話。
神の名前と一言紹介があったりするのですが、
「オーランスは、比較的遅くに台頭してきた若き神である、彼は太陽神イェルムと争い、イェルムを打倒して世界の支配者となったが、太陽を失って世界は闇に包まれた。
闇に包まれた世界には混沌が溢れだし、闇を司る神と共に侵略されたために、オーランスは自らの行いを反省して地獄からイェルムを呼び戻す旅に出た。
その6柱の神をライトブリンガーズと呼んだ」
というような紹介文でして。
そもそも、太陽神イェルムさんはともかく、他の神様はどうだったのか、という事も分からないままで良く分からないですね。
似たような神話は、現実世界にもありますし、類似で想像するっていう事も出来なくはないですが。
一言で言うと、情報を抜粋し過ぎてしまっています。
これは、作者グループの指揮を執る桂令夫さんがルーンクエストに対して、とても造詣が深く、グローランサ世界の歴史書である「グローランサ年代記」の翻訳も担当している程の知識がある事が原因ではないかと考えられます。
世界観や、神々の性格など、きっと桂さんは呼吸をするように思い出してしまうのでしょう。
全体的に感じるのは、良く知っている者同士の中で成立する会話のノリかな。
この作品のサプリメントが追加で発売された時に、その後書きに自分で、「90’sでは説明不足でした」と語っているのが、愛嬌でしょうか。
なにせ、そちらのサプリメントブックで、基本となる神々の名前や性格、簡単ながらも神話がきちんと語られる位ですからw
-
購入金額
1,888円
-
購入日
不明
-
購入場所
ZIGSOWにログインするとコメントやこのアイテムを持っているユーザー全員に質問できます。