レビューメディア「ジグソー」

アンプモジュールでカスタマイズ出来るDAP

今年は12月15日・16日開催となった、ポータブルオーディオの祭典「ポタフェス 2018 秋葉原 冬」。体調は悪かったのですが、いくつか聴いてみたいものや買いたい物があったので今年も初日に足を運びました。

 

ただ、今回はこれまでとは異なりeイヤホンによる物販会場は目指さず、特価品はFiiO、Noble Audio等のブランドを取り扱うエミライのブースでの争奪戦に参加することにしました。というのも、前回ここのジャンクセールの残骸として購入したOPPO Digital HA-2がきちんと動いていて満足度もそこそこ高かったためです。

 

 

 

 

というわけで、開場と同時にエミライのブースに駆けつけたのですが、入場順がさほど早くなかったこともあり、既にジャンクコーナーは人だかりが出来ていました。その中で辛うじて手を伸ばして確保できたものが、このFiiO製DAP、X7でした。

 

ここのジャンク品は基本的には店頭貸出機やメーカーデモ機を引き上げてきてそのまま販売するもので、直前までは使われていたものですので故障している確率はあまり高くありません。FiiO X7についてはアンプモジュール無し、AM1付き、AM2付きの3パターンあったのですが、念のためアンプモジュール無しとAM1付きを1台ずつ確保してきました。

 

 

 

 

 

 

こんな感じで無造作に箱の中に転がっているという販売方法でした。実は以前使った経験からFiiO X7に対する印象はさほど良くなかったのですが、狙っていたOPPO Digital製ヘッドフォン PM-3を掴むことが出来ず、その腹いせで買ってしまった部分もあります。

 

 

 

 

 

 

私が買ったAM1付きの方の個体は、クリアケースに入ったままの状態で売られていました。画面保護フィルムも貼られたままでしたので、そのまま持ち歩いても不都合が無い状態です。

 

 

 

 

 

 

この裏面の「SAMPLE」シールが貼られていた部分は少し跡が残ってしまいました。そこで外観上状態が良好だった、モジュール無しで買った方にアンプモジュールAM1を移した上で常用環境を作ることにしました。

 

なお、このプレイヤーはFiiOブランドのフラッグシップ機として投入されたのですが、アンプモジュール交換式であったことの弊害というべきか、出荷状態のAM1では3.5mmステレオ端子だけの対応となり、2.5mm4極または4.4mm5極のバランス端子を用意するためには、AM3AまたはAM3Bというアンプモジュールを別途購入する必要があります。下位モデルでバランス端子がごく普通に用意されていたことを考えると、なんとも半端な仕様のように思えるのですが…。

 

更新: 2018/12/16
総評

製品自体に魅力はあるが、音質面がやや弱い

私が普段使うイヤフォンの多くは普段2.5mm4極バランスに対応するケーブルを組み合わせていますので、普段から3.5mmステレオ端子向けのケーブルを組み合わせている唯一の主力クラスである、64AUDIO U3(ケーブルはAZLA Silver Galaxy Mix+)で音質を確認してみることにします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

試聴ソースは普段Astell&Kern KANN等で聴いているものと全く同じファイルをmicroSDXCメモリーカードにコピーして用意しました。

 

まず、周波数特性上のバランスはまずまず良好です。変なローブースト感やドンシャリ感などは無く、どの帯域にも強調感を感じさせないところは長所といえるでしょう。ただ、ローエンド・ハイエンド共に可聴帯域の外まで綺麗に伸びていると感じるようなワイドレンジ感は無く、可聴帯域の中でそこそこ密度を濃くしているという印象を受けます。

 

今聴いているのは「It's Probably Me / Sting」ですが、イントロのアコースティックギターのピッキングが不明瞭で、音場も小さくまとまってしまう辺りははっきりと不満が出ます。ヴォーカルは比較的存在感が強く出ますが、バックの演奏の迫力や実在感に欠けるので、スティングがカラオケでこの曲を歌っているような、妙な印象となります。

 

「L-O-V-E / Diana Krall」では、ヴォーカルの子音がきちんと表現されず、厚い布の向こうで歌っているような印象を受けてしまいます。ベースも胴鳴りや弦の震えはそこそこ出ていますが、最初のタッチ部分が不明瞭です。このプレイヤーの好意的な評価では、「強調感が無く地味に感じるが、耳障りに感じる刺激が無く穏やかで聴きやすい」というものがありますが、これは全ての帯域に渡ってアタックがきちんと表現されていないことで刺激が感じられないだけです。これを高級機らしいグレードの高い音と感じる方もいらっしゃるのだろうとは思いますが、ライブ感や実在感といった要素とは無縁と言い換えることも出来ます。

 

音質的にいえば、私が以前使っていたAstell&Kern AK100IIと比べても完成度は高いとはいえません。通常の価格でこれを入手していれば、私のレビューは酷評だけで終わっていたと感じられます。今回は購入価格が1万円ということを考えれば全て許容範囲ですので、そこそこコストパフォーマンスは高いと評することになりますが…。

 

 

 

 

 

 

なお、上記音質評価はより高音質とされるPure Musicモードで動作させた場合のものです。これを通常のAndroidモードで使うと、1枚ベールをかぶせたような明瞭度の低下が感じられます。

 

音質面では満足度はさほど高い製品ではないのですが、Androidベースの製品らしく機能面は充分整っていますし、OSのアップデート(Andoroid 4.4→5.1)が実施された辺りは評価できます。

 

 

 

 

 

私の場合レコードから取り込んだソースを多く聴きますので、再生中にジャケット写真を表示するような機能は全く嬉しくないのですが、本機は写真のようなV/Uメーターなどの表示オプションもあり、そのような細かい部分は意外と配慮されていることを感じさせます。

 

 

音質については今後別のアンプモジュールを入手できて、それにより印象が大きく変わる事があればもう少し評価を上げる可能性はありますが、現状ではFiiOのフラッグシップ機としては実力不足と評さざるを得ません。ただ、1万円で購入できたプレイヤーとしては特に文句を付けられない出来であることも確かです。そのため、点数面でも評価はこの程度としておきます。

  • 購入金額

    10,000円

  • 購入日

    2018年12月15日

  • 購入場所

    ポタフェス2018 秋葉原 冬 エミライブース

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