私はR.O.G.のX99プラットホームのマザーボードである「Rampage V Extreme」を持っているが、「R.O.G.シリーズ10周年記念モデル」である「Rampage V Edition 10」はどのようなものなのか。ギリギリなレビューを見てたりしているうちに、なんだか興味がわいてきた。
で、更にBroadwell-E 現段階で最強の10C20TなCPU「i7-6950X」にも触れてみたいとも思ったので思い切って購入した(M/B→CPU→MEMの順番で購入)
ちなみに、SkylakeのCPUにASUSがCPU取付ガイドみたいなのを付けていたが、今回も付いていた。ただ、私が何度やってもガイドに合わせてはめ込むことができなかったのでCPUは素で装着した。
※Broadwell-EのCPUは大きいから掴みやすいので問題はないと思う
■主な構成パーツ(抜粋)
CPU:Core i7-6950X@4.0GHz動作
CPU COOLER:H100i v2
MEM:Dominator Platinum DDR4-3000 16GB*8枚
SSD:U.2 SSD Intel 750 400GB
GPU:Geforce GTX1080 Founders Edition(少しOC)
PSU:HX850i
OS:Windows10 Home 64bit
10周年にふさわしい構成にするため上記のように決めていた。あとは安定動作のための設定だ。
設定ミスで起動しなくなった場合は、「CMOSクリア」「MemOK!」ボタンが非常に役に立った。Q-CODEと各種状態表示LEDを睨めっこしながら、UEFI(BIOS)まで通るよう祈りを込めてボタンを押しまくった。ボタンや見るべき所が集中しているマザーボードのこの部分は穴があくほど見つめた。
で、無事にUEFI(BIOS)までたどり着けたなら、メモリがDDR4-3000で動かせるよう手動で設定だ。(ここが難関だった、XMPの自動設定はパラメーターがメチャクチャで不安定or動かない)
一番難儀したのは、DDR4-3000のXMPプロファイルをそのまま使用すると、メモリはあっさり動くがGPUが不安定になった事。ベンチやゲームが途中で落ちたりフリーズしてしまう。最初は原因がわからなくてメモリをやむなくDDR4-2133やDDR-2400まで下げて動作させていた。
で、調べていくうちに、BCLKが原因であるとわかった。普通に設定するとBCLKが100→125MHzになる。意図してOC設定をせずともGPUが過剰に発熱してしまう事を突き止めた。GTX1080FEのシロッコファンの回転速度がAuto設定だと、ゲームやベンチの最中に放熱が追い付かないようだ。
実際にバックプレートに手を当てると明らかに違う次元の温度で危険を感じた。GPU温度が83度になった瞬間アプリ強制終了orフリーズ・ブルースクリーンが連発する。Founders Editionのシロッコファンをフル回転させ続ければ改善するかもしれないが、騒音が酷いのでやりたくはない。
解決させるために、UEFI(BIOS)上で「XMP」設定にしたあと手動で「CPU Strap」および「BCLK」を100MHzに固定した。少し不安だったが、メモリは無事にOC動作してくれた。
あと、CPUのOCは「Intel Extreme Tuning Utility」で行う。
■UEFI(BIOS)設定
UEFI(BIOS)の設定はこんな感じでおちついた。すべてを検証しきれていないが下記の事を試した。
・4Kの動画エンコード(Aviutl,拡張x264)完走
・3DMark TimeSpy・FireStrike Ultraベンチ完走
・FFXIV 蒼天のイシュガルドベンチ完走
・Cinebench R15 CPUベンチ(4.0GHz)完走
・Witcher3 4K解像度ゲームプレイでトラブルなし
結果、私が普段やっていることは、全部こなせているので、安定動作に入ったのではないだろうか。ついに私は、この「じゃじゃ馬」をなんとか手懐けることができたのだ。「Rampage V Extreme」の時よりも安定している気がする…(特にOS起動後がサクサクでKP41病のような不具合も無し)
'17.1.17現在で最新のBIOS 1502を使用しているが、たぶん1003でも問題は無かっただろう。
(購入時点では1003だった)
「Rampage V Extreme」の頃は設定のしかたもろくに知らず苦労したが、私も少しは成長した。事前にマニュアルを熟読し、X99関連の記述のあるブログを読み漁り、R5E10でのUEFI(BIOS)の設定や各種設定に対して明るくなっていた。おかげで比較的早くにシステムを安定させることができた。
ASUS AURA Syncでペカペカ光る
「Rampage V Edition 10」は「ASUS AURA Sync」機能を持っている。せっかく中身が丸見えなケースを使っているので、これは絶対試してみるべき!
