音って正解がない。購入時に惚れ込んで買ったものも使っていくうちに不満が出てくる。...というか、(購入時に目(耳?)利きであれば)その機器のスイートスポットでの魅力は変わらないのだが、そこから外れた部分で「あと少し××があれば...」「もう少し○○だったら...」という無い物ねだり?起こり、それを満たすものを探すことになる。
自分の耳に合わせて創るフルオーダーのイヤホン、CIEM(Custom In-Ear Monitor)の世界でもそれはまた、しかり。
cybercatにとっての最初のCIEMは世の中がまだこの分野に注目する前で、ごく少数のイノベーターとカテゴライズされる方々が直輸入などで入手して情報発信していた2011年。この時は今では須山補聴器とともに日本のCIEM界を引っぱるブランド、Canal Worksも黎明期だった。リフィッティングをなんと社長の林さんの御自宅に直接伺ってしていただいた同社の初号機、CW-L11
のレビューは注目を集め、レビュー公開5年近く経った今1万2千回以上のビューを稼いでいる⇒cybercatも十分アーリーアダプター程度ではあったと言うことみたいで、情報発信という点ではずいぶん世の中のお役にたったような...
ただこのCIEM、cybercatの耳道が下向き開口で空耳であるのに対してステム部分が短めの構造という相性的なモノなのか、この機種の音造りの傾向なのかわからないが、高域は澄み渡り美しく明晰な世界を描き出すが、低域は薄い。女性ヴォーカルものやアコースティック系といった高域中心のものではその特徴が活きるし、逆に低音過剰めのビート系ポップスなどではバランスがとれて良いのだが、古めのロックで音の分布がピラミッド状の曲やガツンとしたスラップベースや細かいバスドラの芸を聴きたいフュージョン系の曲にはパンチが足りない。
そこで手を出したのが、伝説の魔術師の名を冠したUnique Melody Merlin。
2way/3driverから3way/5driverへのステップアップだったのだが、低域にCIEMでは標準的なバランスドアーマチュア(BA)方式のユニットではなく、一般的なヘッドホンや大部分のイヤホンで使われるダイナミック型のドライバーを採用しており、音量を上げれば上げるほど「熱」が加わり熱い感じの音となるCIEMなのが特徴。スラップベースはガンっと切り込んでくるし、バスドラはアタックが「来る」。
ただ、このUnique MelodyのCIEMもステムは長いものの、耳介の部分はややゆるめの造り。密着しているとガッツのある低音を響かせるが、乾燥する冬はちょっとキビシイ。これを何とかしたくて密着性に振ったCIEM、Custom Art Harmony 8 Proを入手した。
2016年後半の今でこそe☆イヤホンが扱い始めたが、当時はポーランドのメーカーまで耳型を送るためにFedexと個人契約したり、メーカー担当者(社長かな?)のPiotrとお互い母国語でない言語を駆使して?打ち合わせしたりとイロイロ面白い経験をして作成したのは「フルシリコン」の3way+Full-range/8driverのCIEM。この吸い付くような遮音性の高さと、材質も影響しているのか丸みのある暖かい音色は他の二つとは明確に音の傾向が異なり、今でもとても好きなCIEM。
..なのではあるが。
自分の音楽の好みからすれば、暖かみのあるまるい音よりもドンっと出る低音がある方の曲をよく聴く。またHarmony 8 Proはフルシリコンのため、取り扱いに気を使う。土台が柔らかいので装着時にケーブルにテンションかけないように気を使うし、シェルについた汚れも拭けばとれるアクリルと違って汚れを吸着しやすいので要注意なのだ。ちょっと右の端子の接触が微妙になってきたこともあり、調整に出すにもその間に低音が厚いCIEMがないのは寂しいなぁ...
