先日年度末恒例のNTT-Xストアの特売で入手したNASです。
OSにはWindows Storage Server 2003 R2を採用していて、間もなくサポート期限切れですが、主にAV機器向けのファイル置き場なのでそこは敢えて気にしないことにしました。
後ろに見えている箱の中に手前の箱が収納されるという、二重構造で梱包されていました。
箱を開けると添付品(ソフトウェアCD、システムリカバリーディスク、マニュアル類、鍵)が入っていました。
これが本体です。鍵の付いたフタの奥がディスクベイとなっています。
中のHDDはニアライン向けではなく、ごく普通のSATA 7,200rpm 500GBという仕様のものです。
HITACHI、TOSHIBAという二つのブランドが印刷されていて、型番もHGSTのHDS721050DLE630と、TOSHIBAのDT01ACA050とが併記されているものです。ちなみにデバイスマネージャ等ではHGSTの方の型番を返してきます。
HDDを取り外し、ディスクベイを見てみました。ホットスワップに対応しないという、何とも微妙な仕様のNASです。
NASとはいえ、ごく普通のx86向けWindowsであるWindows Storage Server 2003 R2が動作しているわけで、実際のところは小型・省電力サーバーというべきハードウェアです。主な仕様は以下の通りとなっています。
CPU:VIA nano 1.3+GHz (最大1.6GHz)
メモリ:3GB
USB端子:4ポート
VGA出力装備
RAIDはあくまでソフトウェア構成ですので、パフォーマンスという意味ではあまり期待出来ません。
OSのWindows Storage Server 2003 R2は、実際問題としてはストレージ管理に最適化されたWindows Server 2003 R2そのものであり、機能はWindowsでアプリケーションを導入すればいくらでも追加出来ます。
OS用ドライブは32GB程度のSLC NAND SSDで良いのでは?
まずはこの製品のアレイの構成を確認しておきましょう。
CドライブはDisk 0とDisk 1でミラーリングされている、約20GBの領域です。ここにWindowsがセットアップされています。ある程度空き容量はありますので、それを利用してアプリケーションを追加しろということでしょう。今回はDLNAサーバーと、VPNクライアント(自宅の外に設置するが自宅からも参照出来るように)を追加しました。
問題の速度ですが、Crystal Disk Markの結果を見てみましょう。Windows Storage Server上で直接実行した値ですので、ネットワーク速度に影響を受けず単体での速度となっています。
読み出しは1Gbit/sが限界のNASとしては、これ以上必要無い程度には出ています。元々今時の7,200rpm SATA HDDですから、単体でも十分な速度は出ますし、今時のRAID5は読み出し時のパフォーマンスで大きく落ち込むほどでもありませんので。
一方で書き込みはかなり悲惨な速度となります。これは明確な理由があり、仕様上Windowsの起動(物理)ドライブは書き込みキャッシュを有効にすることが出来ず、RAID5のボリュームに起動物理ドライブが含まれてしまうこの構成では、全HDDの書き込みキャッシュが有効化されないためです。本気で実用性能を追求するのであれば、起動物理ドライブをアレイから独立させるような構成を考えるべきです。
実際に使ってみると読み出しは十分に快適なのですが、ファイルをまとめて転送しておくにはかなりの時間を要することになり、不便に感じます。一度まとめて転送しておけばあとはあまり大量の書き込みを行う機会は無いと思いますので我慢していますが、この仕様は正直いただけません。
OSの領域は2~30GBもあれば充分なのですから、32GB程度のSLC NAND採用SSDでも搭載してあれば、快適性は大きく増しますし、信頼性も十分確保出来るのではないでしょうか。(通常は)決して安い品ではありませんので、検討の余地はありそうな気がします。
Windowsだけにカスタマイズ幅は大きい
NASとしての基本的な機能はWindows Storage Serverのものに加え、Logitecのツールが標準で用意されています。
本来想定されている中小規模のオフィスにおけるNASの用途であれば、標準の機能だけで充分カバー出来るのではないかと思います。
しかし、今回はあくまで個人利用であるため、先日導入した簡易型のNAS、RATOC RS-EC32-CLDを補完するためのものであり、VPN的な機能がある(出来ればPacketiX VPN互換)こととDLNAサーバー機能は欲しいところでした。
この辺りは豊富なWindows資産を導入出来るメリットを存分に活かし、それぞれ愛用のアプリケーションをインストールすることで対応しました。
最近では市販のNASキットでもソフトウェアや機能をカスタマイズ出来るものもありますし、そちらの方が簡単ではあるのですが、自分好みの環境を突き詰められることがWindowsのメリットといえます。
色々不満はあるのですが、使いこなしで何とかしようと割り切って使っていくことにします。
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購入金額
19,800円
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購入日
2015年03月30日
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購入場所
NTT-Xストア
ふっけんさん
2015/04/03
今でもクアッドコアのNanox4マザーが発売されたら飛びつきたいですね(;=゚ω゚)=333
jive9821さん
2015/04/03
実はこのシリーズの次のモデルはnano X2搭載で、本当はそちらが欲しかったのですが、値段の差が大きかったのでこちらで妥協してしまいました。2ベイのモデルにはEden X2もあるなど、LogitecのNASは意外と面白い構成です。
これでnano X4のモデルが出てくれれば次に検討するところなのですが…。