GIGABYTEの小型PCです。NASサーバーに小型のPCを探していたのですが、結局これにしました。日本橋電気街で特価販売されていたものです。
(R1.11.2追記) CentOSのバージョンが無事上がりました。
(R1.11.5追記) CentOSにforked-daapdを入れました。
(R2.4.30追記) CentOS 8にアップグレードしました。
(R2.7.5追記) ディスクをリプレースしました。
(R3.12.24追記) Ubuntu Serverに乗り換えました。
(R4.9.21追記) ディスクをリプレースしました。
(R6.1.28追記) ディスクをリプレースしました。
(R6.10.16追記) メモリを増設しました。
(R6.10.30追記) インストールしたサーバーについて書きました(但し自宅専用)。
(R6.11.17追記) キャッシュ用SSDを増設しました。
内容物
内容物は本体と、説明書、ACアダプタ、外国用の電源端子、ドライバCD、VESAマウントです。
ドライバCDが付いていますが、この本体にCDドライブは付いていません。USB接続の外付けドライブがないと使えません。
本体に付いているもの
筐体全面にはUSB3.0ポート2つとMicroSDスロットが、背面には電源ジャック、HDMIポート、ギガビットLANポートが1つずつと、USB3.0ポート2つがあります。また、側面にはDVIポートとオーディオジャックがあります。
ワイヤレス機能は IEEE802.11ac(5GHz帯) と Bluetooth 4.0(Low Energy規格)を搭載しています。
電源はACアダプタで、19V2.1Aのものが付属しています。
大きさと重さ
これは超小型PCで、CDケースより一回り小さい大きさです。重さは実測478gでした。
Windowsのセットアップ
電源を入れると、Windowsの初期設定画面に移行します。適切に設定をするとWindowsが起動……するはずですが、何故か1回目はブルースクリーンになり、2回目の設定で正しく起動しました。
起動してしばらくすると GIGABYTE Smart USB Backup のダイアログが表示されますが、それとは関係なく「ドライバのインストールを完了するためリブートが必要」と言われます。今回Windowsは使わないのでSmart USB Backupの設定もしませんでした。
諸元
「設定」→「システム」→「バージョン情報」を開くと、プレインストールされているOSは Windows 10 Home、64 ビット、バージョン 1511 で、CPUは Celeron N3000で、メモリは2GBあることがわかります。Windowsとして使う場合はここからアップデートすることになりますが、私の場合はこの後Linuxを入れる予定なのでアップデートはしませんでした。
eMMCの容量は32GBですが、回復パーティションなどが含まれるため、Cドライブに使える容量は21.1GBと表示されています。さらに、システムで既に14.2GB使用しているため、残りは6.91GBです。ストレージはNASやクラウドサービスだけしか使わないというのであれば問題は……と思いましたがこの空き容量ではWindowsのアップデートの時に不安です。この機種は別途2.5吋SSDを増設できるので容量が足りないと思う人は増設しましょう。あるいは、USB3.0ポートがあるので外付けHDDを使うことも考えましょう。
各種ベンチマークの結果
Windows10は使わない予定だったのですが、せっかくなのでベンチマークをしました。
CentOSをインストールする
さて、一通り簡単なベンチマークが終わったので、Windowsとはお別れです。なぜなら、Linuxを導入して、NASサーバーにするために購入したからです。
その前に、BIOSの設定が必要です。まず必要なのは、セキュアブートを無効化することです。[Security]→[Secure Boot]を[Disabled]に設定します。
もう1つ、ブートに関するハマり点として、UEFIブート・レガシーブートの問題があります。CSMサポート有効のままCentOSのインストーラーを起動すると、レガシーブートでの構成になるようでUEFIシステムパーティションが作成されません。この場合、システムは起動しません。そのため、[Advanced]→[OS Selection]は[Linux System]を、[CSM Support]は[Never]を選択する必要があります。
なお、関係ないですがオンボードのオーディオ機能も使わないので切っています。
インストールメディアの注意点として、この機種はDVDドライブを搭載していないので普通にDVDにISOイメージを焼くのでは読み込めません(外付けドライブを持っていない限りは)。そのため、MicroSDカードにブータブルイメージを書き込んでインストールしたのですが、最初のハマりとして「本体のMicroSDカードスロットでは読み込めず、USBカードリーダーを使う必要がある」点がありました。本体のMicroSDスロットではBIOSが認識してくれないようです。
もう一つ、「イメージを書き込む時はddを使うこと」。UNetbootinを使った場合、UNetbootinのメニューが出ますが、「/dev/root does not exist」と出てきて先に進まなくなります。私の環境では母艦にVMware Playerがインストールされており、仮想Linux環境(CentOSではなく、OpenSUSE)から書き込むことができました。
