オーディオカセットは磁気テープに信号を記録し、それを読み取ることで録音・再生するメディアです。
カセットテープを取り扱う装置であるカセットデッキ側には、ヘッドと呼ばれる磁気の読み取り・書き込みを行う部品があり、録音時には磁力を発生してテープ側の磁気の方向を変え信号を記録し、再生時にはテープ側の磁気の配列を読み取ることで信号を読み取っています。
一般的なカセットデッキの構造では、ヘッドは録音・再生兼用のものが1つと、録音時にそれまで記録されていた信号を消去するための消去ヘッドを1つ搭載する形となっていましたが、リバース対応デッキ(テープの挿入方向を手動で変えること無く利用する面を切り替えることが出来るもの)では消去ヘッドが2つ搭載されていることがあるほか、比較的高価格なカセットデッキでは録音・再生にそれぞれ専用のヘッドを搭載した3ヘッドというものも存在していました。
これは録音・再生のそれぞれの動作によって、最適となる特性に僅かな違いがあることから専用のヘッドを用意することで高音質化を図るというものだったのですが、結果的に録音と再生でヘッドが分かれていることによって録音した音をそのまま真横の再生ヘッドで読み取ることが可能となり、リアルタイムで録音状況をモニターすることが出来るという、新たなメリットを生むことになります。
話が逸れましたが、カセットに対して微弱な磁気信号を扱うヘッドですが、自らが磁力を発するということもあり、ヘッドそのものが常に一定の磁気を帯びてしまうことで扱う信号に影響を与えてしまうという現象があり、これを帯磁と呼びます。このAT5022はその帯磁を解消するための装置であり、カセット・イレーサー(ヘッド・イレーサー、カセット・ディマグネタイザー等とも呼ばれます)というものです。
お手軽なカセットタイプ
元々帯磁という現象はコンパクトカセット(所謂ごく普通のカセットテープ)以前のオープンリールデッキの時代から指摘されていた現象であり、オープンリールタイプに対応するスティック状のものも用意されていました。
しかしこのスティック状のものは取扱が難しく、方法を間違えると何もしないよりも帯磁してしまうことがありました。
一方こちらのカセットテープ形状のものは、当然形状が異なるコンパクトカセット以外のデッキに使うことは出来ませんが、挿入してデッキを再生状態にするだけで使うことが出来、取扱に必要な技量を問わないという大きなメリットがありました。
注意点としてはテープに記録されているよりも遙かに大きな磁気信号が発生することから、デッキからの入力を切っておくなどの対策をしておかないと、強烈な音が出力され、最悪の場合スピーカー等を破損する可能性があるということです。逆に言えば取扱上の注意はそれくらいです。
カセットとは長い付き合いですので、この類の製品はいくつか買った記憶があるのですが、今手元ですぐに使える状態だったのがこの製品だったので取り上げました。
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購入金額
0円
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購入日
2015年01月23日
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購入場所
ふっけんさん
2015/01/28
まだ、ウチにも眠っています。
昔のAIWAのようにディマグネタイザー内蔵だとボタン押しだけで消事できて便利だったんですけどね(^^;
jive9821さん
2015/01/28
そのうちSONY製のスティック型も取り上げようと思っていますが、倉庫から探してこないと…。