Canola 1201は写真機メーカーのキヤノンが1970年に発売した12桁の電卓で、当時の正価は12万9000円だったそうです。
今では信じがたいですが、電卓黎明期の四則計算できない機種は50万円したそうですので、それに比べれば値段が下がってきています。それでも昭和40年代ですのでまだまだ大型で、今ではホビーユースでもなければまず見かけないリード部品が使われているようです。ICは既に使われていたようですがLSIではないようです(同年発売されるL121からLSIが使われるようになったようです)。
表示がニキシー管
この機種は、当時の多くの電卓がそうであったように表示部分がニキシー管です。ニキシー管は高電圧を使うため、商用電源が必要です(しかも日本では倍圧整流でもしないと電圧が足りません)。電池で動かすなどという馬鹿げた考えはやめましょう。持ち運ぶには重すぎます(それでも最初期の電卓よりはずっと軽くなっていますが)。
21世紀から見ればないないづくし
この機種は、定数計算機能、総計機能があります。通常のメモリはありませんが、工夫すれば通常のメモリのように使えます。
今では当たり前のように搭載されている%計算や開平は搭載されていません。更に、負数の表示ができず、機械式計算機のように10の補数表示されます。負数が出たら、「赤=」キーを押すと絶対値を読むことができます。開平機能付き、百分率機能付き、符号表示付きは(単一の機種でではありませんが)既にシャープが発売していたそうですが、この機種よりずっと高価で数十万円するものでした。
更に、今では当たり前のように搭載されている浮動小数点計算ができません。0桁、2桁、4桁の固定小数点計算のみです。もっと言えば、途中で小数点位置セレクタを切り替えると計算結果がおかしくなります。現行の機種では、計算中に小数点位置セレクタを切り替えようと正しく答えが出るはずです。
会計用電卓に見られる桁区切りは、手動でスライドさせる必要があります。また、現行のほぼすべての電卓と違い、表示はゼロパディングされます。
オーバーフローした場合は、現行品では概数表示されますが、この機種にそのような機能はなく下12桁が表示されます(オーバーフローすると左に矢印が点灯します)。ほかにも、小数点以下の桁数を過剰に入力した場合にも点灯します(乗数・除数を入力中は除く)。定数計算機能では被乗数が定数となるので使いづらいです(除算では除数が定数になります)。
なお、この機種は電源投入後すぐに計算を始めることができません。Cキーを押して手動でご破算する必要があります。
00キーなんてまだなかった
入力は加算器式で、現行品と違って押し応えがあります。デスクトップ電卓の特徴として、「大型の0キー」「大型の=キー」(この機種は加算器式で=キーが2つあり、黒字の=キーが+=キー、赤字の=が-=キーです)があります。「00キー」などはありません。
ニキシー管表示
この機種は同時期の多くの機種がそうであったように、ニキシー管を使用しています。蛍光表示管やエルフィン管(7セグのニキシー管)ほどではありませんが、それでも液晶より見やすいです。表示が光るからです。
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購入金額
11,000円
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購入日
2015年05月10日
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購入場所
ヤフオク
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