ここまで正しければ、CentOSのインストーラが起動します。まずは言語設定ですが、GNU/Linuxは様々な言語で利用できます。リストは意外と長いので下の入力ボックスで検索しましょう。「j」と入力するとグジャラート語、日本語、パンジャーブ語といった言語(グジャラート語もパンジャーブ語もインドの言語)がヒットします。
CentOSインストーラーの言語設定メニュー。下の入力ボックスで検索しよう
アラビア語(右から左に書く)にするとレイアウトが左右反転する
次にセットアップメニューが出ますが、インストール先の設定が明示的に必要です。なぜなら、今からWindowsを削除して(デュアルブートではなく)Linux専用機にするからです。デュアルブートを考えている人はWindowsを削除するのではなく、SSDを増設してそこにインストールしてください。
また、LANの設定では無線LANが優先されるらしく、これも設定が必要でした。有線LANを有効にした上で固定IPアドレスを追加し、無線LANを無効に設定しました。
インストール先の設定では、「パーティションを自分で構成する」を指定します。その上で「完了」を押すとパーティション設定の画面が出てきますので、Windowsのパーティションを全て削除します(繰り返しますがデュアルブートしたいのであれば削除してはいけません)。その後、CentOSのパーティションを自動設定します。この時、UEFIブートしているのならば /boot/efi も自動的に設定されます。レガシーブートしていた場合は /boot/efi は作成されません。
なお、この時CSMブートしてしまい「不明」と表示されていますが、UEFIブートだったら何が表示されていたのかは今となっては確かめるすべがありません。
パーティション設定画面からWindowsのパーティションを削除する
メニューから「インストールの開始」を押すまでは、ストレージに変更は加わりません。それまでは「やっぱりやめた」が効きます。逆に、「インストールの開始」を押してしまうと取り消せません。
なお、インストール中にrootのパスワードと追加ユーザーの設定を行います。
正常にインストールされれば、BIOSからCentOSが認識されています。CentOSは最小構成でインストールするとコンソールで起動します。サーバーにGUIは必要ないですよね?
NASサーバーとして
SSHがインストールされていることを確認したら、以降はSSHで設定します。このレビューの範疇を超えるので詳細は略しますが、することとして
- mdadm(ソフトウェアRAID)の設定(データディスクがRAID1構成のため)
- /etc/fstabの設定(ディスクアレイをマウントするため)
- sshd_configの設定(SFTPのデフォルトマスク設定)
(最初はSFTP限定にしようとしたのですが、これは断念しました) - sambaのインストールと設定(これがなければ始まらない)
があります。
Raspberry Piを使っていたときと比べると、100BASEとUSB2.0のボトルネックが取れたため、シーケンシャルでは読み込み速度が出ています。書き込みが読み込みの半分の速度になっているのはRAID1だからです。また、LAN越しなのでバッファの影響で実際よりよく見えているのかもしれません。
(2018/3/3追記) 思うことがあってストレージのマウントオプションにnodelallocをつけることにしたので、再計測しました。シーケンシャル書き込み速度が向上していますが、遅延アロケーションがボトルネックになっていたのでしょうか? 遅延アロケーションはいらない子。
Ubuntu Serverに移行
(令和3年12月24日追加)22日の朝ブレーカーが遮断した影響か、eMMC の論理エラーで起動しなくなりました。シングルユーザーモードは起動するのですが復旧困難な状況です。
折しも CentOS 8 がサポートを終了することとなったため(forked-daapdのパッケージが無いとか不便があったというのもありますが)、CentOS に見切りをつけて Ubuntu Server に乗り換えることにしました。
ただ、インストールの時点でRAIDをマウントしてしまうとエラーが出るので、後からfstabを書き換えます。
最初、やたら遅いなと思ったのですが、うちの環境ではUASを無効にしないと遅すぎて使い物にならなくなるようです。
それと、現在のUbuntuではufwでファイアウォールの設定をするのですが、何故かfirewalldが有効になっていました。
現在の構成
NASサーバーとしての現在の構成は、
OSはCentOS 7.4(7.5にアップデートしたら起動しなくなったためアップデート抑止設定)(令和元年11月2日変更)7.7にアップデートしたところ正しく動作しました。(令和2年4月30日変更)8.1にアップデートしました。(令和3年12月24日変更)Ubuntu Server に乗り換えました。
SSDの増設はなし
元年11月以降ミュージックサーバーも兼用にしましたが、forked-daapdのパッケージがCentOSにないのでやや特殊な方法が必要です。方法は日記参照
/home ディレクトリをNAS領域兼用とし、USB3.0接続のHDDを2台、ソフトウェアRAID1を構成してext4をマウント。容量は2TB 4TB 6TB
(令和2年7月5日変更) 片方のディスクが end-to-end error を出したので買い換えました。
(令和4年9月2日変更) 現在片方のディスクが不調のため取り外しました。なお、容量は4TBになっています。