...低域に定評があるCIEMに逝けばいンぢゃね?←懲りない(^^ゞ
折もおり、現在住んでいる地域にCIEMを扱う店舗ができて開店セールをやるというので、ついうかうかと..w
世の中にはいくつか低音重視CIEMというのはあって、当時でもCanal Worksからは低音振りを謳ったCW-L33BBが出てたし、ドライバー数が多めのJH AUDIO 16PROやUltimate Ears UE18Pro等は低音がガッツリ出るCIEMだと定評があった。ややマイナー目まで広げると当時日本に入ってきたばかりのCTMのCT-300 Proも低域が結構イイと言われていたし、Vision Ears VE6も重心が低いと聞いていた。
そんで新規開店翌日朝イチでさほどにお客さんが多くなかった購入店に2時間ほど居座っていろいろなCIEMをとっかえひっかえ比較試聴。合計で20機種弱ほども聴いただろうか。そして進歩が著しいこの分野の製品としては若干発表が古い(おそらく2012年)ことは否めないが、やっぱり「主張がある」低音を探しているなら、一度は聴いておかなければという「低音推しのCIEMを探す際に避けては通れない機種」を聴いてみようかと。
それがHEIR AUDIOの「Heir 8.A」。これは現在Noble Audioを設立してそちらに移ったCIEM界のレジェンドの一人、「WIZARD」ことJohn Moulton博士がHEIR AUDIO在籍時に設計したCIEMで、一時期は低音厨な人達が好むCIEMの最右翼だった。果たして試聴機で試聴すると....濃いっっっ!ベースが全てを押しのけて迫ってくる。確かにこれは低音ダイスキーなひとにはイイカモ。アツクルシイほどの...いや、極端な低音厨ではないcybercatにはもはや暑すぎる低音。ガッツリ激盛り。どんなディスコマニアかデジタルビート狂が設計したのかと思ったら、現地の会社にも見学に行ったことがあるという店の人の話では、意外なことにこのCIEM、クラシックでチューンした機種らしい。たしかにティンパニの地が震えるような低音や交響曲で下を埋め尽くすコントラバスの圧などを表現するにはこれくらいの低音がないと迫力ないかも。ただ、自分のよく聴くジャズ~フュージョン~ロック~ポップスのあたりだと、ちょっと低域が濃すぎた。また低音域の量はあるが鋭さと速さはさほどにない機種で、どちらかというとウォーム系の音色的はすでに持っているHarmony 8 Proと方向性を差別化するならこれには行かない方が...ということで次...となった時に「これ」を聴いてしまった。
それは同じHEIR AUDIOの「Heir 10.A」。WIZARDは新天地Noble Audioで古巣の当時のフラッグシップ、8ドライバーの「Heir 8.A」を凌ぐ10ドライバーの名機「Kaiser 10」を2013年末にリリースするが、それに対抗して?HEIR AUDIOが2015年に初めてWIZARD抜きで作り上げたのが新フラッグシップである「Heir 10.A」。これも10ドライバーのCIEM。
買う気はなかったが(後述)、「Heir 8.A」とどう違うんかいな、と耳に突っ込んだのが、運命の分かれ道。「Heir 8.A」とは全然違う音が耳に飛び込んできた。低音がかなり締まっている。そしてやや硬め。でも量そのものはガツンと十分ある。そしてさすが10ドライバー、上から下まで音数も多い。濃密なクリームのような感触で、でもそれでいて音場が広いので8.Aよりは暑苦しさが減じている。なによりぴたりと中央に定位するヴォーカルがその下にドンと居座るベースやバスドラに乗っているのが気持ちいい。
本来10ドライバー以上の多ドラCIEMというのはかなり高額で、前述のNoble Audio「Kaiser 10」は20万超だし、12ドライバーのJH AUDIOのRoxanneもそう。人気メーカー1964 EARSの新ブランド64AUDIOは10ドラのA10が約25万、12ドラのA12はもはや30万弱といってよいほどのプライスタグ。そこで「上は8ドラまでかな」と思っていたのだが。
その時までは.....orz
HEIR AUDIOってカナダ発祥だけれど会社自体は中国にあるせいか、名が通っているメーカーの割にはもともとあまり高額ではない。エントリー機種の価格は他と比べて激安というほどではないが、ドライバーを増やした時の価格の上げピッチが他社より緩やか。さらに他社がフラッグシップ機には直近の下位機種と比べて3万円前後アップの価格をつけるのが多いのに対して、なぜかHEIR AUDIOはプラス2万5千円(購入当時、現在はジャスト2万)で上級機種に行くほどお得感が増す価格設定。さらにこの日は販売店の開店協賛セールでマイナス1万。それに加えてメーカー主導のセールとして有料装飾オプションのいくつが無料で、その装飾オプションに通年はラインアップされないもの(ここらへんのヤツ)まで入っているというレアものオタクの琴線をハードスクラッチするような状態...ということで....
-瞬間的な記憶喪失の結果-www
オーダーしたのがこちら!↓
2016年10月現在もHEIR AUDIOのフラッグシップ機、4ウェイ10ドラの「Heir 10.A」。
購入店は(毎回ではないが)セール時には店内でインプレッション(耳型)が採取できる。
今まで別途補聴器取扱店に出向いてインプレッションを取っていたのに比べると大幅に便利。
その後の梱包や発送も請け負ってくれるので、自分でCIEM購入店に持ち込んだり、外国に発送する手間もない。今までの苦労とは異次元の簡単さでオーダーできてしまった←キケン
HEIR AUDIOは製作も速く、オーダー後およそ2ヶ月で着荷。
今回、通年はない期間限定オプション(しかも無料)のPremium Exotic Hardwood Faceplatesをオーダーしていたのでそのできばえが気になったが....
