MAZE featuring Frankie Beverly。その名の通りソウルヴォーカリスト、Frankie Beverlyを中心としたバンド。長寿バンドで1976年から現在まで続いている。当然メンバーチェンジはある程度あり、現在までに20人以上のメンツが関わるが、このバンドはFrankieの強烈な個性が引っぱっているので、そんなに印象が変わらない。
同時期の同系長寿バンドとして(厳密にはやや先輩バンド)Earth, Wind & Fireがあるが、EWFがテクノロジーを取り入れるのに衒いがなく、時代によって音が変遷していくのに対して、よく言えば王道、悪く言えば保守的な感じ。機械に頼らず、汗かこうぜ、というような感じのアツイ曲が多い。それが彼等がライヴバンドとして生きているからであろうか。
CD前半はそんな彼等の1980年11月14~15日のニューオリンズのSaenger Theatreでのライヴ。ちょうど後々まで彼等の代表曲となる「Joy And Pain」を含む同名アルバムをリリースしたばかりで、かなり波に乗っていたときの作品。メンツとしてはFrankieがヴォーカルとエレピ(なつかしのYAMAHA CP!)、Roame Lowryがコンガとコーラス、Mckinley Williamsが他のパーカッションとコーラス、Robin DuheがベースでSam Porterがオルガンとシンセ、ギターがRon SmithでドラムスがBilly Johnson、そしてローズとシンセが久保田利伸や平井堅などのクロっぽい系アーティストのレコーディングで今も活躍するPhilip Wooという布陣。
「こゆい」彼等のステージングが楽しめる前半は、やはり聴き所は「Joy And Pain」。当初シングルカットされなかったのに彼等の代表曲の一つとなったこの曲は、導入は「リズムマシン」。続いて16ビートのドラムスに対してゆったりとした印象的なベースラインがFrankieのCPとベースによって奏でられる。淡々と、でも熱く進んだあとは会場との掛け合い。最後はアカペラで。会場も「分かってる」。
続くのはファンキィなヒット曲「Southern Girl」。ベンドとモジュレーションを多用した「シンセサイザーしてる音」とローズの対比が楽しい。ギターのフレーズが1970年代って感じだなー。
スタジオ録音部分に移ると「Running Away」がCOOL。アフタータッチのモジュレーションがノリを出すシンセと「ハンドクラップらしい」ハンドクラップがバックビートに入る懐かしアレンジ(当然当時はコレが「流行(はやり)」)。Aメロのワンコードが潔いな。
オリジナルアルバムは絶えて久しいけれど(最後の作品↓)、
まさに彼等はライヴバンドで、現在でも月に数度のライヴをこなし、2015年6月現在、9月のライヴの告知もある「生きている」バンド。最近の映像を見ても外見は「老けた」がまだまだグルーヴは健在。斃れるまで1プレイヤー、と言うのが潔いFrankieにはまだまだ熱く歌って欲しい。これからのアツい季節に!
【収録曲】
1. Changing Times *
2. Joy And Pain *
3. Southern Girl *
4. Look At California *
5. Feel That You're Feelin' *
6. The Look In Your Eyes *
7. Running Away
8. Before I Let Go
9. We Need Love To Live
10. Reason
*:Live In New Orleans
「Joy And Pain」(本作に収められているテイクではないが、ほぼ同時期のライヴ)
「Running Away」
-
購入金額
2,000円
-
購入日
1990年頃
-
購入場所
北のラブリエさん
2015/06/15
こういうの大好物ですb
cybercatさん
2015/06/15