(令和4年9月21日変更) RAIDの相方を調達しました。中身とガワを別々に購入しています。
(令和6年1月28日変更) 容量が足りないため1台買い替え、1台はバックアップ用からスライドしました。現在は6TBになっています。
バックアップ用HDDはUSB 3.0接続のHDD1台で、必要な時のみマウントするように設定。容量は3TB 6TB 8TB
(令和4年9月2日変更) 容量が足りないため買い換えました。現在は6TBになっています。なお、中身とガワを別々に購入しています(WDの赤(Plus)を指名買いしたかったので)。
(令和6年1月28日変更) 容量が足りないため買い換えました。現在は8TBになっています。
(令和6年11月17日変更) メディアサーバー・写真サーバー用キャッシュが100GB以上あるので専用ディスクを増設しました。母艦でゲーム用SSDとして使っていたSATA接続のやつです。
2GBじゃ足りない
(この項令和6年10月16日追加)この機種は出荷時メモリ2GB搭載です。NAS用途で足りなくなることはあまりなかったのですが、メディアサーバー(Jellyfin)と写真サーバー(PhotoPrism無料版)をインストールすると写真のほうのライブラリ構築中にスラッシングが発生(しかも、スワップメモリまで足りなくなる状況)して片方しか起動できなくなったので、メモリを増設することにしました。裏蓋を開けると基板が見えるので、8GBのメモリに交換することにしました。DDR3L(ノートPC用)のメモリが1枚使用できます。
メディアサーバー Jellyfin をインストール
(この項令和6年10月30日追記)メディアサーバーとしてJellyfinをインストールしました。CentOS 時代は forked-daapd を使っていたのですが、使い勝手が悪いのと、なんか違う感じがしたので Jellyfin にしました。Ubuntu Server の場合は、専用リポジトリを追加する方法で行います(Docker を使う方法もあるらしい)。やり方は各自調べてください。
Jellyfin で Raspberry Pi をミュージックサーバーにする使い方をする人がいますが、Jellyfin は動画サーバーとして使うこともできます。しかし、Raspberry Pi は動画トランスコードのハードウェアアクセラレーションに対応していないので動画ライブラリを管理するには不向きです。
一方、GB-BACE-3000-FT は Intel Graphics に対応しています……トランスコードが必要なデータが現在ないので設定自体はしていますがまだテストしていませんこの機種はQSVが動作せず、VA-APIを使用する必要がありました(青字部分令和6年11月21日変更)。元々 USB SuperSpeed(3.0)対応の小型 PC が欲しくて買ったのですが(それまで使っていた Raspberry Pi 3 は USB 2.0 対応)、この機種にしてよかったと思います。
なお、LAN 専用で出先からは使用できないようにしてあります。/etc/hosts.allow と /etc/hosts.deny でそう設定しているからです。
写真サーバー PhotoPrism をインストール
(この項令和6年10月30日追記)Jellyfin は画像ファイルのライブラリにも対応しているのですが、HEIF 形式に対応していないのと、写真サーバーとして作られたものではないため、別途写真サーバーをインストールすることになりました。
Immich と迷ったのですが、PhotoPrism を使います。地図から写真を探す機能は両方にあるのですが、PhotoPrism の特徴として、人工知能がラベルをつけてくれること、read-only モードがあることなどがあります。但し、PhotoPrism のオープンソース版は単一ユーザーのみとなっています(複数ユーザーを想定していないので特に問題はない)。あと、自動的にラベルを付けてくれるのはいいのですが見当違いなラベルが付けられることが良くあります(もちろん正確なラベルが付いていることも多い)。AIが完璧なわけないじゃないですか。人間が作ったものが、完璧であるはずがないんです。いくら何でも花火の写真に「Echidna」はないでしょう。
写真サーバーにはあって然るべき顔認識機能もあるのですが(Immich にもあるはず)、私は風景写真が中心で物撮りが次いで、人物を撮ることがほとんどないので機能を切ってあります(認識自体はする)。
私の場合、写真は従来通り SAMBA や SFTP で転送しているので別途アップロード機能は不要です。混乱防止のため読み込み専用モードで(docker-compose.yml で設定する)既存のライブラリを使用しています。但し、私の環境ではライブラリの読み込みに2~3週間かかりました(十数年分の写真や動画が合わせて17万件あります)。
それと、私の場合は Docker のインストールから始める必要がありました。Docker 無しでもインストールすることはできるようですがビルドがめんどい……。
やはり LAN 専用で自宅でしか使用できないようになっています。LAN 外からの接続をすべて拒否する設定にしているからです。
-
購入金額
17,999円
-
購入日
2017年09月15日
-
購入場所
BEST DO!
mickeyさん
2019/11/05
セットでお得な値段で欲しくなりましたが
Amazonの価格を見て驚きました(^^;
148,800円・・・桁違いではなかったです。