美しい.....
今回のカラーはシェル(ボディ部)が「0108 Dark Blue」でカナルはオプションでより薄い色の「0109 Light Blue」。
そしてフェイスプレートはPremium Exotic Hardwoodの「Pacific Blue」。これは木製フェイスプレートなのだが、一般的なウッドプレートが木目や色合いが美しい木材(例えばZebra woodやRose woodなど)を使って、その木本来の風合いを楽しむのに対して、木材に特殊染色を施し、木材の地色と鮮やかな着色のコントラストを愛でるもの。
この時はえんじ(臙脂)色のような深い赤と木目の対比が美しい「Burgundy」、瑪瑙(メノウ)か琥珀のような黄色~黄土色の混濁が高貴な「Camo」、深緑と濃紅と木肌の3系統の色合いが意外な組み合わせ「Sunset Jasper」も選べたけれど、透明感のある深めの青と黄色系の木肌の対比が砂浜と海のようだった「Pacific Blue」を選択したのだが、本当にウッドプレートの青の部分が透き通っているのに感動。
見た目としては今まで所持していたCIEMをぶっちぎりで抜き去る圧倒的美しさで、まるで宝飾品のよう。
順序が逆転したが、付属品もハードケースにはオーナーの名前がエッチングされプレミアム感を高めているし、オーナーカードも名前が書き込みではなく印刷されている(それはそうとかなり番号が若かったのはなぜ?)。
それに加えて、「Heir 10.A」は(「Heir 8.A」も)ケーブルが「Magnus 1」と呼ばれるケブラー被覆の銀含有率が高い上級ケーブルに変更になる上、「Heir 10.A」は標準グレードのリモコン付ケーブル(iPhone用もしくはAndroid用を選択可)も付く、という大盤振る舞い。
なんかこの価格安く感じてきた(^^ゞ←錯覚
また装着感も非常に良い。こう何度も耳型取っていると取られる方(=cybercat)も慣れてきて、「やや深めに第二カーブの先まで」とお願いするとか口を開け目にするとかの密着性を高めるような工夫をするようになるが、それにしてもこのフィット感は素晴らしい。素材の柔らかさで密着するフルシリコンのHarmony 8 Proも素晴らしかったが、HEIR AUDIOはCIEMを元型に対してやや大きめに造るのか、材質的には柔らかさはないのに密栓したような密閉感。これはメーカーの特色なのだと思う。
着荷時に最初に聴いた時ですら、Harmony 8 Proよりは上も下も出ていたが、例によってDAPを繋いで連続再生にしてタオルにくるんで放置プレイ。断続的に1週間ほどなじませた音は....?
濃い。
店ではあの「Heir 8.A」の後に聴いたので、淡泊に聴こえたのだが、絶対値としてはこちらも十分濃い。エージングでさらに瞬発力が上がった感じだ。音数が多く隙間がない。墨絵の世界ではなく、油絵の世界。
そしてHEIR AUDIOならでは?の厚い低音。その音はヴォリュームを上げると熱くなるダイナミック型のドライバーの特性が出たMerlinの低音ではなく、シリコン遮音による静寂の中柔らかく包み込むHarmony 8 Proの量感のある低音でもない。なんというか頭の中央下に居座る厚く重い低音。ブーミーなのではなく、圧が高い。横綱に喰らう怒濤の突き出しという感じ。
そしてその上の頭の「ド」真ん中にヴォーカル(やソロ楽器)が定位する。この定位はしっかりとしており、まさに曲の芯となっている。そしてその音色は芯が太い。中低域の厚みが芯のあるヴォーカルを届けてくれる。これは他音域がツインドライバーなのに対して、中域だけがクワドラドライバー(4発)であるのが効いているのかもしれない。
高音域は厚い低音域に比べると特色が少なく、ともすれば埋もれがちとなるが、低域が薄めの曲だとそのマスキングが剥がされ綺麗に伸びているのがわかる。その伸び方はすうっっと虚空に消える感じ。
そしてなにより音場の広さが特徴。特に横方向、若干後方に広がるそのステージの広さでもってドンと中央下に居座る低域の暑苦しさを薄めている。
このCIEM、どういう風に曲を「聴かせて」くれるのだろうか。
良く比較試聴で取り上げるハイレゾ音源(PCM24bit/96kHz)吉田賢一ピアノトリオ
の「Never Let Me Go(わたしを離さないで)」のように音数が少ない音源だと、ハイハットシンバルの音がキレッキレでライドシンバルのレガートとの分離も良く、右chに位置するドラムスのプレイが良く判る。ベースはミックス的にさほどに大きめに録っていないのだが、途中のベースソロの時はぐっと下に重心が下がり心地よい。ゴキゲンなスウィング感。
cybercatにとってカーステレオなどのチューニングのターゲット曲でありつづけた宇多田ヒカルの「First Love」は同じくハイレゾ(PCM24bit/96kHz)の“Utada Hikaru SINGLE COLLECTION VOL.1+2 HD”から。
