所持する音楽データに対する私利私欲...イヤ私情私見あふれるコメント、音楽の杜。こういった分野のものは「好み」ですし、優劣を付けるのもそぐわない気がしますので、満足度の☆はあくまで私的な思い入れです。音造りが時代を表す、ということがあります。サンプリング、スクラッチ、コラージュ..1990年代に発達した手法をちりばめた作品をご紹介します。
中西圭三。最近はすっかり恰幅もよくなって、「ぱわわぷたいそう」(NHKおかあさんといっしょ)や「Choo Choo TRAIN」(ZOO。今の人にはEXILEと言った方が良いのかな?)の作曲者として有名だが、本人もとても上手いヴォーカリスト。特に1990年代前半は露出が多く、比較的似た傾向の久保田利伸がアメリカでの活動を重視し、日本での露出が少なくなったあとを受けて、「ポスト久保田」として注目された。
楽曲的にも初期久保田に通じるものがあり、ソウル系のJ-POP。ただよりポップで、ドゥーワップなどオールディーズ系の薫りが強く、逆に久保田にはあるレゲエやボサ系のフレーバーはほとんどない。
そんな彼の一番活動が活発だった1990年代中盤(1994年)のシングル。同名のシングルが8cmCDとしても発売されたが(非情階段(Radio MIX) )、こちらは12cm盤の「Hyper-Radio MIX」。装丁がアナログ12「インチ」シングルと似せて造ってあるのが楽しい。12インチシングルはスクラッチなどのやりやすさでディスコで重宝されたが、本作もそこで使われたスクラッチなどの手法が使われたダンスミックスになっている。
この手の装丁結構流行ったな..(色褪せてるので写してないがさらに透明プラのスリーブが付く)
「非情階段(Hyper-Radio MIX) 」。最初にラジオの選曲をしているような音で始まり、中西の他のヒット曲が代わる代わる現れるのが楽しい。そしてチューニングが「合う」と、ミュートトランペット+ピアノ+ウッベ(風の音)のジャジィな薫りの1フレーズがあって「おぉ、COOL」と思った..ら..w。リズムマシンが切り込み、グルーヴィなシンベが入ってリズミカルに。そしてスクラッチやオケヒットなど90年代を彩った当時「最先端」の音造りに。それをバックに歌う中西もとても声が伸びている。そしてこの曲は「Featuring 米倉利紀」で、やはり「ポスト久保田」のひとり米倉利紀と共演している。2ndコーラスはメインヴォーカルが米倉という様ながっぷりの組み方だが、二人とも上手いヴォーカリストで対抗にはピッタリ。イロのある2人の声に酔える。
「明日はきっといい日(Acapella Version) 」は♪Di,Di,Wap/Di,Di,Wap♪とコーラスや、ボイスベースでドゥーワップ系の懐かしアレンジ。ハッピーで楽しくなる楽曲で伸びる中西の声が楽しめる。
音作りも装丁も「あの頃」のもので懐かしい。バブルは崩壊したとはいえ、当時はまだ景気の波のブレの範囲内と思われていて、そこを盛り上げるためかディスコもずいぶん注目され、巷には刺激的な音楽があふれた。実際にはその後さらに景気の底割れが数度にわたっておき、日本は長期低迷時代に入るのだが、当時の人は踊った。自分たちが「失われた20年」のとば口にいるとは気づかずに。
今から振り返るとそんなことが感じられるハイパーミックスです。
【収録曲】
1. 非情階段(Hyper-Radio MIX)
2. 明日はきっといい日(Acapella Version)
「非情階段(Hyper-Radio MIX) 」(最初のSEは消されている)
12「センチ」シングルとしては、紙ジャケ、アナログレコード風装丁の先鞭か?
よく見るタイプのアナログレコード風装丁。CDを内周レーベル+外周黒にして、プラケースでなく紙ジャケ。当時は結構珍しかったけど、今はありがち?
中西圭三と米倉利紀共演は必聴
歌ウマイ二人の共演は聴いていて楽しい
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購入金額
1,200円
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購入日
1994年頃
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購入場所
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