レビューメディア「ジグソー」

ジャズの敷居を低く...?w

所持する音楽データに対する私利私欲...イヤ私情私見あふれるコメント、音楽の杜。こういった分野のものは「好み」ですし、優劣を付けるのもそぐわない気がしますので、満足度の☆はあくまで私的な思い入れです。ジャズ、という音楽分野、もとは黒人労働者から始まった西洋音楽と黒人音楽の融合から始まったもので「大衆的」なもののはずでしたが、テーマを決めてそれを発展させていく..という手法は一般的には「節回しを覚えづらく」、現在世間ではとっつきづらい音楽となっています。そんな状況を打破すべく、活動している若手ジャズグループの作品をご紹介します。

Lowland Jazz。ジャズフェスティバルなどで最優秀プレイヤー賞を取るような若手の凄腕ミュージシャンが「ジャズの敷居を低く」をキーワードに活動しているグループ。どジャズであろうがフリージャズであろうがやりきるだけのテクニックはもちろんあるが、Lowland Jazzとして活動するときは「親しみやすい曲をジャズアレンジで」というポリシーで、今まではボカロ曲をジャズアレンジで演奏するなどの活動をしてきた。そのコンセプトで纏められた1stアルバム

は制作費調達をクラウドファウンディングに頼るなど、新世代のジャズミュージシャンらしくジャズの一般化活動以外にも常に新しい試みをしている。

そんな彼らの2ndアルバム(というかメジャーデビューアルバムというか)。今回は1stからメンツが少し変わっている。14人構成のビッグバンドだったので永続するのにはかなりエネルギーが必要だろうと感じていたが、1stではアレンジにも多く関わっていた1st Tromboneの高井天音が抜け、代わりに艦これのジャズアレンジ

で吹いていた太田垣'OTG'正信が加わっている。他に1stでアレンジとともに鍵盤を担当していた小島裕規がアレンジャーに専念し、キーボードプレイヤーとしては学生時代相撲部にいたことで「力士ピアニスト」の異名をとる千葉岳洋が加わった。そして1stでは準メンバー扱いだったパーカッションの福岡高次が正式にメンバーにクレジットされ、プレイヤーとしては15人編成となった(曲によって全員が参加するとは限らないので、「最大で」15人のビッグバンド)。今回も曲によってはゲストヴォーカルを呼ぶが、前作のthatではなく別の3人のヴォーカリストが起用されている。この3人はそれぞれ歌い方にかなり特徴があるので、前回のthatに比べるとアクが強く、特にヴォーカル曲は前回とはかなり趣向が違う感じを受けるが、今回はアニメの主題歌のジャズアレンジというコンセプトで「ジャズの敷居を低く」という方向性自体は変わっていない。
15人構成...とは言ってもジャケット裏のメンバー写真には福岡は写っていないのだが。
15人構成...とは言ってもジャケット裏のメンバー写真には福岡は写っていないのだが。
もはや比べながら聴いてもサビ以外はどこがどこかよくわからんwおジャ魔女どれみの「おジャ魔女カーニバル!!」から始まる。これは見せ場(聴かせ場?)だらけ。まず大場俊のキレっキレのドラムと小林修己の異次元ベースがかためるリズムに新メンバー千葉のエレピと珍しくストラトを弾く紺田凌平のリズムギターが乗り、管楽器が攻める。なんと言っても1st Trumpet吉澤達彦の超ハイトーンと新1st Tromboneの太田垣の甘い音の対比がステキ。Bariton SaxとBass Tromboneで下支えする小田采奈と青地宏幸の低音組の安定感、短いがラストには2nd Alto Saxの小泉潤弥のソロもあり、ラッパ隊も魅せ場たっぷり!!!

