レビューメディア「ジグソー」

価格以上の物量を投入された力作

以前どこかで「そのうちAK120II/AK100IIなどの第2世代AKシリーズを買いたい」などと言っていた私ですが、何を間違えたのか全く違ったDAPに手を出してしまいました。

 

今現在は音質重視のDAPとして以下の3台を状況に応じて使い分けているところです。

 

 

 

 

 

 

 

これらはそれぞれ良さは認めるものの、明確な弱点をそれぞれが抱えていて、どれか一つが決定版という状況にはなっていません。

 

この中では価格の安いNW-A16は、ヘッドフォンアンプがやや弱いという以外には文句はつけられない製品ですが、アンプの弱さが災いして大型のアラウンドイヤータイプのヘッドフォンを鳴らすだけの駆動力はありません。AK100もアンプの弱さが気になりますし、SONY製品と比べると緻密さや正確さには欠ける部分もありというところです。ただ、AK100ならではという音質は持っていて、SONYの2製品ではつまらない鳴り方しかしてくれないようなヘッドフォンと組み合わせたときに素晴らしい音を出してくれることもあります。

 

NW-ZX1はアンプもそこそこは駆動力を持っていますが、プレイヤーとして低域方向の表現など不満もありますし、さすがにSENNHEISER HD650をきちんと鳴らすほどの力は持っていません。ただ、高域方向の透明感や解像度などは素晴らしいです。

 

 

 

 

第2世代のAKという話を出したのも、これらの弱点を改善するためにはもう1ランク価格帯を上げないと難しいかと思ったためです。とはいえ、DAPにかける金額としては高すぎるという辺りは不満ですが…。

 

そんな事を考えていたときに、某ショップの通販で比較的安く出ていたこのDX90jが目にとまりました。丁度私にとってはNW-A16やAK100の購入価格とほぼ同等ですし、LUXMAN DA-100の導入でメイン機ではなくなったものの、愛用していたヘッドフォンアンプであるRATOC REX-KEB02AKと同じESS製DAC ESS9018K2Mを搭載していて、しかもデュアルモノ仕様という構成が何となく面白そうで、金銭負担もそこまで重くないと言うことで入手してみることにしました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

最初からシリコンケースに入った状態で届いたのですが、着脱可能なバッテリーは外されていましたので、結局は一度取り出す必要がある訳で…。エージング用ケーブルや液晶保護フィルムも入っていました。

 

 

 

 

 

本体の質感などは正直言って値段の割には少し安っぽいかなとは思いますが、どうせ普段はシリコンケースに入れてしまいますし、さほど気にはならないでしょう。

 

更新: 2016/03/27
音質

アンプが意外と力強い

今回は少し意地悪だったかも知れませんが、敢えて前述のSENNHEISER HD650を中心に使って試聴しました。他にはSONY MDR-1Rや某IE80もどきも使っています。

 

ソースはハイレゾWAV(24bit/96KHzや24bit/88.2KHz)を中心にmp3等も交えています。

 

 

 

こちらの公式配信ハイレゾWAVや、

 

 

 

 

この辺りから起こした自作のハイレゾWAVです。

 

 

ある意味驚きだったのですが、今まで使ったDAPの中では、このモデルが最もHD650をまともに鳴らしてくれます。特にTOTOのアルバムのバスドラムをDAPで再生してある程度の水準で鳴ったというのは今まで無かったことでしたからね。

 

高域方向もそこそこ解像度はありますが、NW-ZX1と比べれば少しだけ雑な音になってしまっています。ただ、これもmp3で打ち込みの「Infinite Synthesis / fripSide」(アルバム「Infinite Synthesis 2」収録曲)辺りのソースでは殆ど気にならない水準です。「THE SEVENTH ONE」辺りの緻密な録音でなければそう気にはならないでしょう。

 

強いて言えば「Echoes In The Rain / ENYA」辺りを聴くと少し空間が淡泊で薄く感じられるのですが、これは能力的な問題というよりはこの製品の音質傾向という方が正確かもしれません。

 

そしてこの淡泊さが露骨な弱点となって現れるのが、前述の「NOW / Chicago」です。タイトル曲「NOW」を聴くとそこそこ小綺麗には聴けるのですが、何かつまらないと感じてしまうのです。打ち込み系の曲ではこれといって弱点は感じられませんが、他にもアコースティック系の音でまとめられた曲ではこの淡泊さで残念な音になってしまうことがありました。

 

とはいえ、総合的に見ればHD650でこれ程鑑賞に堪えるというのはそれだけで評価に値するといえます。IE80もどきでも全体的には同傾向で、概ね問題なく鳴らしてくれるという印象です。

 

一方でMDR-1Rとの組み合わせはあまりしっくりときません。前述の淡泊さが悪い方向に作用してしまうようで、どの曲を聴いてもつまらないと感じられてしまいます。決してバランスが悪いという訳ではないのですが…。

 

 

という訳で、決して万能という訳では無いのですが、HD650をある程度の水準で鳴らしてしまうというアンプの駆動力は素直に賞賛に値します。高域方向の雑さも、はっきり言って比較対象がAK100だけであればさほど気にならなかったでしょう。NW-A16も含め、SONYのハイレゾウォークマン製品群はそれだけこの部分で突出しているということです。

 

 

この製品を手に入れたことで、第2世代AKが欲しいという願望はやや弱くなりました。むしろNW-A16に外付けのヘッドフォンアンプを繋いだ方が理想像に近くなるのかも知れないと感じました。

 

新品価格ではNW-ZX1よりも安いくらいの製品でこの内容であれば、高いどころかむしろお買い得といえるのかも知れません。

  • 購入金額

    23,544円

  • 購入日

    2016年03月21日

  • 購入場所

    ソフマップ楽天市場店

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