以前、K2インターフェース搭載製品第1号機となったXL-Z711を掲載したことがありますが、こちらのXL-Z621は2号機ということになります。
XL-Z621はXL-Z711比で0.5ランク下かつ0.5世代新しいという、何とも微妙なポジションに登場した製品でした。
当時XL-Z711をメインに据えて使っていた私は当時この製品に興味は無かったのですが、実売価格が案外安かったことからお買い得度は高く、友人に薦めたところこれを購入し、その後長く使っていました。
しかしオーディオ機器をアンプ、スピーカー、PC+オーディオインターフェースという形に改めた際にプレイヤー類は不要になったということで、アナログプレイヤー(KENWOOD KP-9010)と共に我が家に引き取られていきました。したがってKP-9010は現在手元に2台あるわけです…。
見た目はXL-Z711のような押し出しは無く、比較的スマートにまとめられていますが、デジタル回路などの内容はXL-Z711とほぼ同等となっています。
アナログ出力では古さを感じるが、デジタル出力が意外と良い
まず、通常のアナログ出力での音質ですが、さすがにデジタル系の古さを感じさせ、解像度もあまり高くはありませんし、高域方向の表現は随分粗くなります。K2インターフェースの効果で透明度自体は悪くないのですが、微細な表現は出来ていません。
その意味で根本的な性格はXL-Z711に近いのですが、XL-Z621の方が押し出しやメリハリという部分がやや押さえられ、若干ながら大人しめな音となります。この辺りは構造面で剛性を追究したXL-Z711よりはごく普通の構造であることが影響しているのかも知れません。
しかし価格帯の割にメカなどはかなりしっかりと作られているようで、現時点に至るまで動作不良などは全くありません。コストはしっかりとかかっているということは伺えます。
そしてこのコストがしっかりとかけられたメカによるものなのか、デジタル出力時の音質は意外なほど良好です。実は近い世代のCDプレイヤー数台を並べて外付けのD/Aコンバーターの音質評価をしたことがあったのですが、同じDACを接続したときに最も音質面で良好だったのはXL-Z621でした。比較対象はONKYO C-901FXやYAMAHA CDX-2000といった、XL-Z621よりも高額な製品だったのですが
…。
XL-Z621程度の出力品質があれば、現行世代のD/Aコンバーターを接続してやればまだまだ充分使えるだけの水準は保っているのではないでしょうか。設置場所が違うのでまだ試していないのですが、LINDEMANN USB-DAC 24/192X辺りであれば充分楽しめる音質となりそうです。
今売られていれば恐らくタダ同然となってしまう程度の価値しかない製品だと思うのですが、CDトランスポートとして使う分にはなかなか良い選択だと思います。
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購入金額
0円
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購入日
2015年11月13日
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購入場所
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