レビューメディア「ジグソー」

VM型 特許回避

AUDIO-TECHNICA  AT-VM35 1970年発売 12800円

 

オーディオテクニカのステレオカートリッジです  VM型とはバーチカル・マグネット方式で....米国シュアー社の特許回避方式です...もともとMM型カートリッジは独ELAC社の特許でしたが、米SHURE社が米国での特許使用権を持っていて日本は輸出ができませんでした MM型カートリッジをアメリカに輸出する為に特許侵害に為らない様にVM型を開発したとの事 カンチレバーの根元に、棒状のマグネットが90度差角度で付いていて、マグネットの振動により固定されたコイルに電圧が発生するものでした。

 

アメリカ・SHURE社のMM型特許はヨーロッパドイツのELAC社が移譲したものだとネットで読んだ記憶があります 今から思えば単純な特許ですが当時としては画期的だったんでしょうね


そのレコード針をカートリッジに取り付けると(カートリッジ内部のコイルに)レコード針の動きで数ミリボルトの起電圧が起きます それをイコライザー回路を通してアンプして再生します  このカートリッジは音質的には真面目でフラットな感じでした VM型といってもMM型の一種です...

       

   レコード針の付いているカンチレバーはテーパー状で剛性や不要振動を減少しています 

 

高音低音はメリハリのある再生音ではないですが、柔らかく肌理の細かい再生音を聴くことができます ワイドレンジでもなくハッタリのある音ではないですが、透明感のある音質ですね ボーカルを聴くにはよいと思います。

  
    VM型はコロンブスの卵発想みたいですがこの特許で世界中にオーディオテクニカは
    製品を輸出した訳です  ヘッドシェルはソニー製です 

 

 

  

  

  

  

VM35針は楕円無垢針です  

 

 

      

      針の基の部分に小さいマグネットが90度角度差で付いています

      赤い突起は本体へ差し込み時のガイドです

 

  

  

 

 

以前、VM型レコード針の件でマグネットが90度角度差で2個ついていると記載しましたが

角度に関しての数値がネットでは見つかりませんでした それでは実も蓋もないのでなんとか測ろうと思いついたのですがネットで画像で角度を測れるところがあるので、其処で大まかですが測ってみました   

     AT-15Ea    約90度? 

       

                  AT-VM35  約90度? 

図形のズレがあるので正確には無理ですが凡そは判ります  こちらのソフト使いました↓

https://www.ginifab.com/feeds/angle_measurement/online_protractor.ja.php        

 

 

  

 

 

針はダイヤ楕円無垢針です 

 

最近、MM型のカートリッジを数種類聴き直してみるとこのカートリッジは良い音しますね 確かオーディオテクニカのVM型の2代目だと思います 冬の間はあまり良いなと思わなかったのですが6月に聴くと良い音に為ってました 気温でダンパーが柔らかくなってきたのか....低音、高音にも冴えがあり当時のオーディオテクニカの渾身の逸品と思います 現在出力は4mVは無いと思います。

レコードの録音状態でも結構変わりますけどね。 

オーディオを始めた頃購入したカートリッジで多分9000円前後と思いました 足利市小林電気で購入したものでお店に手ごろなものは此れしかなかった訳です 当時はAT-VM35 , TECHNICS 205C ,

SATIN M-117 を同時期に所持していました その後SONY XL-35 , XL-15 だったと思います。

M-117は秋葉原で購入だったか...SHURE V-15Ⅲが雑誌で評判でしたが宣伝くさくて避けていました

、これは今でもそうです(その後 購入...ww)  205Cはあまりパッとしない音で正当派だけどメリハリが無かったんですね まじめな音で大人しめ...現在もそうです。 

このカートリッジは低音が平板でなく弾力的な低音が出ますね。    

     

 

新古針にて再生 高域が伸びていませんが他の針でも、同じ形状のMS-1300Eaでも同じような周波数特性なので此が実力なのでしょう 低域は再生ソフトの暴れで盛り上がっています MM型のカートリッジは12000Hz位でだら下がりになります カタログみたいにはいきません。 

    

  

私の環境での測定ですので数値を保証するものではないです。

           左CH        

         

                  右CH   

      

      1KHz再生時の高次周波数特性 かなり良いです 

      

    周波数特性はあまり良くないですが高音が出ないわけでもなく普通に出ます

    MM型は12000Hz位で落ちるものが多いです 聴くには十分かと思います

    

     今回は 測定レコード 新JVC TRS-1007 (補正済), TA-E86 , PC側SB WAVESPECTRA

           で測定 WAVEGENで作ったSWEEP信号をCD-Rに焼いてCD機で再生、PC側でどれ位

    ずれるかをチェック 誤差補正しました(SB誤差補正)  

  

   

 

  最終版SWEEP波形 R-CH 

              下の機材使用..

      

 

                                     NON-RIAA HEAD-AMP  

  

   

 

  

 

   

 

 

  

 

       

  

  

追記、訂正 

2018-7-3      VM35針は楕円無垢針です 0.3×0.7mil       

2019-1-16      周波数特性図追加   

2019-11-29    周波数特性図追加

2020-08-28    マグネット角度画像 追加

  • 購入金額

    0円

  • 購入日

    不明

  • 購入場所

25人がこのレビューをCOOLしました!

コメント (4)

  • タコシーさん

    2014/12/26

    いぐなっちさん
    レコードカートリッジは信号発電方式には色々な方式があります
    京都にあったサテン社(SATIN)などは有名でした 高音質でしたし。
    日本人の器用、緻密さにあっていたんでしょうね

    アナログプレーヤーは色々交換できるので楽しいですよね
    深入りすると危険ですが...
  • パッチコさん

    2014/12/26

    未だに買えるんですね。オーディオテクニカ様様です。
    うちにもかなりレアなアナログあるけど、回してないからカビ生えたりしてるんだろうなあ。
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