レビューメディア「ジグソー」

期間限定の千円AORシリーズ

7月~8月にかけて、AORのアルバムが期間限定ながら1,000円丁度(但し税別)でソニー・ミュージックから計100タイトル発売されています。「AOR CITY 1000」と銘打たれたものであり、本作以外の対象作品は公式サイトでご確認いただければと思います。

 

これは評論家の金澤寿和氏の監修によるもので、Boz Scaggsのアルバムにして、AORの金字塔とも評される「Silk Degrees」の発売から40周年ということにちなんで企画されたものとのことです。

 

この100作品は上記「Silk Degrees」のような言わずと知れた有名作から、知る人ぞ知るという隠れた名盤まで広く網羅したそうですが、今回はその中から意外にもCDで単品アルバムを持っていなかった「TOTO IV ~聖なる剣」を買ってみました。今まではずっとLPで聴いていましたし、以前買ったTOTOの廉価版BOXに入っていた本作のCDはあまりに音が悪すぎたのです。

 

 

 

 

 

 

 

収録曲は以下の通りです。2000年のリマスター音源を使用したとのことです。

 

 

1. Rosanna

2. Make Believe

3. I Won't Hold You Back

4. Good For You

5. It's A Feeling

6. Afraid Of Love

7. Lovers In The Night

8. We Made It

9. Waiting For Your Love

10. Africa

 

 

なお、一般的な日本発売の洋楽CDには大抵含まれている歌詞カードおよび訳詞は用意されておらず、中に入っている紙には参加ミュージシャン等のクレジットと、中田利樹氏による本作の解説文だけが入っています。おそらくこのシリーズの他のアルバムも同様でしょうから、そのような付属品に期待される方は通常価格版を購入する必要があります。

 

更新: 2016/09/05
総評

リマスター音源だが過度な期待は禁物

まずは音楽面についてですが、グラミー賞7部門受賞をはじめ、TOTOとしては最高のセールスと評価を獲得した作品であり、ご存じの方も多い作品でしょう。

 

タイトルが示す通りTOTOの4作目のアルバムであり、これが結成当時のメンバーが揃った最後の作品となります。前述のBoz Scaggs「Silk Degrees」の制作時に集められたスタジオ・ミュージシャンによって結成されたTOTOですが、本作のリリース後にベーシストのDavid Hungateが脱退してMike Porcaroに代わり、また次作「Isolation」制作開始後にヴォーカリストがBobby KimballからFargie Frederiksenへと交代します。最も、結成当時からのオリジナルメンバーであるSteve Lukatherによると、元々TOTOの本来のオリジナルベーシストはMike Porcaroであり、レコードデビューの際にDavid Hungateになっていただけとのことですが…。

 

 

 

 

 

それはさておき、本作はアルバムとしてもTOTO最大のヒット作となりましたが、シングル成績も群を抜いていて、アルバム収録曲全10曲が全てシングルとして発売(カップリングも含めて)されたというほどでした。全米TOP10(ビルボード誌)に「Rosanna」「I Won't Hold You Back」「Africa」の3曲を送り込み、その中でも「Africa」は現時点においてTOTO唯一の全米No.1獲得曲となってるのです。

 

ただ、個人的には上記3曲などは確かに不朽の名曲と思うのですが、Bobby Kimballのヴォーカルがあまり好きではないだけに、そこまでの強烈な思い入れがあるというわけではありません。むしろ7作目の「The Seventh One」こそがTOTO最高傑作だと思っていますので…。

 

 

 

CDで持っておくことで今までよりは手軽に聴けるようになるということで、廉価版の発売に合わせて買っておこうと考えた訳です。

 

さて、今回の発売分は2000年のリマスター音源を使用と明記されていますので、音質の方にも触れておきましょう。

 

音量は最近のトレンドに合わせて高めであり、リッピングしてDAP等で聴くときに音量が他と極端に変わるということがないように配慮されています。ただ、これが音質的にはどうもマイナスに作用したらしく、低域がオーバーレベルでつぶれてしまっています。いかにも80年代初期の音作りだったLP盤とは異なり、音質的なバランスも現代的に高域方向を持ち上げてクリアさを出しているのですが、意外と聴感上のレンジが狭く感じる辺りもやや不満が残ります。音質だけなら以前から持っているLPの方がはっきりと上です。

 

それでも前述のBOXセットよりはまともな音質でまとめられていますし、何よりも1,000円で新品を買えるという辺りは大きな魅力です。音質の不満点も値段を考えれば十分許せる範囲であり、何となく聴いてみたい作品があるようであれば、このシリーズが生産されている内に買っておくのも悪くはなさそうです。

  • 購入金額

    1,080円

  • 購入日

    2016年09月04日

  • 購入場所

    新星堂レスポック

15人がこのレビューをCOOLしました!

コメント (2)

  • harmankardonさん

    2016/09/04

    TOTOは,アナログ盤の出来が良いので,なかなかCDを買う気がおきませんでした.

    リマスターは,難しいですよね.
  • jive9821さん

    2016/09/04

    >harmankardon さん

    TOTOのCDの音質が良くなったのは、やはりSONYのエンジニアが活躍した「The Seventh One」以降ではないかと思いますね。

    今回「AOR CITY 1000」でリリースされたアルバムは1,4,6作目なのですが、残りをどうするかは少々悩んでいます…。

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