こんにちわ。Takahiroです。
まず、今回もKB収集家が必ず持っているような機種、例えばIBM 5576-A01や富士通高見澤コンポーネントFMV-KB311(FKB8720)ではありません。
それに今時あのような化石産業遺産はなかなか出て来ません。出て来ても状態が悪い&無駄に高い!・・・アノ価格は絶対にふざけてるとしか言いようがない。
今回は産業遺産クラスにも関わらず、かなり状態の良い珍KBを購入出来たので紹介したいと思います。
それが今回のこの機種
『富士通コンポーネント製FKB8754-501(N860-8754-T501)』
となります。
S/Nからすると3,000本前後は富士通コンポーネントからエレコムへ流れたものと推測できます。
また、登録モデルナンバーから
『FMV-KB311(=FKB8720)の流れを引き継ぐ2代目モデル』
と言い切ってもOKです。FMV-KB312?知らない子ですね。
あとMade in Japanになっていますが筐体をマレーシア工場で製造しているようです。
画像ではわかりにくすぎるんですが、実はこのシールの下に『N860-8724-T501/03』『Made in Malaysia』という文字が透けて見えてるんです。
部品はマレーシアで製造して、組み立てのみ日本で行ったんでしょうかね???
調べてみるとこのFKB8754、存在感は””少しだけ””あったようです。
ただし!!
①発売されたのがKB群雄割拠の時代(中期~末期)
②FMV-KB321(=FKB8724)のOEMモデルは死ぬほど存在していた
③特殊な構造のキートップのため万人受けはしない
④販売元がエレコムだった(←関係ないよなw)
⑤東プレREALFORCE106(LA0100)と同時期の発売
これら「リーチ・一発・ツモ・ピンフ・ドラの親満貫」を喰らってしまい、寂しく市場を去ったという歴史もあり(?)現在、製造元の富士通コンポーネントや販売元のエレコムの商品情報HPに『情報がない』と言う寂しい結果となってしまっています。
このFKB8754は評価すら受けることなく寂しく市場を去ってしまいましたが、なんと今も兄弟モデルが(細々ではありますが)生産され続けています。
それが
『FKB8769-052』(←リンク付き)
です。 なお、日本語テンキーレスモデルになっています。
インターネットだとビックカメラ系列(ソフマップ・コジマ含む)と販売代理店であるダイヤテックのオンラインショップなどで販売されている模様です。
なお、FKB8769といえば””ドリームキャストキーボードHKT-7600のベース機””として名前が通っているかな。
FKB8754諸元
*サイズと重さは実測です。多少の誤差は許して下さい。
メーカー型番:FKB8754-T501(販売元型番:TK-P2109JPTW)
メーカー=富士通コンポーネント(*販売はエレコム)
製造国=日本
製造年=2000年4月以降(推定)
種類=日本語109キー
色=白?シルバー??グレー???
幅x奥行x高さ=456mm x 172mm x 41mm(チルト時52mm)
本体重量=800g(ケーブル込み:850g)
接続I/F=PS/2接続(フェライトコア付き)
スイッチ方式=メンブレン(独立スライダー+ラバードーム+メンブレンシート)
キートップ=レーザー印刷
キーストローク=3.5mm以上4.0mm未満?
キー荷重=???
恒例行事! 分解してみた!!①(キートップを外す)
もはや恒例行事ですね。
とりあえず(!?)分解してみようと思います。
なお、このKBに分解した形跡はありませんでした
⓪、必要工具
1、キートップ引き抜き工具
2、プラスドライバ
3、マイナスドライバ(*無くても可。あった方が楽)
4、腕力と根気
以上の4つを用意して下さい。
①キートップを外す
109個全部を外す必要はないです!ただし、最低でも20~40個は外す必要があるかな?
慣れてる人ならキートップ外さずにこなしてしまうかも。
②ツメを外す
やたらと固いので折らないように気をつけましょう。
手順を説明します。
②-0、背面3カ所のネジを外す
②-1、ケーブルが出ている側の5カ所を外す
少し引っ張りながらやるといいかもしれません。ただ・・・その感覚は人によるんで、実際にやってみて下さい
②-2、キートップ側のツメも外す
『うーわっ・・・ツメありすぎorz』
とか思うとしれませんが、マイナスドライバかなにかで根気強く外していきましょう!
外す手順は以上の4段階です。REALFORCEと違ってドライバが必要です。
キートップを外して気がついた事
テンキー部分の『+キー』『Enterキー』『0キー』にスタビライザーが入っていない!
普通はスタビライザー入ってるはずなんですが・・・・・
この中途半端な手抜きは気持ち悪い。
逆に『スタビライザーが入っているキー』ですが
”左Shiftキー”と”スペースキー”と”Enterキー”になります。
この部分は””マレーシア製FKB8724の系譜””です。
中国製FKB8724には「テンキー部分にもスタビライザーが入っている」との情報があります。 実は中国製のがいい部分もあるようです。
恒例行事! 分解してみた!!②(シート・基盤)
分解すると内部はこんな感じです。
シートにはしっかりと『N860-8724-R307』『N860-8724-R308』の刻印が確認できます。 他にも探しましたが特にこれと言った特別な物はなかったです。
また見ての通り、日本製は””3層構造””になっていますね。これは中国製ロットと同じです。なおマレーシア製ロットは””2層構造””と言われています。
工数を減らす(=コストカット)ためにマレーシア製は2層構造にしたけど、何かしらの理由があって中国製は3層構造に戻したのではないか?と言われています。
では、Chicony製のメンブレンKBと比較してみましょう!
