手持ちのカナル型イヤフォンの音質を再評価しようということで、イヤーピースをいくつか買いそろえた内の一つです。以前取り上げたSpinFitと同時に購入してきました。通常は「Spiral Dot」の愛称で呼ばれることが多い製品ですね。
本来はJVC製のHA-FXシリーズ及びその先代のHP-FX500向けのスペアイヤーピースという位置付けの製品ですが、比較的ノズル径を大きめに取っていることから幅広いイヤフォンに対応することが出来ます。
私の場合、他社製のイヤーピースでは大抵Sサイズが適合するのですが、JVC製のイヤーピースは少し小さめという噂を聞いていましたので、SとMの中間となるMSサイズを選択しました。実際に使ってみるとこれが他社のほぼSサイズと同等となっているようで、装着感はしっくりときています。
割合バランス型の傾向
もちろん組み合わせるイヤフォンによって音質傾向の違いも変わってくるのですが、ここでは標準状態では中高域がきつく、刺さってくる感覚のあったPhilips Fidelio S2で試してみましょう。プレイヤーはSONY WALKMAN NW-ZX1を使います。
Fidelio S2の標準装着は硬質のシリコンタイプで、これを組み合わせるとDavid Garrettのヴァイオリンの音がかなり刺激的刺さってくる傾向があります。
そこで普段はSONY製のノイズアイソレーションイヤーピースを組み合わせているのですが、これだとヴァイオリンの音色は大幅に良くなる反面、Fidelio S2が本来持つ高域方向の元気の良さが少し打ち消され、個性が弱くなるという傾向があります。
これをSpiral Dotに替えてみると、ヴァイオリンは少し細身できつさは感じるものの、余計な付帯音が取れるせいか刺さるというほどには感じられなくなります。ヴァイオリンの美しさが出るというところまでは行きませんが、何とか聴ける水準に落ち着いてくれます。標準状態ではやはりやかましくて聴いていられなかった「黄昏のスタアライト/南條愛乃」は快適に聴けるという程度にまで改善されます。中高域より上の帯域では量自体は殆ど減らさないものの、付帯音が取れて空間が明瞭になる分、聞きづらさが大幅に改善しているということでしょう。
ただ、手放しで絶賛できるのかといえばそういうわけでも無く、低域方向の締まりと解像度がやや低下しているように感じられます。「Get Lucky / Daft Punk feat. Pharrell Williams」ではあの特徴的なベースの音がぼやけてしまい、本来の曲の魅力を損なってしまう部分がありました。
それでも今まで何かもう一つ実力を発揮できていなかったという感覚だったFidelio S2がようやく本来の良さをみせてくれるようになったのは大きな収穫です。イヤフォン本来のバランスを大きく損なうこと無く、空間にクリアさを感じさせてくれるというのが、このSpiral Dotの持ち味ということでしょう。
難点としては1サイズ3ペア入りで1,500円近いという価格面でしょう。安い店で買えばもう少しは安くなりますが…。2ペアで良いので、1,000円未満で買えるような価格設定であればもう少し魅力は増すのではないかと思います。
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購入金額
1,470円
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購入日
2016年01月02日
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購入場所
eイヤホン
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