流石にマザーボードのLEDだけではそこまで明るくはならない。市販のフレキシブルLEDストリップであれば「Aura RGB Strip Headers」に接続することでケースの中を更に明るく照らすことができる。
※「Aura RGB Strip Headers」に接続したLEDストリップは電源OFFの時には消灯する
買ったLEDストリップは2ピース入りだったので、ケースの上面と前面に配置。おかげでケースの中がまぶしく光るようになった。
その様子を動画にて撮影したので観てもらおう。
ちょっと悩みなのが電源OFFの時。スリープ・電源OFFいずれの時も光るようになっているのだが、消すことができないのだろうか。どうやらAURAツールをインストールしているとUEFI(BIOS)で設定してもAURAツールの内容が優先されてしまっているようだ。
せっかく、UEFI(BIOS)が1502にアップデートされて「RGB LED」の設定が増えたというのに…。ツール側できちんとした対応がなされることを切望したい。
(2017.01.20追記)
”電源OFF時だけ”マザーボードのLEDも消灯する設定ができたので、その手順を追記。
1.「ErP Ready」を有効にする(私の場合はS5のみにした)
2.「RGB LED」の「In sleep, hibernate and soft off states」を「オフ」にする
この順番にUEFI(BIOS)で設定変更をすると、ちゃんとマザーボードのLEDが消灯した。
注意が必要なのは、先に手順2を設定して「ErP Ready」をオンにすると何故か「RGB LED」が勝手に「オフ」にされていた。これでは「RGB LED」自体が無効化されてしまうので、手順通りにやるよう気を付けよう。(ただしマザーボードによっては手順が関係ないかもしれない)
※コメントで教えていただいた方々に感謝!!
バックパネルの一体化は素晴らしい
自作でマザーボードを取り付ける時に厄介なのはバックパネルの取付だ。マザーボードをケースに取付け途中にHDMIやLANコネクタのアース部分?のような出っ張りがコネクタの中に入り込んでしまい、何回もやりなおす羽目になる事が多々ある。
あと、パネル自体も薄くてペラペラなので取り付けしづらいのも悩みの種だ。
※R.O.G.マザーは従来のパネルより強化されてはいる
それが、今回は外枠だけ別になっているだけで、パネル部はマザーボードと一体化している。なんで今までこういう試みをしなかったんだろう(製造工程上面倒なのはわかっているけど)
寸法もピッタリでコネクタとのズレも一切ないから見栄えもバッチリ。ケースには、寸分の狂いなくピタっとハマったのでやはりこれからはハイエンドマザーにはバックパネル一体化は必須にしてもらいたいものだ。
USB DACが5インチベイ仕様なのが辛い
USB DACが付属したR.O.G.マザーボードは以前にもあった。
■Maximus V Formula/ThunderFX(USB DAC)
Maximus V Formulaには、USB2.0接続のDAC「ThunderFX」が外付け用として付属している。
今はしまってあるので公式ページより画像を拝借。ちなみに初めて買ったR.O.G.マザーボードだ。
それに対して、今回のUSB DACは5インチベイ取付型になっている。
接続コネクタがPCIe 6PINと内蔵USBという組み合わせなので外付けとして使うことはできない。
私のケースでは5インチベイが付かない。なので宝の持ち腐れになってしまうのだ。せめて変換ケーブルかませば5インチベイケースなんか用意して外付けにできそうな気がするけど…。難しいね。
こうみえて独自な機能・実装が多くてクセがある
R.O.G.マザーボードの集大成と言わんばかりに盛りだくさんの機能を載せてきたんだろうと思いきや、割と独自の構成になっていて、勢いで買ってしまったものの、考えさせられる点が多くあった。
機能や実装について、個人的に〇×△の3点で分けてみる。
■〇な点
・オンボードUSB3.0(Intel)の1つが24PINのすぐ横にある(挿抜・整線しやすい)
・U.2コネクタが横向きで使いやすい位置にある(挿抜・整線しやすい)
・Fan Extension Cardが付属している(ボトムFAN3個を纏めるのに便利)
・M.2スロットが他パーツと干渉しにくい位置にある(ヒートシンク付けても大丈夫)
・ASUS AURA Syncのデザインが秀逸(個人の感想です)
・R.O.G.シリーズの集大成なのにあえてロゴの赤色を使わない配色(個人の感想です)
■×な点
・USB3.0(Intel)がバックパネルに無いのは明らかにおかしい(わけがわからない)
・PCIeレーンの割当てがおかしい(マニュアルに書いてある内容もわけがわからない)
・汎用FANコネクタの数が少ない(High AMP, Water Pumpなど限定された用途のがある)
■△な点
・USB DACが2個しかないオンボードUSB2.0の1つを使ってしまう(私は使わないが)