「ルージュの伝言」は小粋なギターのバッキングで始まり、ボサ風のアレンジで構成。寝占友梨絵のちょっとけだるげな声がどことなくユーミン風。弱音器噛ましたラッパの表情、歌心がある生ギターのソロと聴かせるが、ところどころのブレイクでのラッパ隊のコミカルなプレイが楽しい。ヴォーカルラインも後半結構フェィクしていて小粋。

「恋は渾沌の隷也」はcybercatは元歌を識らなかったのだが、Youtube等で確認したところ結構元アレンジに近い。もともと早口言葉系の歌詞の高速中華風?チューンだが、さらに速くなっており小林の超速ベースとキレの良い大場のドラムに載せてラッパ隊が交互にラインをとり盛り上げるイケイケの曲。紺田のギターもモジュレーションがイイ感じの「異国情緒」?w

一応「親しみやすい曲をジャズアレンジで」という方向性自体は変わっていないのだが、1stに比べるとかなりアレンジが突き抜けていて、元曲を識っていないと難しい曲もある。そういう意味では「敷居度」としては少し上がってしまった様相。

つか、cybercatが識らない曲が多いのは、オッサン時流に取り残されてるだけ?(^^ゞ

【収録曲】
1. おジャ魔女カーニバル!!(おジャ魔女どれみ)
2. キン肉マンGo Fight!(キン肉マン)
3. READY!!(THE IDOLM@STER)
4. ゆずれない願い(魔法騎士レイアース)
5. DAYS(交響詩篇エウレカセブン)
6. ペガサス幻想(聖闘士星矢)
7. ウィーアー!(ONE PIECE)
8. ルージュの伝言(魔女の宅急便)
9. めざせポケモンマスター(ポケットモンスター)
10. only my railgun(とある科学の超電磁砲)
11. もってけ! セーラーふく(らき☆すた)
12. 1/3の純情な感情(るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-)
13. Cruel Wings of Angels(新世紀エヴァンゲリオン)
14. 恋は渾沌の隷也(這いよれ! ニャル子さんW)
15. コネクト(魔法少女まどか☆マギカ)
16. ガーネット(時をかける少女)

Guest Vocals
4:吉田沙良、8:寝占友梨絵、13:吉田純也

「おジャ魔女カーニバル!!」

  • 購入金額

    2,700円

  • 購入日

    2015年03月14日

  • 購入場所

    TOWER RECORDS

18人がこのレビューをCOOLしました!

コメント (7)

  • 退会したユーザーさん

    2015/03/24

    高音の伸びが気持ちいいですね。

    収録曲は2年前までの定番になりつつある曲が多い気がします。
  • cybercatさん

    2015/03/24

    ...ではもう少し気持ちよくなっていただいてw


    >収録曲は2年前までの定番になりつつある曲
    なるほど。
    子供が見ていたのに付き合っていたのが5年ほど前までなので3年ほど抜けているのですね。
  • 退会したユーザーさん

    2015/03/24

    まあと言っても、ここ5年ほどの間の作品は2つほどしか入ってないですけどね。
    最近のアニメは深夜とか日曜日の朝とかに流れるのでむしろそっちが原因かもしれません。

    1. おジャ魔女カーニバル!!(おジャ魔女どれみ)→1999年
    2. キン肉マンGo Fight!(キン肉マン)→1983年
    3. READY!!(THE IDOLM@STER)→2011年
    4. ゆずれない願い(魔法騎士レイアース)→1994年
    5. DAYS(交響詩篇エウレカセブン)→2005年
    6. ペガサス幻想(聖闘士星矢)→1986年
    7. ウィーアー!(ONE PIECE)→1999年
    8. ルージュの伝言(魔女の宅急便)→1989年
    9. めざせポケモンマスター(ポケットモンスター)→1997年
    10. only my railgun(とある科学の超電磁砲)→2009年
    11. もってけ! セーラーふく(らき☆すた)→2008年
    12. 1/3の純情な感情(るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-)→1996年
    13. Cruel Wings of Angels(新世紀エヴァンゲリオン)→1995年
    14. 恋は渾沌の隷也(這いよれ! ニャル子さんW)→2013年
    15. コネクト(魔法少女まどか☆マギカ)→2011年
    16. ガーネット(時をかける少女)→2006年
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