ストリングス、生ギター、ピアノだけの1コーラス目はヒカルの太く弱ハスキーな声が支配的なAメロから、ツリーチャイムがチャリリリリと鳴り、ストリングスが左右いっぱいに広がって...のサビとともにベースが中央にヴゥーンと分け入ってくるのだが、この真っ芯にドスンと響く音がグルーヴィ。音源にはライヴ会場のPAの前で聴くような圧の高い音が入っているのだが、CIEMの低音でこの曲の良さが味わえるとは!のクオリティ。モチロンこのベースに負けないヒカルの太く説得力のある声あってのことなんだけれど。
オーケストラ系は交響アクティブNEETsの“艦隊フィルハーモニー交響楽団”
で評価。ダイナミックで緊迫感溢れる「鉄底海峡の死闘」はティンパニの地響きと弦の低音域が気持ちよいが、上の方の楽器もステージの広さとあいまって埋もれておらず、左方に位置する弦楽と右方に控える管系楽器が広さを感じる。時に入るトライアングル等の響きが空間を渡る。
一番よく聴くジャンルのフュージョンはT-SQUAREのセルフカバーアルバムの“虹曲~T-SQUARE plays T&THE SQUARE SPECIAL~”
からベーシストにJINOこと日野賢二を迎えたファンキィな「RADIO STAR」。元々ソリッドなリズム優勢の楽曲だが、ゲストプレイヤーがラップもこなすJINOと言うことでさらにキレが良くなっている曲。ベースは指弾きでは深く沈み、スラップのプルではガツンと弾け、デッドな音色で刻みが細かい坂東クンのバスドラとの対比がグルーヴィ。スピード感はさほどにはないが、音のアピール度が素晴らしい。
最近お気に入りの声優、あやちゃん(ぺっちゃん)こと洲崎綾の「きれいな洲崎綾」サイド?の筆頭曲、ヴィーナ洲崎が女子大生アイドルの色気を表現する「ヴィーナスシンドローム」
は、少し音量を下げないと4つ打ちの打ち込みのバスドラがうるさいくらいだが、ギターのアルペジオ部分でエコーが左チャンネルに飛んでいるのが明確にわかるし、左右に駆け回るSEの動き幅も広く、見通しが良い。あやちゃんの声も芯に定位して気持ちよい。
今までのCIEMではピンと来なかった古めのロックはEaglesの不朽の名曲「Hotel California」。
パッと聴き、ベースラインが印象的な曲故、もっとベースがブンブン来るかと思ったがそんなことはなく、むしろフロアタムのアタックや左右の広がりが印象的。右端に位置するハイハットや左端に途中から加わるギロが完全に耳の外に位置する。それでいてラストのツインギターのハモリソロの部分はベースやドラムスがドンと中央に構える存在感。
全体を通すとさすがに10ドラ、もの凄い音数で、でもそれが密集していなくて広いので良く聴き取れる。低音域は低音厨御用達CIEM「Heir 8.A」を造ったHEIR AUDIOの隠せない血か、ガッツリとはあるのだが、(試聴機での比較だが)あれほどアツアツのギガ盛りではなく、もう少し冷めたエッジの立った音。でもそれは「Heir 8.A」との比較であって、一般的には十分大盛りの部類ではあり、音の傾向もCOOLというより、WARM(HOTではなく)。
自分はドラムをやっていたからか、音楽はベース⇒メロディ⇒ドラム⇒その他の楽器類という優先度で聴いているらしい(メロディラインよりむしろベースラインの方を覚えている曲もあり、人と感じ方が違うみたい)ので低音はたしかに重要なのだけれど、ちょうど良い最大値という感じ。世の中のレビューなどを見ると、WIZARDが手がけた「Kaiser 10」は、かの「Heir 8.A」の設計者らしく低音はこの「Heir 10.A」を凌駕するらしいのだが、自分的にはこれくらいでちょうど良かったな。つかこれ以上はいらない。
シリコンと同等レベルの完璧なフィッティングと濃い低音、そしてモノとしての素晴らしさで大変気に入っているCIEM。その濃密で、広く、ガツンとくる音はそれまで所有したどのCIEMにない味わい。楽曲のコクとうまみを味わい尽くす良く煮込まれたビーフシチューのような濃厚でパンチのある音で、音楽の、音の奔流に身を任せるにはベストチョイス。
ただ時にはこの濃厚・濃密で深いコクのある音以外の清涼なさっぱりとした音も聴きたくなって(いくら美味しくてもこってり系の洋食続きでは飽きて、時には出汁のうまみがほっとするすまし汁が欲しい感覚?)、むしろ以前よりCW-L11の出動回数が増えたのだから、人間の嗜好は難しいw
【4CIEMの主観的比較】
内容からすればコスパバツグン、という気すらするHEIR AUDIOのフラッグシップCIEM「Heir 10.A」。同社にはほぼ同内容で同傾向の音と言われるユニバーサルフィットの「IEM 10.0」もあるので、気になる方は試聴してみればいかが?