・M.2スロットが1つしかない(私はM.2 SSDを使わないが)
・一番上のPCIeがCPU側に近く空冷FANの選定に困る(私は簡易水冷なので問題ないが)
・Aura RGB Strip Headersは2つ欲しい(LEDテープは数珠繋ぎで延長できるが)
・有線LAN2つあって無線LANも使うか微妙(Bluetoothはいい。両方使わないが)
「×な点」についてはいずれ問題になりそうな点だ。あとは「△な点」に目をつぶれば、私の中で大満足なマザーボードになってただろう。100%好みなものなんてまずあり得ない、だからこそのE-ATXマザーの持つ拡張性の良さが光るわけで、仕方がないのかもしれない。
-
購入金額
62,986円
-
購入日
2016年12月12日
-
購入場所
ツクモ
下小川さん
2017/01/19
しかしX99-A IIもXMP読み込んだだけでCPUまでOC設定になってたんでそういう仕様なんですかねX99
hidechanさん
2017/01/20
MAXIMUS ⅨFOMULAにはLED接続が上と下に計二つついていたので、これから取り付けが楽しみです。
余計なものまで色々ついているのがRAMPAGEってイメージですけど、USBDACは欲しかったな~
私のマザーはErP設定しても消えないんですよね~
ほんとこれどうやったら良いんだ@@
ポン酢レッサさん
2017/01/20
10年の歴史があったの知りませんでしたが、タイミングよく買えたのでよかったです(*'ω'*)
うーん、私もErPの設定は”オフ(Disable)”にしていたつもりなのですが、電源オフ時に消えるのはAura RGB Strip Headersに差したLEDストリップの灯りだけで、マザーのLEDはコンセント抜いても暫く電力が残ってるうちは消えませんでした。
Auraはこれから主流になるPCデコレーション要素なので、全部のマザーに共通して手直ししてほしいところですね。
ポン酢レッサさん
2017/01/20
5960X+R5E持ちとして、R5E10が出た時からずっと気になって気になって。手に入れた時は文字通り「ハーハー」してましたw で、調子に乗って6950Xやドミプラ128GBまで買ったので今年は新しいパソコン組んじゃダメと様奥にお叱り食らってしまいました(´・ω・`)でも、それに相応しい素晴らしい内容だと思います。OC Panelは無くて良かったですがDACは外付けのエンクロージャー付けてほしかったです。
Auraはあるからにはやっぱり使いこなしたいですよね!意外に対応マザーが多くてビックリですが、それだけにBIOSやソフトの対応が今一つのようで。私ももう少し探っていきたいと思います。
ホーリーテールさん
2017/01/20
AURAのMainboardアイコンのshutdown選択
光り方static選択→Synchronlze all areasにチェック
三角形のカラーチャートを黒にしてAPPLYで消灯に近い状態にならないですか??
違ったらごめんなさいwww
DACは接続端子が内蔵用なのが悔やまれますよね><
音もよくなる気もするし(ゲームには内臓のカニのほうがいい)ですが、ボリュームがアナログでいじれるのが便利で結構活用してます(*´▽`*)
R5E10のところはUEFI読み込み画面が10th仕様のところが気に入ってます(*'ω'*)
ホーリーテールさん
2017/01/20
Σ( ̄ロ ̄lll)ガーン
下小川さん
2017/01/20
X99A2はこれで消灯しました
北のラブリエさん
2017/01/20
Takahiroさん
2017/01/20
ポン酢レッサさん
2017/01/20
私もそのアイデアがあったのですが、やってる最中にRGBで黒色って結局点灯だよな~って思ったのですんでのところで設定を止めました。
DAC、いつかケーブルだけ引きずり出して使ってみたいですが、そこまでして使わずともすでにUSB DAC持ってたりするので、まあいっか~と思ってたりw
10thロゴいいですよね!私もこれが大好きです。
ポン酢レッサさん
2017/01/20
なんだかUEFI(BIOS)の設定時に下に出るヘルプ見ながらやってたんですが、こんがらがって真逆の事をやっていたようで、本文にも追記しましたが、無事に消灯できるようになりました。
ありがとうございます!
ポン酢レッサさん
2017/01/20
R5E10とてもいいですよ(*´▽`*)ご希望なら背中押しますw
使っていくと、日に日に愛着度が増していく。今までのR.O.G.でのお堅いイメージを持ったR5Eとはまた違い、R5E10から先のシリーズは、きっとこれを基準とした新しいコンセプトに切り替わっていくんだと感じました。
ポン酢レッサさん
2017/01/20
コメントありがとうございます!
書かれている通り、ErPの設定で無事に出来たのでレビューに追記させていただきました。
スリープの時は、まだあとでパソコンを使う可能性が高いので、電源OFFしてると勘違いしないように、とりあえず今は「ErP Ready」はS5のときだけ有効にしてみました。