道原かつみさん、というと、コミック版或いは、DUAL文庫版の銀河英雄伝説のイラストという印象が強いかな?
ただ、L2さんが出会ったのは、それ以前の頃からです。
そう、それがJOKERシリーズ。
近未来な地球を舞台にしたサスペンスラブコメディ、という感じでしょうか。
優しくて、奥手な青年刑事、六道リィンと、謎に満ちたヒロイン(?)、JOKERの物語です。
シリーズ最終巻に寄せて、全巻の感想をつらつらと表記したいと思います。
特捜司法官がJOKERの役職。
司法権限の全てを持っていて、捜査、立件、裁判、執行を、誰の許可も必要とせず。
更には、驚異的な身体能力、変身能力までもを持つという、スーパーヒロイン。
アンドロイドとクローン人間を合わせたような「合成人間」というのが、彼女の正体で。
最高レベルの能力を持った「合成人間」が特捜司法官という超人的捜査官になるという世界。
人間を凌駕する力をもった彼らの中の、選ばれた数人がトランプの数字をコードネームとして活躍できるという。
但し、一般人には、ドラマの中にしか居ない、フィクションだと思われている節があります。
何故なら、人工的に作られた存在に、人間が勝手に裁かれているという事実が、合成人間に対する反感となって噴出すると考えられているから。
主人公のリィンも、そう思って生きてきましたが、不思議な縁で、特捜司法官の中でも、更に存在しているか不明のハズのJOKERと出会ってしまいます。
JOKERとお互いに惹かれあいながらも、逢瀬は事件現場、捜査中w
様々に起きる事件を解決しながら、ついに相思相愛になるのです。
そんな中で、この巻のタイトルのようにJOKERに迫る解体処分の日。
合成人間は、能力が高い代わりに、人間とは比べられない速度で体が劣化していき、放置すると精神変調をきたしてしまったり、意図せぬ暴走をする為に、稼働期限を過ぎたものは処分されてしまうのです。
それは、最高の能力を持つ特捜司法官であっても同じ。
それを知られないように、そっと、リィンの前から姿を消そうとするJOKER。
しかし、事件が、それを許さない。
地球環境を揺るがすレベルの犯罪へ、協力して立ち向かい、そして、別れの瞬間がやって来ます。
解体処分の日を迎えたJOKERへと想いを馳せるリィン。
そこにリィンの前からそっと消えようとしたJOKERの思惑をぶち壊して、最後の事件に巻き込んだ、とある人物が…。
リ「ジェンクスさん、貴方は特捜司法官という制度が嫌いだと仰っていたじゃないですか」
ジ「嫌いだからと、潰そうとするのは幼稚な考え方だ。気に入らなければ、作りかえればいいんだ、内部からゆっくりと、皆が幸せになるように」
彼の計らいで、リィンは、力を使い果たして余命いくばくもなく、更には記憶まで失ったJOKERと再会し、新しくも短い恋を始めます。
そして、ラストシーン。
老境、といっても良い位に齢を重ねたリィンは、幼い特捜司法官の卵達と遊びながら、訓練をして会話をしています。
JOKERを幼くしたような子や、他の特捜司法官達のような面影がある子供達に囲まれて、
子「昔、合成人間は職業を選べなかったって本当?」
リ「そうだね、今の皆とは違ったからね」
子「リィンは、どうして保父さんになったの? 前は刑事さんだったんでしょ?」
リ「定年後も、警察関係で働くつもりだったけど、悪いおじいさんに騙されてね」
子「ふーん、そうなんだ、じゃあ、悪いおじいさんに感謝しなくちゃね」
リ「感謝? なぜ感謝?」
子「ふふっ」
リ「そうだ、君は、将来なにになりたいんだい?」
子「うーん、それはまだ決めていないけれど、ひとつだけ決めている事があるんだ」
子「それはね」
子「リィンをオムコさんにすること!!」
リ「はあぁあ」
子供たち「ズルい、私もー」「予約ね♥」と抱き着かれます。
このシーンはリィンがその優しさで、いつも遊んであげている司法官候補生達に好かれている、という微笑ましさもあるのですが。
それ以上に、リィンを好きになったJOKERの心が子供たちの心に受け継がれているような、そんな描写に思えて、涙腺が緩みます。
おじいちゃんになったリィンをオムコさんに貰いたい、っていうのは、字面だけ見るとギャグかなと思うのですけれども、ね。
とても好きなシリーズです。
通常サイズと、文庫版の二種類持っている位にw
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購入金額
594円
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購入日
不明
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購入場所
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