『玄』に続いてのレビューは、『魄』、存在感の重みが心地よい、末弥純さんの画集、第二弾です。
ウィザードリィ画集や、テーマ画集は外伝的な感じで、末弥純個人の画業からの選りすぐり、という意味の第二弾ですね。
画集としては、巻末の年表をみると5作目位かな?(イラストカード集も含めると、7作目?)
末弥さんの絵は、存在感といい、対象の重量感といい、見ているだけなのに、ずっしりと作品から圧し掛かってくる迫力が最高です。
『玄』のレビューで、雰囲気とか、空気の切り取りとか、語っていますので、重複を避ける為にも、『魄』の良い所、見どころを書きますね。
なんと!
この画集では、作品の細部の拡大画像が掲載されているのです!!
ヤバい、鼻血出そう。という位、私は、この拡大画像にノックアウトされました。
油絵に近い、アクリルガッシュでの描画なので、ペンのように細やかな主線や、描き込みはないのですけれども。
グッと引いて全体像を見ると、華やかな装飾であったり、重厚かつ繊細な鎧の造作として映えるという筆致。
上記画像のグインの毛皮のもふもふ感と、宝冠の煌きと質感、その両方が同じ画材の一見無造作にも見えるタッチで表現されています。
このタッチを見ると、異世界の情景を『写し獲る』というよりも『彫り象る』という感じがします。
描く時には、色を足して言っているのだと思うのですが、じっと見ていると、真っ黒なキャンバスから、色を削って引き算して、埋まっている姿を取り出しているような、そんな異次元の感覚です。
原画を直接見たら、その力に圧倒されて気絶するかもしれないな、と妄想するL2さんでしたw
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購入金額
4,320円
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購入日
不明
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購入場所
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