以前同じOCZ製の480GBモデルであるARC100 ARC100-25SAT3-480Gを掲載しましたが、こちらのVECTOR180はSerialATA接続のコンシューマーモデルとしては最上位の製品となります。
実はこの製品の2世代前になる初代Vectorも一応持っているのですが、あまり内容的に大きな差は無く、マイナーチェンジを繰り返した結果という印象です。
OCZは現在東芝の傘下に入っていますが、その前にかつて一世を風靡したコントローラーメーカーであるIndilinxを買収し、自社製のSSDにはIndilinxが開発したBarefoot3シリーズを主に搭載しています。
実際に初代Vectorから現在のVECTOR 180に至るまで、コントローラーには同系統のBarefoot3 M00コントローラーが使われ続けていて、MLC NANDのプロセス(25nm→19nm)やベンダー(東芝買収後は100%東芝製NAND)が変化したことや、付加機能の進化があっただけという差です。
今回の購入分は、東芝製のUSBメモリー(32GB)がバンドルされているパッケージでした。このUSBメモリーについては別にレビューを掲載しましたので、そちらでご確認ください。
マウンターが入っているせいもあるのですが、このパッケージは手に取ると意外と重いというのが第一印象です。ARC100のパッケージも案外重いという印象でしたが、それよりもより重さを感じます。
ハイエンドらしさは見せてくれる
それではいつも通りベンチマークテストの結果を見てみましょう。
接続先はXeon E5-2670を搭載するASUS P9X79のSATA 6Gbpsポートです。
▲Crystal Disk Mark Nano Pico Edition
シングルスレッド時の値はやや落ちるものの、それ以外での性能はさすがにシリーズの上位モデルらしいものとなっています。面白いのはNano Pico Editionの512Kの値で、他の大体のSSDはシーケンシャルよりは明らかに落ちるのですが、このモデルではシーケンシャルと大差ない値を記録しています。
それ以外の値、特に5.1.1の方の結果はSerialATA接続のSSDとしては最速レベルを争うものといえるでしょう。ランダムでもこれといった弱点を見せず優秀な値を記録しています。
一応Crystal Disk Infoの表示内容も載せておきましょう。
ただ、一つ気になるのはベンチマーク実行後の温度です。他社のライバルモデルと比べても温度の上昇が少し多めという印象を受けるのです。基本構成がARC100と殆ど同じでありながらこれ程の性能差を生じるのですから、結構クロック周波数などで無理をしているのかも知れません。耐久性として50GB/日(5年間)という値を明示(90TBW以上となる)している訳ですから、信頼性に影響がない程度の無理ではあると思いますが…。
かつてのOCZ製SSDというと、ファームウェアの完成度が低く挙動が不安定ということも度々あったのですが、このモデルに関しては値の大きなばらつきなども無く、素直に高性能というレベルに仕上がっているといえます。さすがに廉価版のTLCモデルよりは高価ですが、発売開始当初から見れば随分手の届きやすい値段になってきましたので、お買い得感も出ていてお薦めの品です。
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購入金額
17,800円
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購入日
2016年05月08日
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購入場所
NTT-Xストア
Takahiroさん
2016/05/15
JMicronコン(602でしたっけ?)がプチフリしまくってクソ過ぎてヤバい!と言われてた時期に登場したと記憶してます。
ファームの出来の悪さ・高価格の2点さえどうにかなればA-DATAくらいの立ち位置になれた可能性のあるSSDメーカーになれたかもしれないんですけどね
しかし、温度が上がりすぎです。サンディスクのエキプロでも(CDM前後で)27度→30度なのに。
jive9821さん
2016/05/15
Indilinxはデビューした頃にはほぼ唯一無二の高速コントローラーだったんですけどね。Marvell辺りの大手が乗り出してくると太刀打ちできませんでした。
温度ははっきり言って上がりすぎですね。Barefoot3が初代から全く変わっていないので、世代遅れのコントローラーを無理やり高クロックで動かして性能を出しているように見えます。まあ、安定度や寿命に影響しない程度であれば、デスクトップPC用としては許容できるのですが。