....そこには深い沼が口を開けているかも知れませんがw
【cybercat所持CIEM比較】
【仕様】
型番:Heir 10.A
商品名:4way/10driver Custom In-Ear Monitor
ドライバー:バランスドアーマチュア方式(超高域×2、高域×2、中域×4、低域×2)
インピーダンス:26Ω
再生周波数:非公開
感度:非公開
【代金】総額170,900円
請求総額:165,500円
※e☆イヤホン名古屋大須店OPEN特価適用
オプション:
・Premium Exotic Hardwood Faceplates(Pacific Blue)(0円)
・Colored Canals (3500円)
インプレッション採取代金:5400円
【今回購入時のタイムチャート】
2015/10/24 e☆イヤホン名古屋大須店で契約、その場でインプレッション採取
2015/12/28 製品到着連絡
2016/01/02 製品受領
アクリル製のBA機らしく澄んでいるが、圧倒的な低音との対比で劣勢。
上が詰まってる感じは全くしないし、そして低音域がない(少ない)曲では確かに伸びているのが確認できるのだが、打ち込みのベースなどがガッツリ入っている曲ではどうしてもマスクされがち。
ヴォーカルのど真ん中のクリアな定位も含めて気持ちいい
真っ芯に位置するクリアな定位と、パワーあるサウンドキャラクターですごく気持ちいい。ただ、低音域が強く出張ってくるので、歌の線が細かったりすると負ける。この機材はソースとしても良い楽曲を求める。
さすが一時代を創った8.Aのメーカー。芯のある低音が頭蓋を揺らす
低音マシマシのビートが効いた曲だと音の暴力か、という程のゴリゴリさ加減だが、それでも8.A(対試聴機比較)に比べれば遙かに洗練されている。中低音~重低音まで幅広くガッツリと鳴る太い低音。スピード感やキレが感じられるサウンドキャラクターではないが、ファットでウォームなHarmony 8 Proに比べると少しシェイプアップされておりアタックも強い。
左右(若干後方)に広がる広大なステージ
右ch(あるいは左ch)端で聴こえるパーカッションなどは完全に耳の外に位置する広さ。この広さが中央低めに居座る低音楽器の存在感を和らげる。
-
購入金額
165,500円
-
購入日
2016年01月02日
-
購入場所
e☆イヤホン名古屋大須店
hidechanさん
2016/10/21
と思ったら2000レビュー目になるのでしょうか?
おめでとうございます。
埋め込まれた木片が貝殻みたいでメルヘンです(*´▽`*)
すっぽりと耳の部分に収まる形状は装着した時、どんなかんじなのかな?
と思いましたが、HEIR AUDIOの動画の中で女性が装着している姿を見るとかなりカッコいいですね!
cybercatさん
2016/10/21
>タイトル画像が見られたところから、cybercatさん本気レビューだ!
...なるほどw←バレてーら。
>埋め込まれた木片が貝殻みたいでメルヘンです(*´▽`*)
これはウッドフェイスプレートでも独特の色合いですね。
特殊な技法で浸透着色した木材の色合いと木肌のままに残った部分の対比が。
これは同社のユニバーサルイヤホンにも採用されていますが、それはサイドが黒(基本色が「Burgundy」で異なるけれどイメージ的には↑こんなかんじ)。
今回は選んだシェルカラーの「0108 Dark Blue」が、ウッド素材の特殊染色部分の碧い色合いと近似していたのでものすごく幻想的になりましたね。