↑富士通コンポーネント FKB8754-T501(画像上)
↓Chicony KB-3920(画像下)
富士通コンポーネントとChiconyではEscキーからPauseキーにかけての列の形状が全く違います。 また、お椀の接着部分の形状が若干違います。
制御部分
基盤右下に
『N86D-8720-R109』
の文字がみえます。コレが「FMV-KB311(FKB8720)の血を受け継いでいる証」です。
恒例行事! 分解してみた!!③(筐体)
紹介が遅れました。右上のLock系点灯色は全て『黄緑色』です。俺の愛機『REALFORCE108P-S』と同じ色です。
気づいてる方も多いでしょうけど『外れます!』
絶対に外れる意味無いですよ。謎です。
ココが外れるメーカーは富士通コンポーネント製だけではないでしょうか???
なお
この部品の製造年が『2000年4月』になっていたので、最低でも16年経過していることになります。
ケーブルは年相応ですが、本体はかなり綺麗な状態です。
全く使われずタンスや倉庫の奥に封印されていたんでしょうね・・・。
次に富士通独自の
『新カーブド構造(=カーブドステップスカルプチャ)』
画像を見ていただくと分かるとおり、鉄板を裏に入れていないので
””ツメで無理やり作ってる””
””打ち心地がさぁ~””
だのいろいろ言われています。
ただ、俺は割に好きですよ? しかし!!否定的な方々の意見も分かります。
打鍵時の『ゴムのぶにゅぶにゅ感』が気持ち悪いというか・・・否定的な全てはこれだと思うんです。 こればかりは個人の感覚差ですね~。
異質・異端
見ての通り
『キートップが内側に向かって変形している』
コレが最大の特徴、かつ異端児なKBだと言える所以です。
普通のそこらで売ってるKBって下のようなKBじゃないですか?
だから違和感がものすごいんです。 慣れないと使いにくい。
ただし、FKB8754-T501は登録上『FKB8720系の派生モデル』のようなので”補修部品は腐るほど存在する(OEM品が多数存在)”のが最大の利点でしょう。
疑問① FKB8724(FMV-KB321)と部品の互換性はあるのか!?
当該機種(FKB8724)を持っていないので確認については後日商品が見つかったら行いたいと思います。
では、FKB8754-T501のキートップを外してみます。
今回はFキーを外してみます。
当たり前ですが、キートップの中も変形しているようです。
スライダーは・・・
変わっている様子はありませんね。形状は同じですし互換性もあります(→Insert用とFキー用を入れ換えて使ってみた)
FKB8724の派生モデルだしなにかしら弄ってある物と思っていましたが・・・弄くったのはキートップの形状のみでスライダーなど他のパーツは弄くっていないようです。
安心して下さい、カスタムも修理も出来ますよ!!
使いにくいが慣れればそうでもない
最初は使いにくいです。キー傾いてますし。
ただ、慣れていけばそうでもない感じです。
ベース機がFKB8724(FMV-KB321)なので打鍵感そのものは悪くない(*個人差)です。
もしも、このキートップ嫌だぁ!!!な方はオークションでFKB8724を探しましょう。
例えば、黒筐体(OEMモデルのみ)のFKB8724のキートップを移植してパンダカラーにするのもいいと思います。
やっぱ、カチャ音が気になるんだよなぁ。
静音REALFORCEを使ってしまうとどーしてもカチャ音が耳障りになるかもしれません。
しかし!!!
打ち心地に関して言えば1級品で間違いないでしょう。
何のクセもないし好きじゃない~など否定的な意見もありますが、クセはない方がイイに決まっています。
今使っているREALFORCE108P-Sと入れ換えつつ使っていこうと思います。
(パーツ単位で見ると)製造から大体16年経過しています。それでこの使い心地は奇跡ですから使わない方が逆に勿体ないです。
っという訳でございまして・・・
今回も長々長々と、書かせていただきましたが如何でしたでしょうか?
『これ、どーなってんだ!?』
『この部分、もっと詳しく!!』
など、ご意見・ご感想などありましたら遠慮無くバシ!バシ!!お願いします。
余談ですが
”キーボードについて語るスレ(仮)”
というコミュニティもありますので、もし宜しければどうぞ~
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購入金額
2,080円
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購入日
2016年08月15日
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購入場所
ヤフオク
ちょもさん
2016/08/17
私は3枚持っていますが、新品同様のものは2つともヤフオクでかなり安価に買えました。
型番で出品されているものはマニアが狙ってますが、なにか解らない人が出していることが極希にあるので、そういうのを見つけると安く買えます。
Takahiroさん
2016/08/17
もう少し粘って探してみることにします。