煙草にも「イメージ」がある。オシャレな感じの煙草、大衆向けの銘柄、女性が吸うと粋なブランド、ワイルドにアウトドアの薫りがするもの...比較的海外の煙草にそういった「イメージ」がある銘柄が多いが、国産の煙草もいくつかはそういった「イメージ」がある銘柄がある。
ピースライトは、戦後間もなくからつづく代表銘柄ピースのニコチン・タール軽減版。ピースのフィルター付(いわゆるロンピー)は象牙色のイメージでやや高年齢層向け?という感じだったが、ピースライトは原形の両切り(ショッピー)のイメージカラー青を使ったパッケージで、でも白をベースとしたことで少し若々しい感じというイメージだった。
当時はまだ世に大々的に流れていたタバコCM、ピースライトシリーズは中川昌三、天野清継、古川展生など粋でイケメンなアコースティック楽器系の使い手をイメージソングに採用し、大人っぽく知的な感じのイメージでおした。
そのピースライトの1993年のCF音楽を担当したのがヴァイオリニスト、古澤巌。東京都交響楽団のコンサートマスターも務めたことのある技巧派の彼は、ジャンルにもとらわれず、クラシックのみならずジャズやニューエイジ系の作品も多い。ヴァイオリン弾きなのにチェロ用の短いボウを使うこだわりの彼の音楽はとてもリリカル。
「Shôro Indigo」は情熱的な古澤のヴァイオリンが歌う前半はフラメンコ風のギター✕2+パーカッションのバッキングがめだつが、中間部で生明慶二(あざみけいじ)のダルシマー(dulcimer)のソロがありエスニックな感じに。所々に入る鋭いカスタネットがいいアクセント。ラストがかわいらしく?ピチカートでおわるのもイイナ。
「Csárdás」はVittorio Montiの唯一の有名曲って...でもこの一曲だけはだれでも識っている、日本語表記「チャールダーシュ」。古澤のヴァイオリンが赤坂達三のクラリネットと絡みながらゆっくりとたゆたう前半~二人とも速度を増して古澤巌のベースがグイグイ引っぱるジプシー風の情熱的な中間部~朝川朋之のピアノがドラマチックに盛り上げるラストと曲調がころころ変わるが、古澤のプレイも緩やかな前半と弾けるような中間部、力強いボウイングの終末部といろいろな魅力が4分足らずの曲に詰まっている。
見事にピースライトの目指す方向(購買ターゲット)とも合い、結構長い間巷に流れた。その映像から受けるダンディズムと粋はある意味たばこ広告が禁止されるのもわからなくもない憧れを誘うものだった。そういう意味では喫煙人口を減らそうと思えば、たばこ広告というものはなくしていくべきものだとは思うけれども、良質な音楽に出会えるきっかけが一つなくなったのはザンネンだなー、と思ったり...
【収録曲】
1. Shôro Indigo
2. Csárdás
「Shôro Indigo(CF ver. -Short-)」
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購入金額
800円
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購入日
1993年頃
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購入場所
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