レビューメディア「ジグソー」

まだまだ現役おしゃれな黒電話

■これはなに?

昭和キッズなら誰でも知っている昔なつかし黒電話

田舎の実家やおばあちゃんの家で目にした方も多いかもしれません。

実は黒電話と一口にいっても、その種類は多岐にわたり色々な種類があったります。

僕の家にあるのはその中でも名機と名高い「4号電話」通称「ダルマ」と呼ばれるモデルになります。

 

裏の製造年月日を見ると製造は1958年製とのこと。60年以上前の機械がまだ現役で使えるってんだから当時のモノ作りの丁寧さが伺えますね。

 

■黒電話のおはなし
僕のうちにあるダルマ電話を説明する前に、ここで簡単に黒電話の歴史をご紹介を。

 

Wikipededia先生曰く、日本で黒電話が実用化されたのは昭和8年のことだったようです。
AT&Tの工業デザイナーであるヘンリー・ドレフュスさんが作った当時のシャレオツ電話をそのままパクって制作した「3号電話機」が黒電話の最初と言われています。それまで別々だった受話器と送話器が一本化され、丸みを帯びたベークライト製の本体に収められました。この本体が黒色だったことから黒電話の歴史が始まったというのが通説みたいですね。

 

3号電話機はその後多くの家庭に普及しただけでなく、太平洋戦争に突入して行く日本の通信網を支え続けました。戦争末期の物資不足の折には「木製の3号電話機」や旧式の2号電話を改修した「代用3号電話機」なんかも作られたようです。

 

そして戦後5年後の昭和25年、3号電話機からより進化しつつコスト削減も果たした本格実用電話「4号電話機」が登場します。

 

当時の大手家電メーカー6社「岩崎通信機・沖電気・東芝・日本電気・日立製作所・富士通信機製造」がそれぞれ製造を担当。最終的には約400万台が製造されました


特徴的なのは各電話のパーツに製造メーカーのロゴが入っていること。製造年式や製造会社によって個体数が異なるため、世の黒電話マニアはよりレアな個体を求めてヤフオクや骨董商を徘徊してるとかなんとか。レア電話とかもあるんでしょうね。

 

黒電話はその後昭和38年により改良を加えた600形電話機、昭和53年にコストダウンと汎用性を高めた601形電話機が開発され、多くの家庭に普及しました。僕の実家にあった電話もおばあちゃんの家にあった電話もこの600型(または601型) だったと思います。

 

そして昭和60年に日本電信電話公社がNTTに民営化され、電話がレンタルから購入するものへ、固定電話から携帯電話へ進化するとともに徐々に数を減らしていったようです。

 

4号黒電話の特徴や歴史はNTTのWebサイトに詳しい記事がありました。興味がある方はどうぞ。
http://www.ntt.co.jp/RD/magazine/history/vol1.html

更新: 2016/06/29
良いところ

抜群のスタイルと耐久性。まだまだ元気です。

・愛くるしいスタイル。
なんといっても特徴的かつすばらしいのはこの造形
色使いと曲線。質感と重量感。時代を超えたデザインは素晴らしいの一言につきます。

 

・余計な機能がなくシンプル。
操作は受話器をとってダイヤル。これだけ。おばあちゃんも迷いません。
※最近の子はダイヤル式電話機を知らないから、穴ぽこを指で押すそうですね。うちの子にはちゃんと教えないと。

 

・コンセントいらない
黒電話は電話線から供給されるわずかな電力だけで稼働します。詳しい仕組みはわかりませんが、すごいテクノロジーです。

更新: 2016/06/29
残念なところ

壊れたらどうしよう?

・トーン信号を送ることができない
黒電話には#や*というキーがありません。ナビダイヤルや自動音声の操作ができないのです。
ちなみに僕が若い頃、ポケベルの*2*2ができないので、好きな子にベルのメッセージ送るのにいちいちコンビニの公衆電話までダッシュしてました。これもまた時代すなあ。

 

・壊れたらどこでなおせばいいのかわからない。
僕の4号電話は一応東芝製なのですが、たぶんこんな古い機械は持ち込んでもサポセンの人を困らせるだけでしょう。
かといってかわりに治してくれるところも見当たりません。壊れたら部品取りの電話でも買ってきて自力で治すしかなさそうです。

更新: 2016/06/29
総評

これからも大事に使い続けたい一品

ちなみにこの電話。僕が15年くらい前にセカンドストリートのジャンクコーナーで入手したものです。バラしてオーバーホールしたのと、ケーブルの接触不良を治しただけで使えました。
今でも元気に現役バリバリで使っております。

裏面の表記を見ると東芝製なのは間違いなさそうなのだけど、何故か前面にあるロゴは「マツダ」の文字が。そして通常ダイアルがついているのは自動式のはずなのだけど、裏面は共電式との文字。そしてなぜか検印の部分が削られてます。


たぶんこの電話、企業でレンタル品として扱っていたものをその後自動式に改修したものなんでしょうね。なんといっても僕よりも長生きなこの電話。色々歴史があってもおかしくない。このまま大事に使いたいものです。

  • 購入金額

    450円

  • 購入日

    2001年10月29日

  • 購入場所

    セカンドストリート

12人がこのレビューをCOOLしました!

コメント (2)

  • checkerflagさん

    2016/06/29

    懐かしいですね、黒電話。
    私も田舎の黒電話のレンタルを解除する際、無くしたと申告して、確か500円で買い取ったと思います。
    昭和40年代に取り付けたものですから、レビューから察するに600形ですかね。
    今度田舎に帰ったら型番確認してみます。
  • hakonekoさん

    2016/07/01

    >checkerflagsさん
    コメントありがとうございます。
    レンタル電話の買い取りのお話は結構聞きますよね。

    NTTも今更返されても仕方ないんでしょうね。
    だいぶ丈夫な機械なので、パルス信号回線ならまだ使えると思いますよ。

    機会があればまた活用してみてください。

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