最近某通販で叩き売り価格まで下がっている、ELECOM製のインナーイヤーフォンです。
このシリーズとしては下位にあたるモデルですが、ハイレゾ対応を明言している辺りが売りとなっているようです。もっとも、この場合のハイレゾ対応というのは、高域側の周波数範囲が40KHz以上であることが条件となっているだけですから、必ずしも聴感上の音質とは結びつかないということはいうまでもありません。
箱汚れ品という名目での安売りなのですが、私の目には汚れが判りません。在庫放出のための名目ということなのでしょうけど…。
高級感というわけでもないのですが、そこそこシックにまとめられたパッケージデザインで印象は悪くありません。
本体は価格の割にはなかなか高級感があります。TOSHIBA RZE-S70が音質の割に安っぽい見た目で損をしているのとは対照的です。
強調感が気になる
パッケージには周波数範囲として5~40,000Hzという数字が書かれていますので、ワイドレンジという辺りには自信があるのでしょう。そこで今回はWALKMAN NW-ZX1で聴いてみました。
まず一聴して気になるのは極端なドンシャリ傾向です。ワイドレンジを強調する機器にありがちなパターンである、可聴範囲の内側の端の方を持ち上げて、「低音も高音もよく出ている」というアピールをしているような音なのです。
特に低域方向はNW-ZX1もお世辞にも褒められたものではありませんので、質の悪い低音が分厚く出て来てあまり気持ちの良いものではありません。
高域方向はキレや透明感はまずまずなのですが、ハイハットの金属感がもう一歩というところでしょうか。生で叩いているはずの演奏を聴いても、打ち込みっぽく聞こえてしまう傾向があります。
率直に言えば、この製品と前述のRZE-S70を音質だけで評価すれば、RZE-S70の方がはっきりと完成度が高いというべきしょう。もっとも、プレイヤーが比較的安いカマボコ型の音を出すものであれば、この強調感が上手く填まる可能性はあります。NW-ZX1やAstell&Kern AK100では強調感が感じられてしまうということになりますが…。
もっとも、実売価格を考えればさほど悪いものではありませんし、外装の高級感などはもう少し上のクラスと張り合えるレベルですから、総合的に見ればまずまずのコストパフォーマンスということが出来ます。実売価格3千円以下で何か買いたいという方には充分お薦めといえます。
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購入金額
2,680円
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購入日
2015年12月18日
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購入場所
NTT-Xストア
harmankardonさん
2015/12/22
最近,EHP-R/HH1000Aシリーズが気になります.
jive9821さん
2015/12/22
最近何となくストレスが溜まっていたせいか、安いものを見つけてはとりあえず買ってみるが続いてしまっています。
ELECOMのこれまでの製品は意欲的ではあるのですが、まだ音としての完成形が見えていないという印象を受けてしまいます。今回の新シリーズで何かを掴んで変わっていれば、ひょっとすると名作を生んでくれるかも知れないと期待はしているのですが。
実は先日ポタフェスも一応見てきたのですが、時間が無くてELECOMのブースまでは試聴に行けなかったんですよね…。